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図書館・情報学関連の雑記、読書ノート、音楽ノート、日常生活の愚痴など。

名古屋の朝におけるマクドナルドvs.コメダ

2011-12-28 11:36:31 | チラシの裏
  小牧市の実家の近所に三か月前マクドナルドが出来たので、今日の朝8:30頃に行ってみた。

  ご存じの通り、愛知県では喫茶店でのモーニングサービスが充実し、普及している。僕の実家の近所にも、10年ぐらい前からコメダ(東海地方では有名な喫茶店チェーン)が進出しており、午前の時間帯に多くの客を集めていた。コーヒー一杯400円を注文すると、朝11:00までの来店ならばトーストとゆで玉子がおまけでつくのである。

  さて、新しく出来たマクドナルドは、そのコメダと同じ通りにあり、100mぐらいしか離れていない。同チェーンは朝用のメニューもあり、コメダからどれほどの客を奪っているのか興味のわくところだった。

  ところが入ってみると、僕の家族を除いて客は3人しかいなかった。昨日まで三日連続(!)で朝に訪れたコメダの賑やかさに比べて、静かでかつ空席が目立つ。しかし、店員は暇を持て余しているわけではなく、入店してくる客はニ・三名いた。客のほとんどは持ち帰りで、店内で飲食をしていかなかった。

  見た限り、マクドナルドに来る客は一人か、最大でも二人連れで、年齢層としては30歳以下である。一方、コメダの客の場合、一人から数人までさまざまで、年齢層も女子高生から老人までと客層が広い。この違いは何なのだろうか?新聞や雑誌を置かないことの差なのだろうか?あるいは喫煙禁止のせいか?今日一日の朝の入りを見た限りでは、コメダの圧勝である。
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読書ノート Index あ~こ / update 2017-Mar-29

2011-12-26 20:49:08 | 索引 / 能書
OECD編著『日本の大学改革:OECD高等教育政策レビュー』森利枝訳, 明石書店, 2009.

シーナ・アイエンガー『選択の科学:コロンビア大学ビジネススクール特別講義』櫻井祐子訳, 文藝春秋, 2012.

赤川学『子どもが減って何が悪いか!』ちくま新書, 筑摩書房, 2004.

赤川学『これが答えだ! 少子化問題』ちくま新書, 筑摩書房, 2017.

赤田祐一, ばるぼら『定本消されたマンガ』彩図社, 2016.

赤林英夫, 直井道生, 敷島千鶴編著『学力・心理・家庭環境の経済分析:全国小中学生の追跡調査から見えてきたもの』有斐閣, 2016.

阿川尚之『憲法で読むアメリカ史(全)』ちくま学芸文庫, 筑摩書房, 2013.

ダニエル・アクスト『なぜ意志の力はあてにならないのか:自己コントロールの文化史』吉田利子訳, NTT出版, 2011.

R.アクセルロッド『つきあい方の科学:バクテリアから国際関係まで』松田裕之訳, ミネルヴァ書房, 1998.

淺尾仁彦, 李在鎬『言語研究のためのプログラミング入門:Pythonを活用したテキスト処理』開拓者, 2013.

芦田宏直『努力する人間になってはいけない:学校と仕事と社会の新人論』ロゼッタストーン, 2013.

芦原義信『街並みの美学』岩波書店, 1972.

芦原義信『続・街並みの美学』岩波書店, 1983.

ダロン・アセモグル, ジェイムズ・A.ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか:権力・繁栄・貧困の起源』鬼澤忍訳, 早川書房, 2013.

麻生誠『日本の学歴エリート』講談社学術文庫, 講談社, 2009.

ジェニファー・アッカーマン『かぜの科学:もっとも身近な病の生態』鍛原多惠子訳, 早川書房, 2011.

フランセス・アッシュクロフト『人間はどこまで耐えられるのか』矢羽野薫訳, 河出書房, 2002.

マリナ・アドシェイド『セックスと恋愛の経済学:超名門ブリティッシュ・コロンビア大学講師の人気授業』酒井泰介訳, 東洋経済新報, 2014.

安彦忠彦『「教育」の常識・非常識:公教育と私教育をめぐって』学文社, 2010.

ハンス・アビング『金と芸術:なぜアーティストは貧乏なのか』山本和弘訳, グラムブックス, 2007.

新雅史『商店街はなぜ滅びるのか:社会・政治・経済史から探る再生の道』光文社新書, 光文社, 2012.

ダン・アリエリー『予想どおりに不合理:行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」/ 増補版』熊谷淳子訳, 早川書房, 2010.

ダン・アリエリー『不合理だからすべてがうまくいく:行動経済学で「人を動かす」』櫻井祐子訳, 早川書房, 2010.

ハンナ・アレント『人間の条件』志水速雄訳, ちくま学芸文庫, 筑摩書房, 1994.

クリス・アンダーソン『ロングテール:「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』ハヤカワ文庫, 篠森ゆりこ, 早川書房, 2014.

パコ・アンダーヒル『なぜこの店で買ってしまうのか:ショッピングの科学』ハヤカワ文庫NF, 鈴木主税, 福井昌子訳, 早川書房, 2014.

安藤馨『統治と功利』勁草書房, 2007.

安藤寿康『遺伝マインド:遺伝子が織り成す行動と文化』有斐閣, 2011.

安藤寿康『遺伝子の不都合な真実:すべての能力は遺伝である』ちくま新書, 筑摩書房, 2012.

ウィリアム・イースタリー『エコノミスト南の貧困と戦う』小浜裕久ほか訳, 東洋経済新報, 2003.

飯田泰之ほか『地域再生の失敗学』光文社新書, 光文社, 2016.

飯間浩明『非論理的な人のための論理的な文章の書き方入門』ディスカバー携書, Discover21, 2008.

飯間浩明『伝わる文章の書き方教室:書き換えトレーニング10講』ちくまプリマー新書, 筑摩書房, 2011.

五十嵐太郎編著『ヤンキー文化論序説』河出書房, 2009.

マイケル・イグナティエフ『許される悪はあるのか?:テロの時代の政治と倫理』添谷育志 , 金田耕一訳, 風行社, 2011.

池田信夫『希望を捨てる勇気:停滞と成長の経済学』ダイヤモンド社, 2009.

石浦章一『遺伝子が明かす脳と心のからくり:東京大学超人気講義録』だいわ文庫, 大和書房, 2011.

石川巧『「いい文章」ってなんだ?:入試作文・小論文の歴史』ちくま新書, 筑摩書房, 2010.

石川幹人『だまされ上手が生き残る:入門!進化心理学』光文社新書, 光文社, 2010.

石黒圭『文章は接続詞で決まる』光文社新書, 光文社, 2008.

市川正人『表現の自由の法理』日本評論社, 2003.

稲葉振一郎『経済学という教養:増補』ちくま文庫, 筑摩書房, 2008.

稲葉振一郎『不平等との闘い:ルソーからピケティまで』文春新書, 文藝春秋, 2016.

井上達夫『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください:井上達夫の法哲学入門』毎日新聞出版, 2015.

井上達夫『憲法の涙:リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください2』毎日新聞出版, 2016.

井上寿一『日中戦争下の日本』選書メチエ, 講談社, 2007.

猪木武徳『大学の反省』NTT出版, 2009.

猪木武徳『戦後世界経済史:自由と平等の視点から』中公新書, 中央公論, 2009.

猪木武徳『経済学に何ができるか:文明社会の制度的枠組み』中公新書, 中央公論, 2012.

猪原敬介『読書と言語能力: 言葉の「用法」がもたらす学習効果』京都大学学術出版会, 2016.

今井むつみ『ことばと思考』岩波新書, 岩波書店, 2010.

今井芳明『影響力:その効果と威力』光文社新書, 光文社, 2010.

今尾恵介『地図入門』講談社選書メチエ, 講談社, 2015.

岩貞るみこ『青い鳥文庫ができるまで』講談社, 2012.

岩瀬昇『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? :エネルギー情報学入門』文春新書, 文藝春秋, 2014.

岩瀬昇『原油暴落の謎を解く』文春新書, 文藝春秋, 2016.

岩田規久男『そもそも株式会社とは』ちくま新書, 筑摩書房, 2007.

岩田規久男『景気ってなんだろう』ちくまプリマー新書, 筑摩書房, 2008.

ジェフ・ウィッティー『教育改革の社会学:市場,公教育,シティズンシップ』堀尾輝久, 久冨義之監訳, 東京大学出版会, 2004.

ハロルド・ウィンター『人でなしの経済理論:トレードオフの経済学』山形浩生訳, バジリコ, 2009.

ニコラス・ウェイド『宗教を生みだす本能:進化論からみたヒトと信仰』依田卓巳訳, NTT出版, 2011.

ニコラス・ウェイド『人類のやっかいな遺産:遺伝子、人種、進化の歴史』山形浩生, 守岡桜訳, 晶文社, 2016.

上田誠二『音楽はいかに現代社会をデザインしたか:教育と音楽の大衆社会史』新曜社, 2010.

植村邦彦『市民社会とは何か:基本概念の系譜』平凡社新書, 平凡社, 2010.

上村敏之, 田中宏樹編『検証格差拡大社会』日本経済新聞, 2008.

上山隆大『アカデミック・キャピタリズムを超えて:アメリカの大学と科学研究の現在』NTT出版, 2010.

上山隆大ほか『大学とコスト:誰がどう支えるのか』(大学シリーズ ; 3), 岩波書店, 2013.

ケネス・ウォルツ『人間・国家・戦争: 国際政治の3つのイメージ』渡邉昭夫, 岡垣知子訳, 勁草書房, 2013.

フリーク・ヴァーミューレン『ヤバい経営学:世界のビジネスで行われている不都合な真実』本木隆一郎, 山形佳史訳, 東洋経済新報, 2013.

イアン・エアーズ『その数学が戦略を決める』山形浩生訳, 文藝春秋, 2007.

エレツ・エイデン, ジャン=バティースト・ミシェル『カルチャロミクス:文化をビッグデータで計測する』坂本芳久訳, 高安美佐子解説, 草思社, 2016.

ポール・エクマン『子どもはなぜ嘘をつくのか』菅靖彦訳, 河出書房, 2009.

海老原嗣生『学歴の耐えられない軽さ:やばくないか、その大学、その会社、その常識』朝日新聞, 2009.

海老原嗣生『「若者はかわいそう」論のウソ:データで暴く「雇用不安」の正体』扶桑社, 2010.

海老原嗣生『就職、絶望期:「若者はかわいそう」論の失敗』扶桑社新書, 扶桑社, 2011.

海老原嗣生『雇用の常識「本当に見えるウソ」/ 決着版』ちくま文庫, 筑摩書房, 2012.

海老原嗣生『お祈りメール来た、日本死ね:「日本型新卒一括採用」を考える』文春新書, 文藝春秋, 2016.

リーズ・エリオット『女の子脳 男の子脳:神経科学から見る子どもの育て方』竹田円訳, NHK出版, 2010.

遠藤乾『欧州複合危機:苦悶するEU、揺れる世界』中公新書, 中央公論, 2016.

大石繁宏『幸せを科学する:心理学からわかったこと』新曜社, 2009.

大内伸哉『労働時間制度改革:ホワイトカラー・エグゼンプションはなぜ必要か』中央経済社, 2015.

太田邦史『エピゲノムと生命:DNAだけでない「遺伝」のしくみ』ブルーバックス, 講談社, 2014.

大浦宏邦『人間行動に潜むジレンマ:自分勝手はやめられない?』DOJIN選書, 化学同人, 2007.

太田猛彦『森林飽和:国土の変貌を考える』NHKブックス, NHK出版, 1992.

大竹文雄『日本の不平等』日本経済新聞, 2005.

大竹文雄編『こんなに使える経済学:肥満から出世まで』ちくま新書, 筑摩書房, 2008.

大竹文雄『格差と希望:誰が損をしているのか?』筑摩書房, 2008.

大竹文雄『競争と公平感:市場競争の本当のメリット』中公新書, 中央公論, 2010.

大塚ひかり『本当はひどかった昔の日本:古典文学で知るしたたかな日本人』新潮社, 2014.

大野左紀子『アーティスト症候群:アートと職人、クリエイターと芸能人』河出文庫, 河出書房, 2011.

大橋崇行『ライトノベルから見た少女/少年小説史:現代日本の物語文化を見直すために』笠間書院, 2014.

大原瞠『公務員試験のカラクリ』光文社新書, 光文社, 2011.

大屋雄裕『自由か、さもなくば幸福か?:二一世紀の〈あり得べき社会〉を問う』筑摩選書, 筑摩書房, 2014.

大和田俊之『アメリカ音楽史:ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』講談社選書メチエ, 講談社、2011.

岡田昭人『教育の機会均等』学分社, 2013.

岡田一郎『革新自治体:熱狂と挫折に何を学ぶか 』中公新書, 中央公論, 2016.

岡田暁生『西洋音楽史:「クラシック」の黄昏』中公新書, 中央公論, 2005.

岡田暁生『音楽の聴き方: 聴く型と趣味を語る言葉』中公新書, 中央公論, 2009.

岡田尊司『アスペルガー症候群』幻冬舎新書, 幻冬舎, 2009.

小川仁志『はじめての政治哲学:「正しさ」をめぐる23の問い』講談社現代新書, 講談社, 2010.

奥田昌子『欧米人とはこんなに違った日本人の「体質」:科学的事実が教える正しいがん・生活習慣病予防』ブルーバックス, 講談社, 2016.

小倉千加子『結婚の才能』朝日新聞, 2010.

隠岐さや香『科学アカデミーと「有用な科学」:フォントネルの夢からコンドルセのユートピアへ』名古屋大学出版会, 2011.

尾崎俊介『ホールデンの肖像:ペーパーバックからみるアメリカの読書文化』新宿書房, 2014.

小塩隆士『効率と公平を問う』日本評論社, 2012.

エミリー・オスター『お医者さんは教えてくれない妊娠・出産の常識ウソ・ホント』土方奈美訳, 東洋経済新報, 2014.

小田光雄『出版業界の危機と社会構造』論創社, 2007.

小平麻衣子『夢みる教養:文系女性のための知的生き方史』河出ブックス, 河出書房, 2016.

越智啓太『美人の正体:外見的魅力をめぐる心理学』実務教育出版, 2013.

越智啓太『恋愛の科学:出会いと別れをめぐる心理学』実務教育出版, 2015.

小野善康『不況のメカニズム:ケインズ『一般理論』から新たな「不況動学」へ』中公新書, 中央公論, 2007.

ジョン・オルコック『社会生物学の勝利:批判者たちはどこで誤ったか』長谷川眞理子訳, 新曜社, 2004.

マンサー・オルソン『集合行為論:公共財と集団理論』依田博, 森脇俊雅訳, ミネルヴァ書房, 1983.

レイ・オルデンバーグ『サードプレイス:コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」』忠平美幸訳, みすず書房, 2013.

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー:あなたの意思はどのように決まるか?』村井章子訳, 早川書房, 2012.

ルイ・カストロ『ボサノヴァの歴史』国安真奈訳, 音楽之友社, 2001.


ルイ・カストロ『パジャマを着た神様:ボサノヴァの歴史外伝』国安真奈訳, 音楽之友社, 2003.

片岡剛士『円のゆくえを問いなおす:実証的・歴史的にみた日本経済』ちくま新書, 筑摩書房, 2012.

片岡剛士『アベノミクスのゆくえ:現在・過去・未来の視点から考える』光文社新書, 光文社, 2013.

片山一道『骨が語る日本人の歴史』ちくま新書, 筑摩書房, 2015.

加藤秀治郎『日本の選挙:何を変えれば政治が変わるのか』中公新書, 中央公論, 2003.

加藤理文『織田信長の城』講談社現代新書, 講談社, 2016.

金井良太『脳に刻まれたモラルの起源:人はなぜ善を求めるのか』岩波科学ライブラリー, 岩波書店, 2013.

サトシ・カナザワ『知能のパラドックス:なぜ知的な人は「不自然」なことをするのか?』金井啓太訳, PHP研究所, 2015.

金子元久『大学の教育力:何を教え、学ぶか』ちくま新書, 筑摩書房, 2007.

ブライアン・カプラン『選挙の経済学:投票者はなぜ愚策を選ぶのか』長峯純一, 奥井克美訳, 日経BP, 2009.

鎌田浩毅『地球の歴史』中公新書, 中央公論, 2016.

神永正博『学力低下は錯覚である』森北出版, 2008.

神永正博『ウソを見破る統計学:退屈させない統計入門』ブルーバックス, 講談社, 2011.

苅谷剛彦『大衆教育社会のゆくえ:学歴主義と平等神話の戦後史』中公新書, 中央公論, 1995.

苅谷剛彦, 増田ユリヤ『欲ばり過ぎるニッポンの教育』講談社現代新書, 講談社, 2006.

苅谷剛彦『教育と平等:大衆教育社会はいかに生成したか』中公新書, 中央公論, 2009.

苅谷剛彦『学力と階層』朝日文庫, 朝日新聞出版, 2012.

苅谷剛彦『教育の世紀:大衆教育社会の源流 / 増補版』ちくま学芸文庫, 筑摩書房, 2014.

川口章『ジェンダー経済格差:なぜ格差が生まれるのか、克服の手がかりはどこにあるのか』勁草書房, 2008.

川島博之『「食糧危機」をあおってはいけない』文藝春秋, 2009.

管賀江留郎『道徳感情はなぜ人を誤らせるのか:冤罪、虐殺、正しい心』洋泉社,2016.

神取道宏『ミクロ経済学の力』日本評論社, 2014.

ガリー・ガッティング『いま哲学に何ができるのか? 』外山次郎訳, Discover 21, 2016.

アザー・ガット『文明と戦争』石津朋之, 永末聡, 山本文史監訳 ; 歴史と戦争研究会訳, 中央公論, 2012.

ジョシュア・ガンズ『子育ての経済学:ビジネススクールの講義でいちばん受けた話』松田和也訳, 日経BP, 2010.

ジョン・キーガン『戦略の歴史』遠藤利國訳, 中公文庫, 中央公論, 2015.

菊地成孔, 大谷能生『東京大学のアルバート・アイラー:東大ジャズ講義録・歴史編』文春文庫, 文藝春秋, 2009.

菊地成孔, 大谷能生『東京大学のアルバート・アイラー:東大ジャズ講義録・キーワード編 』文春文庫, 文藝春秋, 2009.

菊地成孔, 大谷能生『M/D:マイルス・デューイ・デイヴィスⅢ世研究』河出文庫, 河出書房, 2011.

岸政彦, 石岡丈昇, 丸山里美『質的社会調査の方法:他者の合理性の理解社会学』有斐閣, 2016.

北村亘『政令指定都市:百万都市から都構想へ』中公新書, 中央公論, 2013.

貴田庄『西洋の書物工房:ロゼッタ・ストーンからモロッコ革の本まで』朝日選書, 朝日新聞社, 2014.

吉川徹『学歴分断社会』ちくま新書, 筑摩書房, 2009.

W.キムリッカ『新版現代政治理論』千葉眞, 岡崎晴輝訳, 日本経済評論社, 2005.

アンソニー・ギデンズ『親密性の変容:近代社会におけるセクシュアリティ、愛情、エロティシズム』松尾精文, 松川昭子訳, 而立書房, 1995.

ダニエル・ギルバート『明日の幸せを科学する』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫), 熊谷淳子訳, 早川書房, 2013.

グレゴリー・クラーク『格差の世界経済史』久保恵美子訳, 日経BP社, 2015.

倉島保美『論理が伝わる世界標準の「書く技術:パラグラフ・ライティング入門』ブルーバックス, 講談社、2012.

栗原伸一『入門統計学:検定から多変量解析・実験計画法まで』オーム社, 2011.

アラン・B・クルーガー『テロの経済学:人はなぜテロリストになるのか』藪下史郎訳, 東洋経済新報, 2008.

ポール・クルーグマン, ロビン・ウェルス『クルーグマンミクロ経済学』大山道弘ほか訳, 東洋経済新報社, 2007.

ポール・クルーグマン, ロビン・ウェルス『クルーグマンマクロ経済学』大山道弘ほか訳, 東洋経済新報, 2009.

ポール・クルーグマン『さっさと不況を終わらせろ』山形浩生訳, 早川書房, 2012.

マーチン・ファン・クレフェルト『戦争の変遷』石津朋之監訳, 原書房, 2011.

黒田隆憲監修『シューゲイザー・ディスク・ガイド』P‐Vine Books, ブルース・インターアクションズ, 2010.

マルコム・グラッドウェル『天才!:成功する人々の法則』勝間和代訳, 講談社, 2009.

アンソニー・グラフトン 『テクストの擁護者たち: 近代ヨーロッパにおける人文学の誕生』ヒロ・ヒライ監訳, 福西亮輔訳, 勁草書房, 2015.

ジャック・P.グリーン『幸福の追求: イギリス領植民地期アメリカの社会史』大森雄太郎訳, 慶應義塾大学出版会, 2013.

ジョシュア・D.グリーン『モラル・トライブズ:共存の道徳哲学へ』竹田円訳, 岩波書店, 2015.

エドワード・グレイザー『都市は人類最高の発明である』山形浩生訳, NTT出版, 2012.

ジョン・メイナード・ケインズ『雇用、利子、お金の一般理論』講談社学術文庫, 山形浩生訳, 2012.

権丈善一『ちょっと気になる社会保障:知識補給増補版』勁草書房, 2017.

ダグラス・ケンリック『野蛮な進化心理学:殺人とセックスが解き明かす人間行動の謎』 山形浩生, 森本正史訳, 白揚社, 2014.

イアン・ゲートリー『通勤の社会史:毎日5億人が通勤する理由』黒川由美訳, 太田出版, 2016.

小泉俊昭著;泉正人監修『かわいい子には「こづかい」をあげるな!:誰も教えてくれなかった人生に本当に役立つ「お金の取り扱い方」』大和書房, 2009.

ダイアン・コイル『ソウルフルな経済学:格闘する最新経済学が1冊でわかる』室田泰弘ほか訳, インターシフト, 2008.

ダイアン・コイル『GDP:<小さくて大きな数字>の歴史』高橋璃子訳, みすず書房, 2015.

タイラー・コーエン『創造的破壊:グローバル文化経済学とコンテンツ産業』浜野志保訳, 作品社, 2011.

タイラー・コーエン『アメリカはアートをどのように支援してきたか: 芸術文化支援の創造的成功』石垣尚志訳, ミネルヴァ書房, 2013.

ジュリアン・コープ 『ジャップロック・サンプラー:戦後、日本人がどのようにして独自の音楽を模索してきたか』奥田祐士訳, 白夜書房, 2008.

ジョナサン・コール『顔の科学:自己と他者をつなぐもの』恩蔵絢子訳, PHP研究所, 2011.

国米欣明『その子育ては科学的に間違っています』三一書房, 2007.

小島寛之『確率的発想法:数学を日常に活かす』NHKブックス, NHK出版, 2004.

小谷賢『インテリジェンス:国家・組織は情報をいかに扱うべきか』ちくま学芸文庫, 筑摩書房, 2012.

児玉聡『功利と直観:英米倫理思想史入門』勁草書房, 2010.

児玉聡『功利主義入門:はじめての倫理学』ちくま新書, 筑摩書房, 2012.

小林朋道『ヒトはなぜ拍手をするのか:動物行動学から見た人間』新潮選書, 新潮社, 2010.

小峰隆夫編著『政権交代の経済学』日経BP, 2010.

小谷野敦『<男の恋>の文学史』朝日選書, 朝日新聞社, 1997.

小谷野敦『日本文化論のインチキ』幻冬舎新書, 幻冬舎, 2010.

小谷野敦『現代文学論争』筑摩選書, 筑摩書房, 2010.

小谷野敦『文学研究という不幸』ベスト新書, ベストセラーズ, 2010.

小谷野敦『文学賞の光と影』青土社, 2012.

小谷野敦『日本恋愛思想史:記紀万葉から現代まで』中公新書, 中央公論, 2012.

小谷野敦『面白いほど詰め込める勉強法:究極の文系脳をつくる』幻冬舎新書, 幻冬舎, 2013.

小谷野敦『江藤淳と大江健三郎:戦後日本の政治と文学』筑摩書房, 2015.

小谷野敦『文章読本X』中央公論, 2016.

近藤祥司『老化はなぜ進むのか:遺伝子レべルで解明された巧妙なメカニズム』ブルーバックス, 講談社, 2009.

近藤宗平『人は放射線になぜ弱いか:少しの放射線は心配無用 / 第3版』ブルーバックス, 講談社, 1998.

今野浩『ヒラノ教授の論文必勝法:教科書が教えてくれない裏事情』中公新書ラクレ, 中央公論, 2013.

呉座勇一『戦争の日本中世史: 「下剋上」は本当にあったのか』新潮選書, 新潮社, 2014.
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検索履歴に不穏な言葉。いったい誰が・・・

2011-12-23 09:00:21 | チラシの裏
  笑い話。コンピュータ室で授業をしていたときのこと。教卓パソコンの画面をモニターで学生のために例示していた。教卓パソコンでYahoo Japan!のテキストボックスにキーワードを入れて検索しようとしたそのとき、オートコンプリート機能のために次の文字が表示された。「はだか」「sex」。即行でその履歴を消したけれども、女学生の何人かがその卑猥な単語を目撃して若干の動揺がはしった。騒ぎにはいたらなかったものの、一歩間違えばセクハラである。いったいどこの馬鹿が、教卓パソコンを使ってエロ画像を探すためと見られるキーワードを打ち込んだのか?

  一日経てから気づいた。犯人は僕だ。数週間前の同じ授業で、フィルタリング機能の例を見せるために、Yahoo!キッズで際どい言葉を入れて検索してみせたことを思い出した。あのとき打ち込んだ単語が上の二つだった。Yahoo!キッズの検索履歴がYahoo Japan!にも投影されるとは思っていなかったこともあって、すぐにはわからなかったものの、どうやら授業での僕の仕業でのようだ。それに、冷静に考えれば、パソコン室で授業を教えるような手練の教員がYahooなんかでエロ画像を探さないだろうし、また上の二つの単語で男性が望む情報が得られるとも思えない。

  危ういところだった。パソコンの管理者に頼んで履歴を調べてもらい、犯人探しをしようとも考えていたのだが、実行に移していたら大恥をかいただろう。思いついてから即日実行ではなく、一日おくのは冷静になれていいことかもしれない。
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ジョブ型雇用を想定する民法と現実のメンバーシップ型雇用とのあいだ

2011-12-21 16:21:48 | 読書ノート
濱口桂一郎『日本の雇用と労働法』日経文庫, 日本経済新聞, 2011.

  日本の雇用システムと、対する労働法制の二つについて解説する新書版。必要な情報について、レベルを落とさずに241ページの中にぎっちり詰め込んであるものの、そのせいで難解になっているということはない。むしろ、明快な図式が冒頭に示されているので、労働関連法規や、事件またはそれをめぐる判例の解釈が理解しやすい。

  まず理解すべきなのは、日本で正規雇用されるということがメンバーシップ契約を結ぶことだということである。“ジョブ型”とされる欧米での雇用契約では仕事の範囲が決まっているのに対して、メンバーシップ契約では職場のメンバーとして終身雇用が認められる代わりに、無制限な労働時間や転勤の受け容れ、職場のあらゆる仕事をすることが求められる。日本の雇用は、特定分野のプロフェッショナルとしてのアイデンティティではなく、組織人としてのアイデンティティを涵養するような雇用慣行となっている。一方で正規雇用者と、メンバーシップを持たない非正規雇用労働者との溝は大きい。

  加えて、上の次に重要なことが、日本の民法が念頭においている雇用は欧米式のジョブ型雇用であり、その適用に際しメンバーシップ型が普通である現状とはギャップがあるという指摘である。民法は、決まった仕事に対して労働力を切り売りするのが雇用契約であるというモデルを持っているという。このギャップを埋めるのが判例や行政主導の政策立法であり、本書は特にそうした判例を例示して解雇や労働時間などをめぐる諸問題を整理している。歴史的な観点も加えられており、雇用慣行の成立過程や変化もわかる。

  以上のように、本書は日本で働く人すべてに勧められる内容である。経済学者のように単純化した労働市場観から現実を一刀両断することもなく、法学者のように個々の労働者の権利にこだわって労働市場の大局を見失うこともない、非常にバランスの取れた記述である。こういうスタンスは、管見の限りではこれまでありそうでなかったもので、説得力のあるものだと思える。
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甘いようで微妙にツボを外してくるラブソング集

2011-12-19 19:53:55 | 音盤ノート
Marc Copland "Some Love Songs" Pirouet, 2005.

  ジャズ。耽美系ピアノトリオ作品。Drew Gress(b), Jochen Rueckert(ds)をバックに従えた録音だが、二人のことは全然知らない。実を言うとコープランドのアルバムを聴くのはこれで二作目で、この人についてもよく知らない。ちなみに、このピアニストを初めて聴いたのはラルフ・タウナーとのデュオ"Songs Without End"(徳間ジャパン, 1994)で、温もりを感じさせない硬質リリシズム系同士のぶつかり合いがとても素晴らしかった。

  このアルバムも、タイトルだけ見ると軟派なカクテルジャズのようだが、気分よく聴き流せるようにはなっていない。タッチは優しく、曲想はリリカルで柔和だが、この仄かに甘い世界を崩壊させない程度に不協和を忍ばせてくる。そのバランス感覚は絶妙で、低迷期のリッチー・バイラークならやり過ぎてリリシズムぶち壊しのところを、コープランドはぎりぎりのところで叙情の側に残ってみせる。弾きまくるタイプではないが、抑え気味ながらも美しいメロディと、時折現れる「不協和音による違和」の絡みがとてもスリリングで面白い。

  曲はオリジナル二曲のほか、ジョニ・ミッチェル"Rainy Night House"、ショーター"Footprints"、スタンダードの"Glad to Be Unhappy"、ビル・エバンスの演奏で有名な"My Foolish Heart"と"Spartacus Love Theme"である。ラブソング集にしては、かなりビターだろう。
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1990年代的であることが教科書としての意義を損なう

2011-12-16 08:51:03 | 読書ノート
藤原和博, 宮台真司編著『よのなかのルール:人生の教科書』ちくま文庫, 筑摩書房, 2005.

  中学生・高校生から大学生を読者対象にして、日本社会のルールや仕組みを教えるという内容。1998年に出版された『人生の教科書[よのなか]』と1999年の『人生の教科書[ルール]』を合併して再編したものが、この文庫版である。

  扱われているトピックは次のとおり。人を殺してはいけない理由、法律や裁判の基本的な考え方、法律における大人と子どもの境界、接待をめぐる人間関係力学(そういえば接待は1990年代にジャーナリズムを賑わせた問題だった)、一商品における利益・材料費・人件費などの割合とそこからわかる経済の仕組み、部屋の配置からわかる西洋と日本の「ウチとソト」、キャリア形成、性転換、離婚手続き、クローニングの問題(これもやはり1990年代的なトピックだ)、監察医からみた自殺。これらに、藤原和博・宮台真司それぞれによるまえがきとあとがきが加わる。

  執筆者は10名を超え、内容は玉石混交である。少年法や離婚の法的手続き、クローニングについての項は、事実を整理して冷静に解説しており、現在でも意義のある資料となっている。ただし、客観的な記述に終始することが多く、中高生には面白くないだろう。一方で、エッセイ的な項はリバタリアン的価値観を匂わせたものが多く、こうした考え方に初めて出会う若者に衝撃を与えるかもしれない。僕も大学生のころには宮台真司の鋭い議論に関心したものだが、改めて読んでみると根拠を示さない決め打ちの連発にすぎず、今更ながら説得力が薄い主張であることがわかった。その学者然としない、生き方指南的なところが彼の魅力だったのだが、食うにも困るこの時代に「若者の自由な生き方」を訴えるその姿勢は高踏的すぎ、完全に時代とズレてしまったという印象である。もう一人の中心人物である藤原和博の文章はさっぱり面白くないのだが、僕が齢を取りすぎているせいかもしれない。中高生にはためになる知見が得られる可能性もある。

  10代向けに社会の仕組みを教えるという試みは評価する。だが、個人的には、全体を覆うリバタリアン的なトーンにあまり感心できなかった。また、接待や性転換だとかは、21世紀の大半の子どもにはどうでもいいトピックである。今これを作るなら、社会保障や雇用の仕組み、配偶者の見つけ方が重要なトピックになるだろう。そのような点で、「よのなかのルール」を教える教科書としては改訂が必要である。
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「注意して聴く環境音楽」という矛盾における美

2011-12-14 10:04:17 | 音盤ノート
Fennesz + Sakamoto "Cendre" Commmons/Touch, 2007.

  アンビエント。オーストリアのエレクトロニカ系音楽家フェネスがコンピュータで背景となる音を作り、その上に坂本龍一のピアノを乗せるというもの。

  その役割分担から、1980年代初頭のブライアン・イーノとハロルド・バッドの共作(参考)が思い出される。基本的には、同じコンセプトを持つ作品だと言えるが、ちょっとした違いもある。フェネスが作る電子音はイーノのそれよりは厚みがあり目立つ。また、坂本龍一のピアノは、バッドのように流麗さに流れず、細心の注意の下に美しい和音を一つ一つ紡ぎだす。大きな違いは、イーノ=バッド作が聴き手の情動と距離をおいているところがあるのに、本作は何がしか琴線に触れるところである。そのため、環境音楽という装いなのに、聴き手の注意をその音に向けさせてしまう。

  BGMとして聴き流そうとしてもその深い音色に引き込まれてしまい、作業を中断して聴き入らせてしまう、そういうアンビエント作品である。
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司書資格についての情報は開示してあるのだが、それでも・・・

2011-12-12 12:44:47 | 図書館・情報学
  先日、僕の勤務する短大の一年生を対象とした合同企業説明会があった。その際に、僕が教えたことのある卒業生が呼ばれて一年生の前で講演したのだが、彼女が「司書資格は就職の役には立たない」というようなことを言ったそうだ。それは真実だからよろしい。ただ、その言葉を聞いて驚き、司書資格を取得する気を失ってしまったという学生が何人かいる。選択科目だった「図書館実習」を受講生数名が辞退したのもそのせいだろう。そのことを人づてに聞いて、やや気になっている。

  そもそもこれは一年生が驚くべきような事実でもなんでもない。僕は、履修時のガイダンスでまったく同じこと──「司書資格は就職の役には立たない」こと──を説明している。僕が赴任一年目の時に、そのことを大勢を目の前してあからさまに述べたことがあり、そこにいた教授らに注意をうけたほどである。それ以来、他の先生の目につかないよう、資格課程の最初の授業で同じことを述べており、プリントまで配っている。資格の市場価値を説明しないのは、不誠実だと考えているからだ。なので毎年、司書での採用はほとんどないこと、なのでオフィス業務に役立つスキルを身に付けることに配慮した教育をする、という短大の方針を一年生には説明しているのである。

  けれども、僕が課程でかなりの勉強量を要求しているせいもあって、受講生たちは多大な時間と労力を投入するのに見合った価値を司書資格に求めるようになるかもしれない。個人的には、彼女たちの就職先が、我が短大の司書資格課程のトレーニングが、図書館に限らず、オフィス業務一般に対応できるスキルを育成するものだと理解してくれることを願っている。どうしたらアピールできるのかはわからないが。ちなみに、講演してくれた卒業生は僕が赴任して一年目に教えた学生で、まだ教育方法について試行錯誤段階だった。彼女には、課程で学んだことが役に立ってないのかもしれない。
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適切な統計手法を選択するためのフローチャートは有益

2011-12-09 12:54:26 | 読書ノート
栗原伸一『入門統計学:検定から多変量解析・実験計画法まで』オーム社, 2011.

  統計学の教科書。これは良書。名著とされるホーエル『初等統計学』(培風館, 1981)を読んでも理解できなかった僕でも、統計学の基本的なところは理解できた(ような気にさせる)。

  僕のような素人は、統計学で出てくる概念を一通り覚えるものの、その論理がどうなっているか分からないまま使っていたりする。この本は、詳細になりすぎず、かといって大雑把になることもなく、その論理のキモの部分を分かりやすく解説してくれる。また、サンプルの性質によってどのような統計手法・検定が適切なのかをチャートで図示してくれており、役に立つだろう。深く統計学を極めようとは思わないが、統計ソフトでやっていることの意味ぐらいは理解しておきたいという向きにはちょうと良いレベルだと思われる。

  ちなみに、本格的な教科書であり、登場する数式を理解する必要があるレベルの内容である。統計学の魅力を伝えるエッセイ的な本ではないので、そのあたりは覚悟しよう。

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静音系に括られる一歩手前のピアノトリオ録音

2011-12-07 09:20:53 | 音盤ノート
Simple Acoustic Trio [Marcin Wasilewski Trio] "Habanera" Not Two, 1999.

  ジャズ。ポーランドのピアニストMarcin Wasilewskiと、Slawomir Kurkiewicz (b)とMichal Miskiewicz (ds)によるトリオの四作目の録音。ECMでの近作(参考 : 1 / 2)と比べると、ピアノの線の細い印象は変わらないものの、けっこう弾いている。また、近作では控え目過ぎるように思えたベースとドラムも、かなり前面に出てきている。特にドラムは激しくなることもある。スリル感はこちらの方が高い。

  静かにピアノが始まって、途中からアクセントをつけるようにベースとドラムが登場してくるというスタイルは、この頃からのようである。すべての曲がそうだというわけではないが、冒頭の"Habanera Excentrica"ではそれが顕著である。一貫したリズムのパターンで、ユニゾン-ソロ-ユニゾンと展開してゆくジャズ一般のアレンジにはなっていない。エンディングに向けて徐々に盛り上げてゆくのである。アドリブ部分はあるものの、そこを注意して聴かなくても曲が勝手に先に進んでゆく。彼らが15年以上変わらないメンバーで活動しているのは、単にフィーリングが合うとかテクニックに信頼があるというレベルではなく、それぞれがレパートリーの曲の構造を十分理解していないと演奏が破綻してしまうからだろう。

  そのようなわけで、アドリブ部分が苦手だというジャズ入門者には聴きやすいユニットである。とはいえ、このアルバムではまだジャズ的なインタープレイがあり、後年ほど静音系ではない。
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