メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

007/カジノ・ロワイヤル(1967)

2007-01-14 22:45:20 | 映画

「007/カジノ・ロワイヤル」(1967、英、134分)
監督:ジョン・ヒューストン、ケン・ヒューズ、ロバート・パリッシュ、ジョセフ・マクグラス、ヴァル・ゲスト、製作:チャールズ・フェルドマン、原作:イアン・フレミング、作詞:ハル・デヴィッド、音楽:バート・バカラック
ピーター・セラーズ、デヴィッド・ニーヴン、デボラ・カー、ウイリアム・ホールデン、ウディ・アレン、ウルスラ・アンドレス、テレンス・クーパー、ジョン・ヒューストン、シャルル・ボワイエ、オーソン・ウェルズ、ジャン=ポール・ベルモンド、ジャクリーヌ・ビセット、ジョアンナ・ペティット、ピーター・オトウール
 
先日見たカジノ・ロワイヤルに先立つこと約40年に作られた作品。見ればすぐにカジノ・ロワイヤルのそして007シリーズのパロディだとわかるが、こっちの方が先だったという奇妙な事情。どうも「007/ドクター・ノオ」(1962)から一連のシリーズを手がけた製作陣がカジノ・ロワイヤルの映画化権を取っていなかった、それはまずこのシリーズ第1作が米国でTV映画化されていたということらしいのだが、そこをついてこの製作者がイアン・フレミングから許可を取ったらしい。
 
今回のダニエル・クレイグのものを見た後で、改めてこの作品を見ると、それでも面白い。これかなりは、カジノ・ロワイヤル以外の007シリーズをパロディにしているんだろうし、またおそらくこのようなハチャメチャ映画の常道をいっているのだろう。
 
能天気に見れば暇つぶしにはなる。そして豪華キャスト。
マイク・マイヤーズがオースチン・パワーズで007パロディをやりたかった、そしてそのカメオ出演に有名俳優が出たがったのもわかろうというものである。
 
この俳優達がどんな人達で、どういう作品に出ていて、相互にどんな関係があったか、もっと知っていると面白いのだろうが。
ウディ・アレンはまだ若くて映画デビューに近いが、企画にもかんでいたらしい。
ウルスラ・アンドレスは映画第1作「007/ドクター・ノオ」のボンドガールであるというのも、えげつないといいえば、、、
この前に作られたシリーズは「007/ドクター・ノオ」(1962)、「007/ロシアより愛をこめて」(1963)、「007/ゴールドフィンガー」(1964)、「007/サンダーボール作戦」(1965)であり、これらのパロディ部分は気がつかない部分にもっとあるものと見られる。
 
感慨深いのは、あのデボラ・カーがここまでやるの? これはカメオではなくて、かなりそれまでのイメージと違うもので、、、
そしてジャクリーヌ・ビセットがミス・太ももという文字通り記憶よりはかなりふっくらした娘役、「ドミノ」の母親役と比べると、ああ、、、
 
そして、60年代のパリ・ファッションそのものの、衣装、ヘア、メイク、これはなかなか記録に値するものともいえる。
また、背景の美術はなかなか凝っていて、いろいろなアートの流派をちりばめているのも、遊びとして楽しい。
 
もちろんこの映画が現役なのは、何といってもバート・バカラックの音楽であり、このバカ騒ぎも、しっとりとしたラヴシーンもカヴァーできる天才の、一気に世に出てきた勢いは、際立っている。 演奏しているのはハープ・アルバートとティファナ・ブラスだし、「恋の面影」(The Look Of Love) を歌っているのは「この胸のときめきを」のダスティ・スプリングフィールドだし。
 


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