黒田隆憲監修『シューゲイザー・ディスク・ガイド』P‐Vine Books, ブルース・インターアクションズ, 2010.
マイク・マクゴニガル『My Bloody Valentine Loveless』P‐Vine Books, クッキーシーン 監修; 伊藤英嗣, 佐藤一道訳, ブルース・インターアクションズ, 2009.
二つのシューゲイザー本はそれぞれ別の時期に入手したもの。僕は"Isn't Anything"も"Loveless"も現役で聴いた(参考)が、その後のこのジャンルのフォローについては熱心では無かった。二つとも、新奇さへの興味ではなく、追憶に浸るべく手に取った。
高校時代、仲の良かった友人(♀)に"Loveless"を聴かせたら「雑音しか聴こえない」と言われたことがある。『シューゲイザー・ディスク・ガイド』では、そんな経験を持つ中年男の知らない新しいバンドがたくさん紹介されており、あらためてその影響力の強さを確認できる。「自分が青春時代に聴いた音楽はくだらないものではないんだ」という非生産的な感傷にひたることができてたいへん慰められた。でもこの歳になって今更新しいバンドを聴いたりしないだろうというのも本音。
『My Bloody Valentine Loveless』は、Continuum社の"33 1/3"シリーズの一つの翻訳。録音方法や人間関係の話が中心で、つまらなくはないが、あまり音楽的な分析は無い。もう少し和声や音響について分析してくれることを期待していたが、それでは敷居が高くなりすぎるか? 機材については『シューゲイザー・ディスク・ガイド』の方が詳しい。"33 1/3"シリーズの他作品は翻訳されていないようだが、これと同レベルの内容ならば、翻訳して出版する際には高校生向けの装丁でかつもっと安値で出版した方がいいだろう。
どちらの本にもミニマルミュージックからの影響については言及されている。しかし、ヴォーカルスタイルとしてはボサノヴァなんかに近いように考えているのだが、その指摘は無かった。
マイク・マクゴニガル『My Bloody Valentine Loveless』P‐Vine Books, クッキーシーン 監修; 伊藤英嗣, 佐藤一道訳, ブルース・インターアクションズ, 2009.
二つのシューゲイザー本はそれぞれ別の時期に入手したもの。僕は"Isn't Anything"も"Loveless"も現役で聴いた(参考)が、その後のこのジャンルのフォローについては熱心では無かった。二つとも、新奇さへの興味ではなく、追憶に浸るべく手に取った。
高校時代、仲の良かった友人(♀)に"Loveless"を聴かせたら「雑音しか聴こえない」と言われたことがある。『シューゲイザー・ディスク・ガイド』では、そんな経験を持つ中年男の知らない新しいバンドがたくさん紹介されており、あらためてその影響力の強さを確認できる。「自分が青春時代に聴いた音楽はくだらないものではないんだ」という非生産的な感傷にひたることができてたいへん慰められた。でもこの歳になって今更新しいバンドを聴いたりしないだろうというのも本音。
『My Bloody Valentine Loveless』は、Continuum社の"33 1/3"シリーズの一つの翻訳。録音方法や人間関係の話が中心で、つまらなくはないが、あまり音楽的な分析は無い。もう少し和声や音響について分析してくれることを期待していたが、それでは敷居が高くなりすぎるか? 機材については『シューゲイザー・ディスク・ガイド』の方が詳しい。"33 1/3"シリーズの他作品は翻訳されていないようだが、これと同レベルの内容ならば、翻訳して出版する際には高校生向けの装丁でかつもっと安値で出版した方がいいだろう。
どちらの本にもミニマルミュージックからの影響については言及されている。しかし、ヴォーカルスタイルとしてはボサノヴァなんかに近いように考えているのだが、その指摘は無かった。