ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

昭和11年発行の『尋常科用 小學國語讀本』より 第十九 夕立

2024年08月26日 04時39分22秒 | Weblog
 


 近年、夕立という言葉を耳にすることが少なくなりました。代わりにゲリラ豪雨、ゲリラ雷雨などの言葉をよく耳にします。いずれにしても急に降る激しい雨、ピンポイントで降る大雨が多くなっているので、そうした言い方の方が合っているからでしょう。
 この歴史ブログで紹介している昭和11年発行の『尋常科用 小學國語讀本 巻七』の第十九に「夕立」があります。「夕立」は、夏特有の気象現象で、入道雲が立ち、空が真っ黒になったかと思うと、雨が降ってくる、そんな情景が浮かんできますが、この文章は、そうした「夕立」が来た時のようすがありありと目に浮かんできます。

第十九 夕立

いなびかり。
戸をしめた、
目を閉じた。
それでもぴかり、
目をさし通す。

雷の音、
またしても、おそろしく
とどろき渡る、
屋根の眞上に。

窓の戸を
あけて見る。
ものすごい雨のどしやぶり。
流か瀧か。

草も木も、
うれしげに
うちをどり、
池の緋鯉は喜び勇む。

 声に出して読んでみると、鮮やかにある情景が浮かんできます。小さい頃、縁側で父親の隣に座って、庭を眺めていたとき、突然バシッという大きな音とともに目の前が真っ白になり、体が前に引かれるように動いたのです。庭の向こうの風呂屋の煙突の天辺の避雷針に雷が落ちた瞬間でした。雷が鳴ると、よく停電していました。
 もう一つ。附属中学校に勤務していた時のことですが、3階の廊下の窓から生徒と一緒に外の雷雨のようすを見ていた時、大きな雷鳴とともに一瞬目の前が真っ白になりました。窓の下の中庭に雷が落ちたのです。条件反射的に頭をすっこめて、おそるおそる中庭を見てみると、芝生に直径1メートルほどの円ができ、周囲に小さな炎が立っていました。そのあと、中庭におりてみると、体育館につながる階段(2段)の縁石が一箇所粉々に割れていました。雷がここに落ちたんだ、とその威力の凄さに恐怖しました。もし、私たちのいる校舎側に落ちていたらと思うとぞっとします。雷といえば、この2つの場面を必ず思い出します。
 去年の加東市夏のおどりは、激しい雷雨のために途中から中止となりました。遙か東の空に湧き始めた雲が高く成長し、やがて加東市社の空を覆い、激しい雨を降らせたのでした。(ブログ写真)
 今年は31日に加東市の夏の最後を飾るおどりが開催されます。祈るばかりです。

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