メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

マンマ・ミーア!

2010-01-06 23:04:40 | 映画
「マンマ・ミーア!」 (MAMMA MIA ! 、2008英・米、108分)
監督:フィリダ・ロイド、脚本:キャサリン・ジョンソン
音楽:ベニー・アンダーソン/ビョルン・ウルヴァース(アバ)
メリル・ストリープ(ドナ)、アマンダ・セイフライド(ソフィ)、ピアース・ブロスナン(サム)、コリン・ファース(ハリー)、ステラン・スカルスガルド(ビル)、ドミニク・クーパー(スカイ)、ジュリー・ウォルターズ(ロージー)、クリスティーン・バランスキー(ターニャ)
 
アバの既成の曲を使って、物語を作り、ミュージカルにした「マンマ・ミーア!」 は世界的に大きなヒットとなり、日本でも2002年12月から劇団四季の公演でロングランとなった。
私が見たのは2003年4月25日に、電通四季劇場(汐留)のこけら落とし公演である。
 
この映画の予告編は何度か見る機会があって、どうもドナとソフィーの母と娘の配役に疑問があって、劇場で見るのはやめにした。
 
今回WOWOWで見て、感じたのは、このミュージカルは音楽とそのつなぎがまずいいのであって、カメラを少しでも引いてギリシャ、エーゲ海の美しい風景の中で人々を踊らせても逆効果、ということだった。
劇場映画だから、舞台に近い狭いセットで、というのは無理といえばそれまでだが、そうなると普通の劇映画としても見てしまうから、ちょっと無理な筋の弱さが目立ってしまう。
 
例えば「ウエスト・サイド物語」(1961)なんかは、もっとシンプルで、見る方も音楽とダンスに集中出来たと記憶している。
 
メリル・ストリープの歌は吹き替えでないようで、これは思ったよりうまい。うまいけれども、他の出演者と比べ、年齢的に無理があり、現れた男三人の誰が、若いときに今回結婚式を挙げる娘ソフィーの父親かわからない、という奔放な過去を持つ女、というイメージではない。台詞のしゃべり方も、どこかフェミニスト風なところがある、というのはこちらの思い込みだろうか。
 
娘ソフィーは、もう少し普通の新進美人女優にしてほしかった。
 
父親候補三人では、ピアース・ブロスナンをわざわざこの役に持ってきたのが効果的である。一方、コリン・ファースはこういう中途半端なポジションの役が多いけれども、ちょともったいない。
 
ドナの女友達2人はまずまずで、舞台同様の風采、でこぼこコンビである。
  
それにしても、四季公演当日の保坂知寿(ドナ)と樋口麻美(ソフィ)は、この映画の二人に比べ、数段よかった。
 
とはいえ、序幕の数曲、そして終盤の特に「勝者が全てを」(The Winner Takes It All) の音楽が効いているミュージカルだから、後味はそう悪くならない。
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