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ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

昭和18年-社町7月常会徹底事項④

2008年03月15日 07時07分42秒 | Weblog
 引き続き、昭和18年の7月常会の徹底事項を掲載します。

七 米麦雑穀賃河口取締規則施行ニ関スル件
 曩ニ部落会長宛通牒致シ置候処ナルモ之ガ運営ノ如何ハ政府買入穀物ノ供出並ニ食糧確保ニモ影響スルコト大ナルモノ有之実施ニ当リ左記事項一般ニ周知セシメラレ度

       記

1、米麦雑穀賃河口取締規則ノ中一般ニ必要ナル条項ハ別紙ノ通リ
2、本規則発令ノ趣旨ハ従来主要食糧ノ集荷上多大ノ障害タリシ賃加工業者ヲ取締リ公定加工料ノ取締励行現場加工料ノ排除、町村長及農会長ノ加工承認賃加工業者ノ兼業ヲ禁止スルタメナリ
3、当分間精米及米ノ製粉ハ認可スルモ麦類ノ加工承認ハ原則トシテ麦類供出後ニ為スコトニ指示相受ケ居ルニ付一般ヘ示達ノ上供出ノ促進ニ一般ノ配慮相成度
4、本証票ノ下付ハ役場開庁時限内ニ願出スル様指示相成度 尚幾分カ早イ目ニ願出スル様指導セラレ度

八 防空ニ関スル件
1、訓練防空警報発令ニ関スル件
 本年度本県防空教育訓練実施ヲ十月迄三乃至二回実施サル予定ニテ加東郡ノミ訓練場合ハ社警察署長ガ警報発令スベキ旨指定セラレタルニ付今後「署長発令訓練警報又ハ警報排除」ト「署長発令訓練」ノ語ヲ冠スルコトニ相成タルニ付一般ニ実践ノ真防空ト混淆セザル様指導セラレ度
2、準備管制ノ徹底ノ件
 就寝後ハ警戒管制程度トシ屋外灯ハ残置灯ノミ残シ他ハ消灯をナス事ニ定メアルモ実行シアラザルモノ多シ一般ニ徹底ヲ希フ

以上の通り、8項目の徹底事項が示されています。60数年前のことなのですが、戦時の国民生活がどのようなものであったかを知る上で大いに参考になります。それにしても表現も候文調で、如何にも今の感覚からすれば堅苦しい感じがします。
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昭和18年-社町7月常会徹底事項③

2008年03月14日 06時39分06秒 | Weblog
今日も昭和18年の社町「7月常会徹底事項」を引き続き掲載します。

六 昭和十八年度政府買入麦類ノ供出促進ニ関スル件
 昭和十八年産政府買入麦類ノ割当ハ先般書類ヲ以テ御通知申上置候処ナルモ現下食糧事情ノ重要性ニ鑑ミ割当数量以上ノ供出方御配慮相煩度
 尚左記ノ点一般ニ周知相成度
(一)社町内麦類生産検査ハ左ノ通リ実施サルルモ可成第一回及第二回ニ供出完納スル様格段ノ配慮相成度
  ※名、第一回、第二回の期日が記入された一覧表(略)
(二)政府買入麦類ノ販売委記料助成ノ件
  県ニ於テハ麦類ノ集荷ノ敏速ヲ期スルタメ県信販購聯並ニ町村販売組合ノ委記手数料ヲ左ノ通リ助成スルコトニ相成タルニ付一般ニ趣旨徹底ノ上供出ノ促進ヲ留意相成度
 1、七月末日迄ニ政府ノ受入手続ヲ完了セルモノ
      販購聯      単位組合      計
  裸麦  四・六二銭    六・九四銭   一一・五六銭以内
  小麦  四・五七銭    六・八六銭   一一・四三銭以内
 2、八月末日迄ニ政府ノ受入手続ヲ完了セルモノ
      販購聯      単位組合      計
  裸麦  二・三一銭    三・四七銭   五・七八銭以内
  小麦  二・二八銭    三・四三銭   五・七一銭以内

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昭和18年-社町7月常会徹底事項②

2008年03月13日 06時46分04秒 | Weblog
 昭和18年(1943)7月の常会徹底事項の続きを掲載します。「モンペ風ノモノ」の着用について、新しく作ったり、みんなで同じものを揃えるといった申し合わせをするのはやめようという呼びかけもあって、モンペ一つにも細かい指示が出ていたことが分かります。

尚一、戦争生活ノ徹底的ナ実践事項ノ(一)決戦下ノ服装中、左記事項特ニ御留意ノ上御指導相成度

 一、「モンペ風ノモノ」ヲ巳ニ所持スル場合ハ新ニ作ルコトハ極力見合セルコト

 二、現在「モンペ風ノモノ」ヲ所持セズ新ニ作ル場合ハ家庭ニ有リ合セノモノニ厚生活用ヲ図ルコト此ノ場合染料節約ノ為染ノ直シハ為サザルト共ニ殊更華美ナルモノヲ作ラザル様注意スルコト

 三、常会ニ於テ「揃ヒノモンペヲ作リマセウ」ノ如キ申合セヲ為サザルコト


三 ヒマニ支柱ヲ立テ追肥ヲヤリマセウ
 幼苗ノ間ハ風ニ頗ル弱イモノデスカラ必ズ支柱ヲ与ヘマセウ 一、二尺ノ頃ニ絶エズ灌水スルト共ニ追肥トシテ薄イ人肥カ下水汁ヲ一週間置位ニ根モトカラ一、二尺離レテヤツテ下サイ

四 必勝貯蓄徹底ニ関スル件
 本年度本町割当目標額百五十二万一千円デアリマシテ相当巨額デアリマスガ大東亜戦争ヲ勝チ抜ク為ニハ如何ナル困苦ヲ忍ビテモ之レガ完全達成ニ努メマショウ
 我ガ国ノ本年度貯蓄目標額弐百七十億円デ(前年ヨリ三百三十八万四千円増)本県ノ割当額ハ十七億円本郡ニハ千四百六十五万円デアリマシテ我ガ社町ハ実ハ百五十二万一千円ノ巨額デアリマス(昨年度ヨリ二十九万三千円増)之ヲ大別致シマスト左記ノ通リニナリマス

          記

 一、百二十五万五千円 之レハ銀行、信用組合、郵便局、無尽会社、保険会社其ノ他貯金及掛金
 一、十二万円     国債々券ノ割当額各デ消化スベキモノ
 一、一万円      各会社工場デ消化ヲ願フベキ分
 一、二万円      産業団体ニ割当テ消化額
 計 百五十二万一千円

五 申告ノ正確ノ件
 決戦下配給、其ノ他ノ業務ニ関聨シテ各種申告ノ正確ヲ期スル事ニ格段ノ指導相成度
 左ニ申告ノ大要ヲ摘記ス
 1、戸数、人口等ハ直接生活必需物資ノ配給ヲ円滑且適正ヲ期スル最モ大切ナルニ付異動ノ都度連絡訂正相成度
 2、本年度ヨリ肥料等ノ配給モ米、麦、其ノ他ノ供出モ全部作付反別ニヨリ行ハレ且又其他ノ保有承認等モ其ノ新穀ニヨリ行ハレル事相成タルニ付作物ノ作付反別実収高其ノ他凡有申告ヲ正確ニ行フ様指導セラレ度
 3、前記調査ハ本年度ヨリ一元的ニ行ヒ其ノ調査申告ガ正当ナルト否トヲ問ハズ爾後何レノ配給モ供出モ行フニ付御了承ノ上申告ノ正確ヲ計ラレ度
 
 
  
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昭和18年-社町7月常会徹底事項①

2008年03月12日 06時27分32秒 | Weblog
 昨日このブログに書いた加東市穂積の「乳池さん」の祠の破壊が今朝の神戸新聞に報道されていました。乳池さんは神功皇后に関係する伝説で、加西にも乳の泉の伝説の地があるそうです。そうした伝説が今も伝えられていることが貴重なことだと思うのです。いつまでも無惨な姿のまま放置する訳にもいかないと思います。

 さて、今日は昭和18年(1943)7月の社町常会徹底事項を引き続き紹介します。戦争がきびしくなっていくなかで、国民生活はどのように変化していくのかをこの徹底事項を通してみていきたいと思います。


七月の常会徹底事項

一 戦争生活ノ徹底的ナ実践
 今コソ決戦一億総決起ノ時-オ互ハ「戦争生活」ニ徹底セネバナラヌ
(一)決戦下ノ服装
 イ 衣服ノ新調ヲヤメテスベテ有リ合セノモノヲ活用スルコト
 ロ 已ムナク新調スル場合ハ国民服ノ乙号型トシ背広服ノ仕立ハヤメルコト
 ハ 袂ハ短クシ特ニ婦人ハナルベク標準服ヲ実行シ作業ヤ活動ニハモンペ風ノモノヲハクコト
 ニ 婚礼葬儀等ノ儀礼ニハ礼装簡素化ヲ図リナルベク平服デスマスヤウニスルコト
 ホ 不用ノ衣類ハ出来ルダケ隣保ナドデ融通交換シマタ作リ替ヘヤ修繕ヲ工夫スルコト
 ヘ 夏季中ハ上衣ヲ着用シナクトモ差支ヘナイコト
 ト 警戒警報ガ発令サレタラ防空服装ニ身ヲ固メルコト

二 食糧ノ非常増産
 外米輸入ニ頼ツテハナラヌ 食糧ハ国内デ賄ハウ
(一)土地ノ非常活用
 イ 不耕作田ガモシアレバ共同作業等デ水稲ノ植付ヲ全部ヤリ遂ゲルコト
 ロ 不耕作畑ハ勿論伐木跡地河川敷地工場建築予定地公園縁地庭園ナドアラユル空地ニハ大豆蕎麦粟黍等ヲ作付スルコト
 ハ 果樹園桑縁瓜畑等ニハ大豆ヤ蕎麦ノ周囲作ヲ行ヒ其他ノ畑地デハ輪作ノ改善ヲ行フコト
 ニ 宅地ノマワリニモ大豆ヤ蕎麦ナド余サズ作付スルコト
 ホ 部落会町内会ハ土地ヤ種子ニツイテ市町村ノ翼賛会支部農会ト連絡シ作付けガウマクイクヨウ斡旋スルコト
(二)除草ヤ手入レノ励行
 イ 水田ノ除草ハ適期ヲ選ビコレマデヨリモ回数ヲ増スコト
 ロ 畑作ハ除草、中耕、追肥ヲ時期ヲ違ヘズ行フコト
 ハ 病虫害ハ早ク発見シテ徹底的ニ防除スルコト
(三)挙国草刈運動
 イ 肥料ヤ飼料ノ大増産ノタメコノ夏ハ昨年ノ二倍以上ノ草刈ヲ成シ遂ゲ割当ノ増産目標ヲ必ズヤ突破スルコト
 ロ コノタメ一般農家ノ実行ハ勿論学校報国隊ヤ都市ノ勤労報国隊ヤナドハ特ニ協力スルコト
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乳池さん無惨

2008年03月11日 07時02分44秒 | Weblog
乳池さんの祠が無惨に破壊

 9日、加東市穂積の乳池さんの祠が何者かによって破壊され、無惨な状態になっていることを知りました。昨日(10日)の夕方、乳池を訪れてみると、祠はすでにそこになく、打ち砕かれたコンクリートや石の破片が、祠があった周辺に並べられていました。
 地元の人の話によると、先週末に破壊されていることに気付いたということで、先週の間に何者かがハンマーのような物で打ち砕いたようだ、ということでした。
もし、そうだとすれば、一体どうしてこのようなことをしたのか、まったく信じられません。
 この乳池さんは、その伝説の古さからすれば、加東市の歴史遺産の一つに挙げてもおかしくないものです。滝野町が編集した『そこが知りたい滝野の歴史』に取り上げられていますし、滝野東小学校の児童が編集した「未来に伝えたいふるさと滝野の歴史遺産」の中でも取り上げられています。乳池さん、そして伝説については、18年6月にこの「ふるさと加東の歴史再発見」で紹介していますが、こうした事態が起きている今、もう一度伝説を紹介し、その歴史的文化的な価値を見直してみたいと思います。

 
《18年6月のブログより》
 大昔のこと、毎朝この池から数十羽の鳩がとびたちました。ふしぎに思った村びとがこっそり見ていますと、鳩たちは池の水を口にふくんではとんでゆきます。
 ふと気がつきますと、池の水が乳のように白くにごっているではありませんか。鳩たちは日岡山(加古川市)までrとんでゆき、神功皇后さまの子ども(応神天皇)に飲ませているのでした。皇后さまに乳が出なかったからです。その後、この池の水は、乳の出のよくない母親たちにききめがあるとよろこばれました。かつては、乳房の絵をかいた絵馬がたくさん奉納されていました。
                  滝野町『そこが知りたい滝野の歴史』より

穂積といえば、「播磨国風土記」(8世紀はじめ)に出てくる穂積の里を今に伝える古い地名です。穂積の里は旧社町と滝野町にまたがる広い地域であったと考えられています。その古い穂積に神功皇后の伝説が伝わっているとは・・・。
神功皇后といえば、三韓征伐で知られる第14代仲哀天皇の皇后であり、15代応神天皇の母です。今から千数百年も前のことですが、征伐中に応神天皇がお生まれになり、鳩は乳のかわりに泉の水を運んでいた、という伝説です。

 写真は、乳池のある一画を写したものです。「池」という名から、もっと大きなため池を想像していたのですが、実際にはこの一画の中にある小さな泉のことだったのです。生い繁る草をかきわけて入ってみると、真ん中あたりにくぼんだところがありました。しかし、水はありませんでした。
 この一画に祠があり、中には色あせた絵馬が入っていました。訪れたのは17年の5月頃だったと思いますが、だれもお参りしているような感じはありませんでした。


 以上です。この乳池伝説については、17年に滝野東小学校の6年生児童と一緒に調べに行きました。地元の高齢者の方にも聞き取りをし、ミルクがなかった戦後間もない頃までは、この乳池の泉の水を利用していたということを知り驚いたものです。
 誰がいったいなぜこのようなことをしたのか。歴史や文化、伝統の破壊は自己の存在そのものの否定でもあります。子ども達が「未来に伝えたい」と願った思いを破壊するこのような行為を私は許せません。
 写真は17年当時の乳池さんの祠です。
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昭和18年-社町5月常会徹底事項

2008年03月07日 06時45分09秒 | Weblog
 昭和18年(1943)の社町常会徹底事項を引き続き紹介します。戦争が激しくなるなかで、地方農村ではいったいどのような銃後の国民生活があったのかを知る上で大いに参考になります。


五月常会徹底事項

一 農繁期ヲ増産デ勝チ抜キマセウ
 五月秋モ近ヅキ労力モ不足シテ居リマスガ決戦ノ年デアリマス御互ニ銃後国民トシテ助ケ合ツテ此ノ五月秋ヲ切リ抜ク様今カラ考ヘテ実行致シマセウ

二 二百七十億貯蓄達成ニ邁進シマセウ
 昨年ハ二百三十億貯蓄デアリマシタガ遙カニ五億数千万円ヲ突破イタシ一線将兵ニ対シ銃後ノ務メノ一端ヲツクシ又本町ノ割当額ヲ充分ニ貯蓄ガ出来マシタ本年度貯蓄増ガ目標額ハ百五十万円昨年度ヨリ二十七万円ノ増加デアリマスガ約二割ノ増加デアリマスカラ本年四月以降ハ各戸ノ国民貯蓄ヲ二割以上増シテ頂キ本年モ突破スル様申合セ致シマセウ

三 決戦下健民運動ヲ徹底致シマセウ
 農繁期ト夏期ニ向ヒマス御互ニ身体ニ気ヲツケ暴飲食ヲ慎ミ夜フカシヲ止メ早起キスル様申合セ致シマセウ

四 部落会ノ部制充実ヲ期シ之ガ運営ヲ計リマセウ
 昭和十五年十一月部落会ノ整備ヲハカリ部制ヲ設ケタルモ之ガ運営ニ当リ遺憾ノ点アルヤ思考セラレ故ニ五月常会部長ヲ左ノ通リ決定シテ頂キ内各種団体ノ職能的活動ヲハカリマセウ
 一、総務部、勧業部、教化部、衛生部、軍事援護部、警防部、婦人部、青少年部、生活改善部、貯蓄推進部




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昭和18年-防空体制の強化

2008年03月06日 09時17分17秒 | Weblog
昭和18年(1943)4月、社部落常会では、防空体制の強化をよびかけています。


◎この際、防空の完璧を期しませう

一年前の四月十八日は敵機の空襲があった日です。今も敵はしきりに我が本土を狙ってゐます。それが為、現在警戒警報が発令されてゐます。この際です。警察署や警防団とも緊密なる連絡をなし何一つ欠陥のない防空陣を固めませう。
 四月四日午後九時三十分発令の警戒警報発令後の成績を徴し左の点特に留意改善を期したいものです。

1 警報の伝達
  迅速確実なるを要す  遅延、不確実は全国の防空陣の間隙を生ず
 イ 各区、各隣保毎に警報伝達の責任者を定めること-一戸の伝達洩れのない様
 ロ 警報の伝達は二重三重になってもよろしい確実なること-区、隣保の境なし
 ハ 夜間は殊に確実に伝達すること 応答なきとき隣保長等立合ひて管制のこと

2 燈火管制
  民防空の最も重要実施事項なり-一戸一隣保の不確実は-一府県-全国に及ぶ
 イ 燈火管制は急速に実施のこと-一分一秒を争うものなり
 ロ 燈火管制の留意は小さな部面から-天窓勝手口裏口便所浴室に注意のこと
 ハ 消灯して管制せないのは不用意に黙灯することあり
 ニ 雨戸にて遮断せるものも戸の間隙よりの洩光に注意し覆は必ずかけること
 ホ 警戒管制より空襲管制に急速に転換出来る準備を充分にすること
 ヘ 燈火管制用具を必ず整備すること
 ト 防空管制も実施期なり-防空法による摘発者は絶無を期せられたし

3 防空資材の整備
  防火用水、同砂、其の他の資材を一□研討せられ度

4 隣保の活動
  防空実施の長期化と共に隣保の活動に期待多し-指導巡視定むること

5 防空警報の改正-昭和十八年四月九日より-町より配布の印刷ものにより注意すること

6 準備管制の強化
  今後警戒警報が解除せらるるも就寝後の警戒管制とし不要燈火は全部消灯すること
  屋外燈は残□燈以外は全部消灯

以上です。
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昭和18年-社町4月常会徹底事項

2008年03月05日 05時45分24秒 | Weblog
 続いて昭和18年(1943)4月の社町4月常会徹底事項をみてみましょう。戦時における国民生活の統制が強まっていったことがよく伝わってきます。

四月常会徹底事項

一 計量強調運動
(1)日本度量衡協会主催商工省各府県大政翼賛会後援デ来ル四月八日カラ同十四日マデノ計量強調運動ヲ実施スルコトニナリマシタ英米撃滅決戦ノタメ此ノ運動ガ催サレタノデアリマスカラ次ノ事柄ハ是非共実行シテ協力致シマセウ
(2)買物ハ是非必要ナ物ダケニシテ何デモ買漁リヲ止メマセウ
(3)必要ナモノヲ買フニシテモトレタダケデ間ニ合セヲ考ヘマセウ
(4)配給品ヤスベテノ品物ハ釣銭ヲ調ベテ受取ルト共ニ目方ヤ桝目モ調ベテ受取ル習慣ヲツケマセウ
(5)金銭ト品物ハ同ジ値打ノモノデアリマスカラ釣銭ノ勘定スルト同様ニ品質ヤ公ヤ特ニ量目ニ気ヲツケマセウ
(6)買物ハ何銭トイワズ何瓦又ハ何匁デモ量目デ買マセウ
(7)計量強調兵庫トシテ各戸ニ(計量デ無駄ヲ省イテ御奉公)標語ニ掲示シマセウ

二 「撃チテシ止マム」ノ合言葉掲示方
 一億国民ノ合言葉トシテ「撃チテシ止マム」ヲ一般ニ普及スルタメ同言葉ノ出典ヲ常会ニ知ラシメ各戸門口ニ掲示シマセウ

三 町有三草山境界線調査
 本町有三草山モ郡制廃止後十数年ヶ年ヲ経テ本町ニ於テ之ガ境界線ヲ知ル方モ少クナル故町民一般ニ知リ置クヲ最モ必要トスルタメ来十一日午前六時佐保神社ニ集合社町翼賛壮年団員ガ出発スルニ付キ希望ノ方ハ多数参加スル様常会ニ知ラシメラレタシ

四 此際防空ノ完璧ヲ期シマセウ

五 荒鷲ノタメ大イニ「ヒマ」ヲ蒔キマセウ

六 決戦下軍人援護ニ萬全ヲ期シマセウ

七 勝チ抜クタメニ此ノ木ヲ征カセマセウ

以上です。大東亜戦争の戦時スローガンには、「欲しがりません勝つまでは」「ぜいたく品は敵だ」などがありますが、「撃チテシ止マム」という標語は一層を激しさを感じます。一億国民の合言葉として各戸門口に掲示されたんですね。
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昭和18年-社町3月常会協議並徹底事項

2008年03月04日 05時49分52秒 | Weblog
 昭和18年(1945)3月の社町(旧社町、今の社小学校区域)常会の徹底事項を紹介します。食糧増産、貯蓄、節電、木材供出、藁工品生産など戦争遂行のための項目がならんでいます。また、朝鮮人の異動に関する件が挙げられていますが、常会徹底事項でみるのははじめてです。

一 米ノ供出ト甘藷ノ大増産ニ努力シマセウ
(イ)供出米ノ割当量ハ必ズ出シマセウ其レニツイテハ部落会デハ皆ガ本年ノ米穀事情ヲ充分呑ミ込ンデ愛国ノ赤誠ヲコメテ供出スルコト故ニ部落会デハ互ノ家々デ助ケ合ヒ部落会ノ割当量ハ責任ヲ以テ供出シ町ノ割当ヲ果スコト
(ロ)甘藷ハ反当リ千貫以上ノ大増産ヲヤり遂ゲマセウ又荒腐地ヲ工夫シテ従来ノ二倍又ハ三倍ノ耕作ヲスル様努メマセウ

二 二百三十億ノ貯蓄ハ必ズヤリ遂ゲル様ニ致シマセウ其レニ付イテハ昨年末デ百八十億ニ達シテ居リマス残リ五十億ヲ一月カラ三月迄ニアリ遂ゲマセウ

三 兵器生産ノタメニ電気ノ節約ヲシマセウ故ニ夜間不要ノ電灯ハ消シテ寝ル様ニ致シマセウ全国ノ家庭デ二十四燭ノ電灯ヲ一時間節電スレバ電力デ飛行機二台分ノアルミニウムガ出来マス

四 木材供出ニ関スル件
 木材需要ノ現状ニ鑑ミ木材供出ヲ図リ軍需造船車両鉱山用杭木其ノ他生産増強用資材ハ絶対ニ確保セネバナリマセン故ニ本町ノ割当ラレタル七百五十四石ハ絶対ニ供出スル様尽力セラレタシ

五 藁工品増産ニ関スル件
 従来藁工品ハ軍需資材トナリ之ガ生産ノ多少ニ依リ作戦行動ニ多大ノ響影アル重要物資トナリタルニ付キ之ガ大量生産割当ヲセラレタル本町ハ一ヶ年二五万枚ノ叺ノ割当セラレタルニ付キ之ガ完納ニ一般ノ御尽力ヲ賜リ度シ

六 指定酒交付ニ関スル件
 従来法要ニ指定種交付セザリシモ戦病死ニ対スル満中陰及一年忌ニハ一升宛交付スルコトニ改正ス従来徴用者ニ対シ一升宛交付シアリシヲ取止メラレ外地徴用者ノミ一升ヲ交付ス

七 朝鮮人ノ異動ニ関スル件
 内鮮人ノ異動アリタル場合ハ其都度報告セラレタシ  
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昭和18年-社町2月常会徹底事項④

2008年03月03日 05時42分02秒 | Weblog
今日も社町2月常会徹底事項の続きを紹介します。金物、油など生活必需品の配給に関する項目が続いています。

十一 家庭用金物配給ニ関シテ
  配給品種ニ十数種アリ其ノ内家庭ニ於テ必要欠くクコトヲ得ザル品種ハ数種ナルニ付キ成可ク公平ニ割当スルモ小ニ有利ナル傾キアルモ逐次訂正シ交付スルニ付キ各ニ於テ配給ニ関シテモ重複配給セザル様ニ注意セラレタシ

十二 家庭用油ノ配給ニ関シテ
  家庭用油ニ関シテハ町ヨリ世帯構成人員ニ依リ交付枚数ヲ決定通知セルニ付キ基準ニ依リ交付セラレタシ

十三 以上ノ生活必需品割当基本ハ部落会長ノ報告世帯数及人口ニ依ルモノナルニ付キ異動ハ毎月末ニ報告セラレ度報告ナキトキハ訂正セズ猶又冠婚葬入営徴用等ノ特配ヲ受クル場合入籍転居等ニ依リ人口移動又ハ証明書ノ交付ヲ受クル等ノ場合ハ今後衣料切符以外ノ生活必需品通帳並切符全部役場ニ持参シ訂正ヲ受ケ後特配及証明書ヲ交付スト共ニ部落会長ニ於テ訂正シタル場合ハ無効トス

十四 各部落会及組及隣保ニ生活必需品ハ配給台帳ヲ備ヘ部落会員ニ示シ円満公平ニ配給スルコト

十五 食糧戦必勝運動実施ニ関スル件
  二月中旬又ハ下旬ニ社町主催対策事項及実行方法協定協議会開催二月下旬又ハ三月上旬部落会主催事項ノ実行方法等ニ付キ具体的申合セ協議会開催ノコト


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昭和18年-社町2月常会徹底事項③

2008年03月02日 06時34分23秒 | Weblog
昭和18年(1943)2月の社町常会徹底事項を続けて紹介します。塩、醤油や味噌、菓子、石鹸に至る家庭生活必需品の配給に関する件が続きます。

七 自家用塩配給ニ関スル件
(イ)一般家庭用ハ通帳ニ依リ指示通リ毎月購入スルコト
(ロ)漬物味噌家畜用特別配給ハ其ノ都度人口及家畜数ニ依リ割当スルニ付キ取リマトメ購入隣保ヲ通ジ配給セラレタシ

八 醤油味噌配給ニ関スル件
 醤油味噌ハ通帳ニ依リ指定店ニ於テ購入スルモ一、二、三月、四、五、六月ト三ヶ月分ハ購入セズトモ一時購入出来得ルモ四半期ノ一期ヲ過ギタルモノハ配給セラレザルニ付キ特ニ一般ニ注意セタレタシ

九 家庭用菓子類ノ配給ニ関スル件
(イ)一般家庭用菓子配給ニ関シテハ二才以下ヲ除キ三才以上十才ノ子供ヲ主体トシテ残量ヲ各戸ニ割当スルニ付キ役場ヨリ示セル基準ニ依リ交付セラレタシ
(ロ)乳児用菓子購入通帳ハ生後七ヶ月ヨリ満一ヶ年間使用シ得ル購入通帳交付シアリ生後七ヶ月前ニ役場ヨリ通帳交付申請書ノ交付ヲ受ケ申請通帳ノ交付ヲ受ケ購入セシメラレタシ

十 家庭用浴用並洗濯石鹸配給ニ関スル件
 地方事務所ヨリ割当基準ヲ指示セラレ割当スルニ付キ指示セル基準ニヨリ一般家庭ニ交付配給相成タシ
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昭和18年-社町2月常会徹底事項②

2008年03月01日 05時55分05秒 | Weblog
昨日の続きです。昭和18年(1943)2月の社町常会徹底事項には、砂糖、木炭、米などの配給についても書かれています。

四 一般家庭用砂糖及特別用砂糖ノ配給ニ関スル件
(イ)一般家庭用ハ毎月六十二匁宛配給ス配給所ハ指定所
(ロ)特別用砂糖交付基本
   乳児用ハ産婆ノ証明ニヨリ甲ナシ乙半斤丙一斤冠婚葬一斤、入退営徴用半斤

五 木炭ハ昭和十八年度(四月一日)以降ハ地方事務所ノ指示ニヨリ後刻割当通帳交付ス 
  但シ特別用木炭ハ昨年度社町木炭消費規則ニ依ル

六 米穀消費通帳ニ関スル件
(イ)一般消費者ハ通帳ニヨリ交付ス米作者及地主ニシテ保有米消費シ米穀通帳ヲ申請スルモノハ町農会ニ至リ保有米ノ消費済年月日ノ証明ヲ受ケ役場ニ届出交付ヲ受クルコト但シ本年度通帳ニ関シテハ米作地主ニ於テ交付ヲ受クベキ者ニ対シ昨年十一月三十日迄通帳ニヨリ米ノ配給ヲ受ケタルニ付キ農会ノ消費証明ノ月日ヨリ一ケ付後ヨリ交付スルニ付キ了知セシメラレタシ
(ロ)ソノ他如何ナル理由ニ依ルモ通帳以外ニ米穀購入票発行出来ザルニ付キ一般ニ伝達サレタシ
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