上の写真は、昭和10年代のもので加東郡社町公会堂です。下の写真は現在の加東市明治館です。同じ建物ですが、改修されて現在に継承されています。
さて、この建物は約百年前に加東郡公会堂として建設されたものです。
明治22年(1889)、町村制が実施され、加東郡(現在の加東市、小野市域)に15の村が発足しました。そのうち、加東市域には社村をはじめ9ヶ村が発足しました。
明治29年には郡制が制定され、県の下に正式な自治団体としての郡が置かれました。すでに加東郡の郡役所は社に置かれていました。そして、郡制の実施にともない、郡会が設けられ、選挙された議員による郡議会がつくられました。
明治44年12月に郡会において、加東郡公会堂を社村に建設することが決議され、翌45年(大正元年)に完成しました。郡制の下では、この加東郡公会堂で郡会が開かれ、旧加東郡の重要な問題が議論されていました。大正末に郡制が廃止されたあとは、社町の公会堂として利用され、さまざまな団体の会議や集会、文化的な催しに使われ、政治・文化の中心としての役割を果たしてきました。
現在は明治館として地域の催しや文化団体の練習などに使われています。明治建築の趣を現在に伝える貴重な建築です。