2021/2/15放送
世の光の時間です。いかがお過ごしですか。板倉邦雄です。今日は「権利を主張する」と題してお話ししましょう。
私たちは一人の人間としての基本的人権を保障されています。しかし現実はしばしば権力を恐れて、当然言うべきことを言わず、泣き寝入りしてしまうことがありますね。使徒の働き22章の続きです。
さて、パウロの弁明は途中、群衆の怒号によって終わってしまいました。「こんな男は地上から取り除いてしまえ。生かしておくべきではない。」と人々は大声を張り上げ、喚き立てて、空中に自分たちの上着を投げ、地の塵を撒き散らす始末でした。
ローマの千人隊長は部下にパウロを、兵営に引き入れるように、と命じました。そしてどういうわけで民衆がこの男に対してこんなにわめき立てているのかを確かめるため、パウロを鞭打ちの拷問にかけ取り調べるように言い渡したのです。そして兵営に連れて行かれたパウロは。鞭打ちのために縛り上げられました。
パウロは側に立っている百人隊長に言いました。「ローマの市民である私を裁判もしないで鞭打っていいのですか。」
百人隊長はびっくりして千人隊長のところに飛んでいって報告しました。「どうしたらいいでしょうか千人隊長様。あの人はローマの市民なのです。」
そこで千人隊長はパウロのところに来て言いました。「私に言ってくれ。あなたはローマの市民なのか。」
「そうです。」
「私はローマの市民権を多額の金で買い取ったのだが。」
パウロは答えました。「私は生まれながらローマ市民です。」
それを聞くと千人隊長は非常に恐れました。またパウロを取り調べようとしていた人々も直ちに身を引いたのです。
さて権力者は同時に権威を持った者です。権威とはその権力にふさわしい品格と尊敬できる資質があるものです。人を高めるために権威が与えられているのです。しかし、しばしば権力者は権力だけを持って人々を扱うようですね。そして人々は権力を恐れ、自ら与えられている権利さえも主張できない現実があります。しかしパウロは不当な扱いに対し、自ら与えられているローマ市民の権利を主張いたしました。当然なことです。
(PBA制作「世の光」2021.2.15放送でのお話より )
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