加東市社の持寶院の境内に大師殿があります。この歴史ブログでは何度も紹介をしてきた社の聖地めぐりのスポットの一つで、加東四国八十八ヶ所霊場の仕上げの道場として知られ、堂内には日本一の木像の大師像が安置されています。
この大師殿の入口に寺院には不似合いの石柱が門柱として立っています。この大師殿は大正時代に建てられたものですが、それ以前、明治維新から役所が置かれていました。元は、一乗院という寺院があったのですが、明治維新の頃には廃寺となっていました。そこに飾磨県の出張所が置かれ、その後は税務署、加東郡役所が置かれていました。税務署時代の写真(『加東郡誌』)を見ると、立派な石造の門柱が写っています。加東郡公会堂の門柱と同じような形のものです。大師殿にお参りする度に、この門柱は昔の役所時代のものではないかと思っています。そうだとしたら、明治時代の兵庫県、加東郡の行政の歴史を伝える貴重な遺産だということですね。