メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

キャロル・キング 最後の伝説

2008-12-25 22:35:54 | 音楽一般
「キャロル・キング 最後の伝説」は、2008年11月11日 Bunkamura オーチャード・ホールでのコンサートがWOWOWで録画放送された番組のタイトルである。
 
コンサートがあることを知ったのはもうチケットはないだろうという時期だったが、行きたいなと少し思ったのは確かだ。
 
Carole King (1942- )のアルバムは1971年の「つづれおり」(Tapestry) しか持っていないが、このLPはもう30年以上コンスタントに聴いてきている。
今回のコンサートはおそらく彼女のレパートリー・ベストともいうべきものだ。そしてその多くがこのアルバムからであることにあらためて驚く。もっともここから、イッツ・トゥ・レイト、君の友だち、ナチュラル・ウーマンなど他の多くの歌手たちにもカヴァーされ、ロック、ジャズなどの分野を超えてスタンダード・ナンバーになっているから、当然といえば当然である。
 
1980年以降あまりヒットはないよいうだけれど、今回のパフォーマンスでも過去の名声にしがみつくでもなく、わざとらしく変形させるでもなく、きわめて自然に歌のよさ、彼女の歌唱とピアノのよさを楽しむことが出来る。
 
才能もあり、個性の強い人だから、この間の人生にはいろんなことがあったに違いない。それでも、この歌いぶりから見て取れるのは、彼女ははいつも幸せというものに価値を置き、幸せを感じることに心を砕いてきた人だということだ。このすぐれて甘くはない歌と歌唱からそれを感じることが出来るのは稀なことである。
   
アンコールになって、予想通り「君の友だち」が出てきて、いつ聴いてもいい曲、そして最後はなんと「ロコモーション」(Locomotion) 、これは立ち上がって体を動かしたかったのだろう、確か歌手としてデビューする前に作ってリトル・エヴァに提供、ヒットした。
日本に入ってきて、伊東ゆかりの歌でヒットしたことも記憶にある。訳詩ではたしか「さあ さあ ダンスのニューモード カモンベイビー トゥ・ザ・ロコモーション、、、」だった。
今になって、こんなことを思い出させてくれたことにも感謝。

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