世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

菜の花畑の中に菜の花色の小さなディーゼルカーの走る房総の小江戸、大多喜

2006-04-17 14:39:24 | 日本の町並み
 春を代表する花としてチューリップは欠かせませんが、菜の花も重要な位置を占めているかもしれません。今年の菜の花は咲くのが少し遅くなり、桜との競演は難しかったようですが、首都圏ではさすがに見ごろはすんでしまったでしょう。この菜の花色のディーゼルカーが走っているのがいすみ鉄道で、上総中野と大原の間を結ぶローカル線の線路に沿って菜の花畑が広がっています。

今回は、いすみ鉄道のちょうど中央の駅、大多喜周辺を紹介します。

 大多喜は房総半島の中央の外房寄りの夷隅(いすみ)郡の町で、ややこしいことに、大多喜町に接した太平洋側には、平仮名表記のいすみ市もあります。この、いすみ市も元は夷隅郡の夷隅町と隣の大原町とが合併して誕生したものです。いすみの地名は古事記や日本書紀にも登場する古い地名のようですが、大多喜は江戸時代の本多忠勝の築城になる城下町として発展してきました。駅の裏手の小高い丘には、大多喜城の天主が再建され博物館になっています。この丘に登る道はいったん丘の裏に回って随分と遠回りをしなければなりませんが、帰路に近道を見つけました。丘の手前にある大多喜高校を突っ切って、高校の裏にある階段を登れば丘の上に出られ、駅から歩く距離は6割程度に縮まります。

 丘から見える大多喜の町は、房総の小江戸と呼ばれる町並みで、そこかしこに古い城下町の雰囲気が残っています。重要文化財の渡辺家住宅のほかに、いくつかの造り酒屋もあって、緑色のさかばやしも下がっています。

このさかばやしは、本来は新酒ができたという目印ですから、緑色の杉玉のはずですが、よく見かけるのは茶色に変色した形ばかりのものが多いように思います。変わったところでは、房総中央鉄道館という鉄道マニア必見の博物館もあります。総延長1kmにも及ぶ模型線路の設備は県内最大で、模型以外にもいろいろなサボ(列車につけられたホウロウ製の行き先表示板)や鉄道の小物類が展示されています。

 鉄道といえば、先に紹介したいすみ鉄道は、上総中野でJR内房線の五井から伸びてきた小港鉄道と接続しています。首都圏から、内房線(五井)小港鉄道(上総中野)いすみ鉄道(大原)外房線と回れば、房総半島を輪切りにした日帰り小旅行ができます。この2本の鉄道の本来の目的地は上総中野ではなく、いすみ鉄道の前身の国鉄木原線では、内房線の木更津まで伸びる予定でした。一方の小湊鉄道は、名前のように外房線の安房小湊まで達するはずでした。この両者が、予定通りに線路を伸ばしていれば、房総半島を2種類の線で串刺しできたはずなんですね。ただ、2種類の鉄道会社での縦断路線であっても、両線を通しで乗り継げる割引切符が用意されていて、個別に乗車券を買うよりも安くなっています。また、本数の少ないダイヤは、上総中野でのぴったりの接続になっていて、列車が遅れても待っていてくれるようです。

 インドに旅行をした時に、一面の菜の花畑に出くわしたことがありました。しかし、ガイドさんの説明ではカラシの花だとか。カラシと菜の花は同じアブラナ科なので似ているようです。携帯電話とPHSも外観や使い勝手は似ていますが、電波の出力は10倍ほども違います。携帯電話の使用が制限されている病院などで、お医者さんが使っているのは、"内線用"と大きく表示されたPHSで、電波出力が小さく医療機器への影響の心配が無いものです。それなら、外部から持ち込んだPHSも使えるのでは?と思いますが、外観の似ている携帯電話と区別するのが難しいので一律禁止のようです。