世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

鯉のいる掘割のそばには畳敷きの教会がありました、津和野

2007-07-01 17:12:17 | 日本の町並み
 自転車で回るのにちょうど良いのが安曇野でしたが、最近の観光地では貸し自転車屋さんを多く見かけます。車が少なくって起伏の少ない町が自転車には快適です。今回は、これらの町の中で、比較的古くから貸し自転車が多かった津和野を取り上げます。回りを山に囲まれ、その間を南北に鉄道が走り、ユニークな美術館があるところも安曇野との共通項かもしれません。

 津和野町は島根県の西の端、山口県の萩市などと接していて、萩とならぶ中国地方西部を代表する観光地の一つになっています。町の中央を新山口と益田を結ぶJR山口線が走り、C57を使ったSL山口号が観光客を満載して到着します。

 萩と並び称されますが、JRを使ってその間を移動するのはちょっと不便です。益田まで山口線、そして山陰線に乗り継いで直線距離の3倍ほどもの遠回りになります。そんな理由もあってかどうか、町の中に観光バスなどの車が増えて、自転車に対しては環境が悪くなってきているかもしれません。

 かつては、人通りも少なかった通りに何処の観光地にもあるような土産物屋が割り込んできて、観光バスを降りた団体客がゾロゾロ歩くさまはちょっとげんなりするところもありますが、殿町あたりの掘割に泳ぐ鯉と築地塀の組み合わせはさすがに絵になります。

 その掘割のある通りに面したカトリック教会は外観はごく一般的な教会ですが、中に入るとちょっとびっくりします。聖書などを置く机と合体した椅子が何処にもなくって、畳敷きの広間があり、

その奥に祭壇があります。礼拝の時間に遭遇しなかったので、そこでの礼拝がどのような形で行われているのかは確認できませんでした。

 教会といえば、ヨーロッパの田舎で教会の尖塔が見え隠れするような風景を柔らかなタッチで描いている絵本作家の安野光雅画伯の美術館もなかなかユニークです。プラネタリュームを併設する美術館というのは他では見たことがありません。「天動説の絵本」などを描き、科学の基礎となる天文学を知ってほしいという安野さんの意見を取り入れたものだそうです。

 プラネタリュウムは光で投影するわけですから、一般的に目で見える、光る星が対象になります。しかしながら、宇宙には可視光線は出さなくてもX線や電波を出す星も数多くあって、これらの星の観測には電波望遠鏡が活躍します。望遠鏡といっても、大きなパラボラアンテナを持つ受信装置です。はるか彼方からやってくる微弱な電波を捉えるために、雑音の少ない増幅器が必要で、分解能(2つのものを2つと見分けられる限界)がアンテナの直径に反比例するために、多くのアンテナを並べたりと、宇宙のベールを剥がすのは大変な努力が要るようです。