Arto Lindsay "Cuidado Madame" P-Vine, 2017.
ブラジル音楽の要素とエレクトロニクス要素をブレンドさせたアダルト・コンテンポラリー(と敢えてカテゴライズしてみる)である。元DNAという肩書が付くと身構えてしまうかもしれないが、Michael Franksとかが好きな人も気に入るのではないだろうか。少々実験的だけれどもけっこう楽しめる範囲にあるサウンドであり、その上を軟弱男性ボーカルがゆったり歌うという内容である。
1996年の"Mundo Civiliazdo"については以前書いた。その後4作を経ての13年ぶりの新作ということだが、以前の路線を踏襲しており、大きな変化はない。しかし、エレクトロニクス面は洗練されていて、繊細に刻んだりグリッチ音を聴かせたりと多彩になっている。時折「ガチャガチャ」というだけの、DNA以来のノンチューニングのギターの音も入るが、あくまでも薬味程度。リズムはけっこう複雑で、そこが実験的に感じるところである。ボーカルは柔和で優しく、口数も少なめ。全体としては押しつけがましさがなく、受け入れやすいだろう。
邦題は「ケアフル・マダム」で、日本盤には1曲ボートラが付いている。ボートラは良曲だが「アルバムが終わった感」のある曲の後に出てきてしまい、曲順としては不満が残る。なお、発表時期は、日本ではP-Vineから1月に、米国ではNorthern Spyから4月にである。日本先行発売とはいえ、なぜこう期間が空くのだろうか。米国ではCD市場が壊滅していて、レーベル探しに難航したということか。
ブラジル音楽の要素とエレクトロニクス要素をブレンドさせたアダルト・コンテンポラリー(と敢えてカテゴライズしてみる)である。元DNAという肩書が付くと身構えてしまうかもしれないが、Michael Franksとかが好きな人も気に入るのではないだろうか。少々実験的だけれどもけっこう楽しめる範囲にあるサウンドであり、その上を軟弱男性ボーカルがゆったり歌うという内容である。
1996年の"Mundo Civiliazdo"については以前書いた。その後4作を経ての13年ぶりの新作ということだが、以前の路線を踏襲しており、大きな変化はない。しかし、エレクトロニクス面は洗練されていて、繊細に刻んだりグリッチ音を聴かせたりと多彩になっている。時折「ガチャガチャ」というだけの、DNA以来のノンチューニングのギターの音も入るが、あくまでも薬味程度。リズムはけっこう複雑で、そこが実験的に感じるところである。ボーカルは柔和で優しく、口数も少なめ。全体としては押しつけがましさがなく、受け入れやすいだろう。
邦題は「ケアフル・マダム」で、日本盤には1曲ボートラが付いている。ボートラは良曲だが「アルバムが終わった感」のある曲の後に出てきてしまい、曲順としては不満が残る。なお、発表時期は、日本ではP-Vineから1月に、米国ではNorthern Spyから4月にである。日本先行発売とはいえ、なぜこう期間が空くのだろうか。米国ではCD市場が壊滅していて、レーベル探しに難航したということか。