世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

温泉だけでなく、古い町並みや御柱祭りで有名な神社など盛りだくさんな下諏訪

2008-02-03 21:47:57 | 日本の町並み
 岸和田のだんじりの屋根には人が乗って走り回りましたが、神輿の屋根に人が乗って問題になりました。一方、御柱祭では、山から切り出した樅(もみ)の大木の御柱の木落しでは傾斜30度のの急斜面を、御柱に氏子を乗せたまますべり落とすことで有名です。今回は、6年に一度の御柱祭の行われる諏訪大社のある、下諏訪について紹介します。

 新宿から中央線の下りに乗車して先に停車するのが上諏訪で、その次の駅が下諏訪になります。上諏訪は諏訪市、下諏訪は下諏訪町と行政区域も違います。共に温泉の湧く町ですが、諏訪大社の本宮や美術館などがあって、霧が峰への玄関口の上諏訪のほうがメジャーなように思いますが、諏訪大社の春宮、秋宮や万治の石仏があって町並みの顔も良いのは下諏訪です。
 諏訪大社の2つのお宮のうち下諏訪の駅に近いのが秋宮で、古い町並みが残っているのもその周辺になります。

 氏子を乗せて斜面を滑り落ちた御柱が社殿の四方に立てられています。

この、御柱は6年ごとに新しい柱を立てるわけですから、お古はどうするのかなと、思っていたら、新潟県の新発田市にある諏訪神社で発見しました。同じような御柱が立っていて、説明書きに、これは諏訪大社からもらったものです、とのこと。諏訪神社は全国に30箇所近くありますから、順に使われるのでしょうか。

 一方の春宮のほうは、駅の北、秋宮の北西方向に1km程度の距離にあります。秋宮から春宮への山沿いの道は、諏訪湖をバックに下諏訪の町並みが望める眺めの良い散歩道です。途中の、慈雲寺もうっそうたる木立の中の山門に存在感を感じます。

 本堂の前庭には、石庭があり、訪れたときは春まだ浅かったので、雪景色の庭でした。もう少し後の4月になれば、桜が見事なお寺なのだそうです。

 春宮の横に流れる砥川を渡ってしばらく上流に行くと万治の石仏があります。万治とはこの石仏の制作年代が万治3年(1660年)と彫り付けられているためで、諏訪を紹介するポスターなどによく登場する石仏で、一度見ると忘れられないユニークな形相をされています。

岡本太郎に「こんな面白いものは見たことがない」と言わしめたそうです。三角形の自然石の上に、楕円の頭を作ってちょこんとのせた、といった感じの造りですが、お顔の造りは日本人離れをしています。兵庫県の北条に五百羅漢の石像があり、そこで見たようなお顔と似ているように思います。北条の五百羅漢は、帰化人をモデルに作られたと言われており、万治の石仏も同様なのかもしれません。

 ところで、諏訪といえば温泉は切り放せません。上諏訪の駅の構内にあった露天風呂は、現在は足湯になってしまいましたが、入場券で入浴できる温泉ということで有名になりました。片倉財閥が建てた片倉館や間欠泉センターがあるのも上諏訪ですが、一方の下諏訪温泉は、共同浴場が多いのが特徴のようです。駅の周辺に10箇所ほどあって、銭湯感覚で入浴できます。温泉旅館の日帰り入浴プランのような豪華さは望めませんが、地元の人々と一緒に、のんびりと入浴すると、町並み散歩の疲れも消えるように思います。

 下諏訪温泉の泉質は、硫酸塩泉、塩化物泉、単純泉なのだそうですが、硫化物を含む温泉地でいつも困るのが、金属が黒ずむことです。特に銀の宝飾品は真っ黒になってしまいます。IT製品には数多くの接点があり、この接点がさびてしまうと、動作不良になります。銀は電気を最もよく伝えますが、酸化や硫化しやすいので、金やレアメタルの合金が接点材料として使われています。IT分野での使用量が増えているのもかかわらず、産出する地域が限られているので、その確保が政治問題にまでなるようです。また、大量に買い替え需要がある、携帯電話に使われる金やレアメタルを再利用する技術も確立はしているようですが、使い終わった端末が死蔵され、肝心のリサイクルの輪がなかなか廻らないようです。