世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

三大ガッカリと言われることもあったオペラハウスも遺産登録されました(オーストラリア)

2007-07-08 17:11:01 | 世界遺産
 今年度の世界遺産会議で新規に世界遺産に登録された遺産は、日本の石見銀山の遺構を含めて22件ありましたが、その中にオーストラリア・シドニーのオペラハウスも含まれています。世界の3大ガッカリの一つとも言われたこともありますが、現代を代表する建築遺産として承認されたようです。ちなみに3大ガッカリには諸説ありますが、マーライオン、人魚姫の像、小便小僧の像それにオペラ・ハウスの中から3つが選ばれることが多いようです。

 オペラ・ハウスは1973年に完成した貝殻を重ねたような外観が美しく、特にシドニー港から眺めた姿は見事です。シェルが2つあるのは、港から見て左がオペラ劇場で右側がコンサートホールの2棟のホールが複合しているからです。このオペラ・ハウスがガッカリの候補になっている理由を考えてみると、海から眺めた形は美しいのですが、もっとよく見ようと思って、陸側から近づくと、ごてごてとして、すっきりしません。設計者も海側からある程度の距離を置いて眺めることを念頭に設計したのかもしれません。この建物は1959年に着工しながら、予算オーバー(当初の約14倍)や、設計者が途中で変更されるなどで14年もの歳月をかけてやっと完成したものです。完成後はシドニーを代表する建物になったことは、ハッピーだったかもしれません。

 筆者がシドニーを訪れたのはおよそ20年も前になります。オペラハウスの周辺もこの写真とは変わってしまっているかもしれません。その頃は、モノレールもありませんでしたし、ハーバーブリッジのアーチ部分を登ってゆくハーバークライムなんてのもありませんでした。この、ハーバークライムで登るアーチの頂上部は海面から134mあるそうで、オペラハウスの眺めはもちろん、360度の絶景を楽しめるのだそうです。高所恐怖症で奈良県の谷瀬の吊り橋も渡れなかった筆者にはとても参加できないツアーの一つのようです。

 シドニーを訪れたときに驚いたのが、地下鉄です。郊外電車がそのまま乗り入れていたようですが、なんと2階建て車両なのです。地下鉄では、特に初期のものでは、トンネル断面を小さくするために架線をやめて第三軌条から集電したりします。この常識を覆す光景にびっくりでした。すこしでもたくさんの人に乗って、また座ってもらおうとのサービス精神が優先したのでしょうか。最近、1枚で地域のほとんどの交通機関に乗れるカードの導入が進んでいます。スイカに始まった非接触のICカードを利用して、財布などから出さなくても改札が通れるメリットも強調されているようです。関東ではデビット方式で先払い、関西ではクレジット方式の後払いで、多く乗ると割引もしてくれます。どうもサービス性においては関西のほうに分がありそうです。