2025/5/13放送
「世の光」の時間です。私は神奈川県海老名市にあるグレースガーデンチャーチ牧師の阿部頼義です。今日は「嘆くことの大切さ」というテーマで聖書からメッセージをお届けします。
ある心理カウンセラーが、「現代社会は時間の流れが早く、時間をかけて嘆くことが疎(おろそ)かにされているように感じる」と言っていました。自分自身に当てはめて考えてみても、確かに忙しさを言い訳に自分の感情をグゥッと心の奥に押し込めて平静を装ってしまうことがあるなと思います。それに、嘆くことや感情を表に出すことへの抵抗感のようなものさえあるなと感じます。皆さんはいかがでしょうか。
意外かもしれませんが、聖書を見ると歴史に名を残すような人物たちの嘆きが収録されています。しかも、キリスト教の中心人物であり救い主とされるイエスもその一人なのです。それは「ゲッセマネの祈り」として新約聖書に収録されています。
「ゲッセマネの祈り」とは、イエスが十字架にかかる前夜、その苦難を前にして嘆いた祈りです。その時イエスに課された苦難とは、人類の罪を背負い、その身代わりとなり十字架にかかる、というものでした。
聖書には、イエスの汗が血の滴のように地に落ちた、と表現されています。それほどイエスは苦しまれたのです。イエスは嘆きの後で自分の運命を父なる神に委ね、十字架へと進むことになります。
結局、祈りは聞かれず、イエスは十字架で死なれました。助けるものはいなく、三年間一緒に生活してきた弟子たちさえも逃げていきました。イエスは肉体的な苦しみだけでなく、精神的な苦痛を味わわれたのです。
しかし、話はそれで終わりませんでした。神はイエスに新たないのちを与えられ、三日目に復活させたのです。
それだけでなく、イエスを救い主と信じる人々にも同じように新しいいのちを与えると約束されたのです。
このように、神は私たちの嘆きを聞いてくださり、思ってもいない解決を与えてくださる方なのです。
皆さんの人生の中でも、抱えている問題が大きくて前に進めないように思える時があると思います。そんな時は、少し立ち止まり、自分の感情を神に祈ってみてください。ああ、もうダメかもしれない、と嘆くようなことがあっても、神に祈るとき、イエスを死から復活させた神の力が、私たちをもう一度立ち直らせてくださるのです。
( PBA制作「世の光」 2025.5.13放送でのお話しより )
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