メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

ジュディ 虹の彼方に

2021-05-28 10:50:52 | 映画
ジュディ 虹の彼方に ( Judy、2019英、118分)
監督:ルパート・グールド
レニー・ゼルウィガー、ジェシー・バックリー、フィン・ウィトロック、ルーファス・シーウィル
 
ジュディ・ガーランド(1922-1969)の晩年を描いたもの。おそらく事実にかなり忠実だろう。「虹の彼方に」のスター子役の時代(回想的に時々入る)、その時期に母親、プロデューサーから受けた傷、トラウマ、sの後何度もの結婚、離婚を重ね、ロンドンで歌おうとしているのだが、まだ幼い二人の子供(ライザ・ミネリのかなり後に生まれた)の親権を争っており、どうも母親失格とされているらしく、うまくいかない。
そんな中で、いざ歌いだすとやはりオーラが出てくる。
 
このあたり、レニー・ゼルウィガーはなりきっているというか、文句のつけようがない。あのブリジット・ジョーンズがと思うのだが、これはオスカーも当然だろう。
 
ジュディはこの時(1968)46歳だが、今のスタンダードからみるとかなり老けている。おそらくそうだったのだろう。
 
歌はレニー本人が歌ったのだろうが、よくここまでと聴いた。実はジュディは1961年にカーネギー・ホールで復帰(おそらく)コンサートをしていて、その録音(2枚アルバム)を若いころ手に入れ(いつかなくなってしまったが)よく聴いていた。スタンダード・ナンバーのいいくつかはこれで知ったといっていい。
 
この映画で彼女が歌うとそのときの記憶がよみがえる。そっくりとも聴こえる。特に最後に客席と一緒に歌う「虹の彼方に」の前の「カム・レイン カム・シャイン」は彼女の人生への対面を歌って素晴らしい。
 
これだけのドラマティックな人生をむしろ淡々と描いて、飽きずに最後まで、監督、レニーそしてロンドンで世話をしたロザリン役のジェシー・バックリー、見事だった。

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