ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

昭和19年-社町3月の常会徹底事項①

2008年03月28日 06時10分41秒 | Weblog
引き続いて昭和19年(1944)の社町常会徹底事項を見ていきます。三月常会徹底事項も戦費調達一色の内容になっています。
 

三月常会の徹底事項

一、弐百七拾億は必ず突破すること、に就て
◎戦費は一日一億円
 敵は膨大な財力と物質力をたのんで兵器の数に物を云はせ様と必死の反攻を続けて居ります。此の敵に対して我が方でも敵を圧倒するだけの兵器を第一線に送らねばなりませぬ。従って大東亜戦争は其の戦費が莫大な敵に上るのは当然です。
 一体今日の戦争では、どの位の金がかかるかと云へば今年の三月末までで純戦費(臨時軍事費)として弐百七拾億円それに準戦費とも云へる一般会計が九拾億円合わせて参百六拾億円が戦争を遂行する為めに必要な金であり、云ひ換れば戦費は一日壱億円を要することとなつて居るのであります。之を過去の戦費と較べると日清戦争が二億五千万円、日露戦争が拾五億円、満州事変が拾九億円であったのに対し今度の大東亜戦争は拾八年度だけで斯様な多額の戦費です。之れを支那事変勃発以来の純戦費だけを合わせると実に七百四拾億と云ふ莫大な額に上って居り、これは日露戦争の五十倍、日清戦争の正に三百倍の戦費となつて居ります。

◎貯蓄でふせぐ通貨膨張
 この様な莫大な戦費を殆どが大部分は公債発行で賄ふことは云ふまでもありません。此の公債の大部分は日本銀行で引受けるのですが、此の公債の額が多くなれば従って日本銀行券の発行高が多くなり国民全体となればそれだけ懐に入るお礼が多くなる勘定になります。一方生活物資の方は段々少なくなって来るのでありますから此の金で物の買漁りや買溜などそれが勢ひ不足勝ちの物を更にへらして戦力増強の妨げとなるばかりでなく、物の値段を次第に吊り上げ怖ろしい悪性インフレーションのもととなるのであります。此の悪性インフレーションを防ぐには国民全体が出来るだけ物を消耗せない様に物を買はぬ様にしてこれを貯蓄すること以外にありません。

◎この六年間の貯蓄実績
 これ程の大戦争をやつてその戦費に、い□このも不安のないのは此の国民貯蓄が立派に行はれて居るからだと云へます。
 支那事変の勃発した昭和十二年七月以来昨年度までの貯蓄実績は七百弐拾億円に上って居り此の貯蓄額は明治初年以来七拾年間(昭和十二年六月まで)の四百六十億円を遙かに飛び越す額なのです。本年度の目標の弐百七十億を達成すれば実に国民貯蓄は壱千億円を突破することになるのです。
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