「かもめ食堂」(Roukala Lokki 、2005年、102分)
監督・脚本:荻上直子、原作:群ようこ
小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ
異国に入り込んで、そこにお客としていろいろな人たちが、こちらの事情などなにもわからず次々と登場する。いわばロード・ムービーの逆みたいな映画、こちらと外界がどう形成されていくのか、かろうじて最後まで飽きることなく見ることが出来た。
何故かフィンランドはヘルシンキに来ておにぎり食堂を開いた小林聡美、そこに半分押し掛け、半分引っ張り込まれた片桐はいり、本当に少しずつ来はじめる客たちも、どうということなく、その中に少し変な要素が入ってくる、このバランス感、テンポが絶妙なのだろう。結果から判断すると。
そして、展開し始めるのは、手荷物のスーツケースが出てこないというトラブルのタイミングでここに登場するもたいまさこ、この人独特のしゃべりかた、テンポ、そしてそれにアタッチしていくつか出てくるシュールな場面、これが最後まで見るものを引っ張っていく。
結末は特に変ったことないほのぼの調だが。
見終わってからは、ヘルシンキが選ばれたことに納得。