メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

ジャズピアノを習って

2013-10-09 21:26:52 | 音楽一般

ジャズピアノを習ってもうすぐ一年、先日ローカルな発表会があり、はじめて人前で弾いた。

弾いたとはいっても、若いころちょっとやっただけでなんとか両手でできることもある、という程度だから、教える側もそれはお見通し、同じグループレッスンの2人と組んでやった2曲とも、役割分担はうまく考えられていた。

 

一つは「ワーク・ソング」、言わずと知れたアダレー兄弟(キャノンボール/ナット)の名曲、やはりピアノを始めていて前からアルトサックスをやっている人がソロ、ピアノは二人が下のパートを連弾、一人が電子キーボードのソロ、私はちょうど中間のコードを担当、左手だけである。

 

アドリブはサックス3回、キーボード2回、こっちとしてもかなり繰り返しは多く、練習も結構やってはいたが(もっともサックスと一緒のは2回)、本番はいろいろ小さいミスが多かった。それでもジャズの原則、つまりあっ間違ったとわかっても何食わぬ顔でそのまま続けるというのは何とかできたと思うし、終わった時はなかなかの快感であった。

 

もう一つは「酒とバラの日々」(The Days Of Wine And Roses) 、こっちは二人がピアノ連弾、私はヴォーカルと電子キーボード。私はといえば第1コーラスはヴォーカル、第2コーラスはキーボードで右手のアドリブ、第3コーラスは再びヴォーカルというもの。

 

ヴォーカルは慣れているが、アドリブは練習はしていたものの本番は途中からどこやっているのかちょっとわからなくなるところがあった。それでも終わりはなんとか気づいて、再度ヴォーカルへの入りはまずまずだった。これは自信になる。 

 

アドリブは、本当は原曲のきれいな変奏曲、そうモーツアルトやベートーヴェンのそれみたいなところを理想としては作りたいのだが、それは指を動かす能力からまだ無理なので、ここは書かれているコード進行にしたがって、そのコードを構成している4音を覚え、小節ごとにそれらの音の中から、それこそひらめき、思いつきで弾くという形をとった。発表会のしばらく前からはこの右手だけのアドリブに専念、遅れないように音の数も今回は欲張らないようにした。もう原曲のメロディー、このあたりどうだったかということも頭の中にはなくなっていた。

それでも終わってみるとなんとか、、、というのもこのコード進行、よくできているのだろう。なにしろ作曲ヘンリー・マンシーニだし、スローな割に楽器奏者が扱うことが多いのはそういうわけだろう。

 

このように、思い起こせば、一つは左手だけ、もう一つは右手だけ。

でもそのあと、右手のアドリブになんとか左手のコードをつけて自宅で弾いてみると、まだ速度はちょっとだが、以前よりは両手での演奏、ましになったようだし、気楽にできているようである。

このやりかた、しばらくはいいかもしれない。

 

なお、会場はこじんまりとしたピアノ・サロンだが、楽器はなんとスタインウェイのグランド! 実際に触れるのは生まれて初めてである。ワーク・ソングの左手だけというのが悲しいが、事前にちょっと試したところ、高音域はソリッドで華麗であるが、中音域は弦を繊細にたたいているという感覚があり、こういう微妙な体験は初めてであった。

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする