メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

トロピック・サンダー/史上最低の作戦

2008-12-13 18:19:23 | 映画
「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」(Tropic Thunder 、2008米、107分)
監督:ベン・スティラー、脚本:ベン・スティラー、ジャスティン・セロー、イータン・コーエン
ベン・スティラー、ジャック・ブラック、ロバート・ダウニー・Jr 、ニック・ノルティ、マシュー・マコノヒー、トム・クルーズ
 
あまり元気がないハリウッドで、おバカ映画も含むコメディに熱中しているベン・スティラーが製作、脚本、監督にかかわった作品。ただこれまでと違って、舞台は戦争映画の製作場面で、ハリウッドに対するからかい、批判、そして俳優個人の、仲間同士の問題を、笑いの対象にしている。
 
だから、「ランボー」、「プラトーン」、「地獄の黙示録」そのほか随分いろいろな作品のパロディが満載で、見ていないものでも宣伝の記憶からか、また俳優というより画面が見得を切るところからか、ああここは、、、といくつかはわかる。
 
そうなると「ホット・ショット」みたいだが、この映画が違うのは、ロケやセットが贅沢で、まじめすぎるほどまじめに作ってあるところ。映画界をおちょくるのには、そうでないとだめということだろう。
 
ベン・スティラー、ジャック・ブラック、ロバート・ダウニー・Jr (TVドラマ「アリー・myラブ」でしか見たことない)の3人、それにあとニック・ノルティなどが、迫真的な場面をとるべくジャングルに放たれたら、本当にゲリラと遭遇し戦うはめになってしまう、という想定は期待を抱かせる(映画の宣伝、予告を模した導入部分も秀逸)が、中盤が退屈する。米語、米国の事情、米国映画にもっと精通しているとそうでもないのだろう。ただ終盤はまた面白く見られる。 
 
ジャック・ブラックがちょっと浮いているのが気になる。もっとも、この人は「スクール・オブ・ロック」でもそうであるように、わが道を行くタイプの役柄、演技が多いから、想定内なのかもしれない。
 
現場でなく会社で勝手なこと言ってるプロデューサー役のトム・クルーズはカメオかと思ったら最後まで大サービス。おそらく破格の低ギャラ友情出演だろう。
 
この手のものとしては、見た後に残るものとして少し欠けるところもあるが、米国でヒットして日本にはパッケージしか入ってこないいわゆるビデオ・スルーにならなかっただけ、幸いというべきか。

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