世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

まもなくチューリップが満開になる砺波平野の南端にある越中の小京都、城端

2006-04-14 14:40:58 | 日本の町並み
 これまでは、書き溜めていたものをリライトしてきましたが、新しく書き起こしたものを交えて公開してゆくことにしました。新旧を区別するために、新たに書き起こしたものは表題の先頭に"N"の文字を付け加えることにしました。

 新規の初回は、まもなくチューリップが満開になる砺波平野の南端の城端を紹介します。城端のある富山県の南砺市は、チューリップ祭りのある砺波市に隣接する富山県の西南端の市です。8つの町村が合併して誕生したもので、市の南端には世界遺産で有名な五箇山も含んでいます。城端までのアクセスは高岡から伸びるJRの城端線で、屋敷林を持つ典型的な散村の砺波平野を眺めながらの移動になります。1時間に1本程度の割合で、1~2両編成のディーゼルカーがのんびりと走っています。

 城端は越中の小京都と呼ばれていて、駅から山田川を渡ったあたりから池川にはさまれたあたりに古い町並みが残っています。町並みの中心には善徳寺があり、その巨大な山門は京都の禅寺を思わせまが、こちらは北陸に信者の多い真宗のお寺です。お寺を通り抜けたところに、曳山会館があり、5月14、15日の曳山祭りで使われる3基の山が展示されています。ただ、筆者は早朝に訪れたため、入館できませんでしたが、会館の裏にある蔵回廊は外部からの見ることができ、連続する蔵を背景に花壇のサルビアが綺麗でした。

 古い家並みが多く残されているのは、曳山会館の前のバス道路を渡って池川に行く途中を右折したあたりで、お醤油屋の看板が下がっていたり、微妙に曲がった通りに格子の連なる家があったり、小川の流れがあったりで、昔にどこかで見たような風景が続いています。さらに、池川を渡って東にしばらく行くと、水車の里があります。道路沿いの小川に50基近くの水車があり、おのおのにカラクリ人形などが組み合わされた創作水車で面白いのですが、かなりの部分が傷んでいて動きません。保守の手が回らないのか、観光客が壊してしまうのか、ちょっと残念です。

 クリーンなエネルギーとして燃料電池が注目を集めていて、自動車やJRのディーゼルカーへの導入試験が進んでいます。また、消費電力が大きくなる一方の携帯電話での利用も期待されているようです。一方、自然のエネルギーを有効活用する動きとして風力発電や太陽電池の普及も進んでいます。水車は、水の流れという自然エネルギーを利用したもので、電気エネルギーが利用される前は動力の主役だったわけです。そういえば、水力発電所で発電機を回しているのも、巨大な水車なんですね。