2021/3/6放送
世の光の時間です。いかがお過ごしですか? 山本陽一郎です。
イエスの十二弟子で一番有名なのは誰でしょうか。もしかするとイスカリオテのユダかもしれませんね。彼はイエスを裏切り、銀貨三十枚で売り渡しました。そしてイエスは十字架刑に処せられて殺されます。
このユダを巡っては学者の間でも様々な解釈があります。ただ背景の一つとして、イエスに対する政治的・軍事的な革命運動の期待があったことはあげられるでしょう。これはユダだけでなく当時多くのユダヤ人たちが抱いていたものでした。
ローマ帝国に支配されていた彼らにとって、待ち望んできたメシヤ(救いの王)がローマを打ち破り新しい王国を築いてくれたら、という願望は強かったのです。しかしイエスの語る神の国はどうもそういうものとは違うと分かり、期待が失望に変わった人もいました。
でもイエスの元を離れた弟子はユダだけではありません。確かに自分からイエスを売りに行ったユダと他の弟子たちとは違います。けれども皆もイエスを見捨てたのです。
最後の晩餐でイエスが弟子の裏切りを予告した時、弟子たちは悲しんで口々に、「まさか私ではないでしょう」と尋ねました。ペテロは、「主よ。あなたとご一緒なら、牢であろうと、死であろうと、覚悟はできております。」(ルカの福音書22章33節)と豪語しました。
しかしゲッセマネの園でイエスが逮捕された夜、実際はどうだったのか。彼らはイエスを一人置いて逃げていきました。勇ましいことばを述べていたペテロも人を恐れ、舌の根の乾かないうちにイエスを「知らない」と三度も言ってしまいました (マタイ 26章70節、72節、74節他 )。
イエスを見捨てて逃げてしまった弟子たち。聖書は彼らを通して身勝手で恐れやすい私たち人間の姿を描き出しています。
けれどもイエスはそんな弟子たちを、そして私たちを愛してくださいました。私たちの弱さも身勝手さも罪深さも全てご存知で、そんな者たちを救うために十字架にかかり、死んで、復活してくださったのです。
たとい私たちがその手を離してしまうことがあっても、イエスの愛は変わりません。イエスは今日もあなたを愛して、あなたを待っておられます。
( PBA制作「世の光」2021.3.6放送でのお話しより )
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