メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

エイトメン・アウト

2006-05-09 22:30:44 | 映画

映画「エイトメン・アウト」(1988年米)、BS-2を録画したものを見た。
これは有名な1919年のシカゴ・ホワイト・ソックス八百長試合事件いわゆるブラック・ソックス事件を扱ったものである。そのシーズン、ホワイト・ソックスの成績が良かったにもかかわらず球団からの報酬が低いことから、選手達に不満が鬱積したところへ賭け屋につけこまれ、ワールド・シリーズで八百長試合をしてしまった。

選手の中でも積極的にかかわったもの、まじめで成績も良かったがそれに対する評価の低さや生活のためから試合で手を加えたもの、試合では普段どおりのプレーをし必ずしも金を受け取ったわけではなかったが八百長が行われている事実を報告しなかったもの、この3種類の人たちがいる。この最後のグループに主人公のバック(ジョン・キューザック)とジョー・ジャクソン(D.B.スウィーニー)いわゆるシューレス・ジョーがいた。

事件のあと大陪審で選手は結局無罪になるのだが、メジャーリーグがこのような状態ではいけない抜本的な対策を、ということでコミッショナーに呼ばれた赤狩りで辣腕を振るった元判事は全選手の追放を言い渡した。

おそらくほとんどの良心的な人々は、自分がその立場にいたら最後のグループの人たちと同じ運命をたどった、と思うだろう。例の映画「フィールド・オブ・ドリームス」でも象徴的に扱われているジョー・ジャクソンに対して、ファンが言ったという「うそだと言ってよ、ジョー」という言葉にこの背景、なんとも重い。

だからこそトウモロコシ畑から出現させたのだろうか。

映画としては、登場人物が多く、誰がどういう役割だか覚えられないという感じが残るが、後味はいい、むしろ作り手のベースボールに対する誇りが逆説的に表現されている。

因みに、新人の年間最多安打記録は長い間この攻守走そろったジョー・ジャクソンが保持していた。これを破ったのがイチローだそうである。

監督ジョン・セールズ
ジョン・キューザック、D.B.スウィーニー、クリフトン・ジェームズ、チャーリー・シーン

チャーリー・シーンはこのあと野球づいたのか「メジャーリーグ」(1989)、「メジャーリーグ2」(1994)に出演、ジョン・キューザックとは「マルコヴィッチの穴」(1999)で共演している。その「マルコヴィッチの穴」でキューザックの妻の役をやっているのが意外にもキャメロン・ディアス。

そこでさて気がついたのであるが、キャメロン・ディアスは「ベスト・フレンズ・ウェディング」(1997)でジュリア・ロバーツと共演しているが、その役はなんとシカゴ・ホワイト・ソックス オーナーの娘(本当に可愛い)である。

というわけで、話はもとにもどった。!


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