いよいよトランプが第45代の米国の大統領に就任する。就任式は20日午前11時半からワシントンの連邦議会議事堂で行なわれる。日本時間では21日午前一時半からだが、これをきっかけに米国は大きくチェンジするのではないだろうか。日本では未だに楽観論が支配しているが、そうは問屋が卸さないはずだ。世界は急速に緊張を高めてくるだろう▼移民、イスラム過激派掃討、雇用創出を中心に据えるとみられている。そのいずれを取っても保護主義への傾斜は明らかである。もはや日本の後ろ盾としてのアメリカではなく、自国の利益を優先する米国が登場するのである。日本が為替に介入し、円安を誘導しているとの批判を、必ずトランプはしてくる。日本の防衛費を予算の2㌫にすることも求めてくる。それにどう対処するかが安倍内閣の腕なのである▼ようやくアベノミクスで雇用が増えてきたのは、輸出産業の好調が背景にある。それが一変でひっくり返るようなことになれば、高い支持率を誇ってきた安倍内閣も、大変なダメージを受ける。防衛費の面でも応分の負担を強いてくる。米国からの圧力に対しては、自由貿易の原則を貫くとともに、国家として身構えるための予算については、国民の理解を得ながら、着実に整備していくしかない。兵器の購入だけでなく、国民の命を守るためのシェルターの建設や、食糧の確保などにあてるべきだ。いかなることが起きても、腹を据えて臨機応変に対応すべきであり、トランプの米国大統領就任を奇貨とすべきなのである。
←応援のクリックをお願いいたします。