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努力の方向が分かり前著よりは希望を持てそう

2015-08-24 16:53:46 | 読書ノート
越智啓太『恋愛の科学:出会いと別れをめぐる心理学』実務教育出版, 2015.

  『美人の正体』の続編となる一般書籍。恋愛感情の尺度化から、女性にとって派手めのメイクとナチュラルメイクのどちらが効果的か、相手にイエスと言わせる告白の仕方、アルコールやラブソングの効果、別れのメカニズム、ストーカーになる人間のパターンなどについて解説してくれる。なお著者の本職は犯罪心理学とのこと。

  本書によると、女性は赤い服を着ると通常より魅力的に見えるとのこと。また、この手の本でよく紹介される「吊り橋効果」を狙ったデートは、イケメンまたは美女以外が使ってはいけないという。こういう小手先のテクのトピックも多いが、関係を長続きさせるには「一緒にいて楽しい」という友達感覚が重要であるということも理解できてためになる(単純な好意だけではやはり長続きしない)。科学と銘打っているとおり統計データに基づく議論となっているのだが、出典は海外の研究と、著者のゼミ生(法政大学)の研究のものが目立つ。一応、日本の科学的な恋愛研究からの知見も紹介されているが、十分な量がないことをうかがわせる。

  恋愛言説の多くは根拠がないものも多く、経験の乏しい人は勘違いしやすい領域であり、モテる人にしか使えない小技を使って痛い目にあうということはよくあるのではないだろうか。まあ、痛い目にあって学べというアドバイスもアリではあるが、正しい努力の方向が分かればそれに越したことはない。というわけで学生時代までに読んでおくべし。僕の歳になるともう使う機会はないな。さまざまな診断テストも満載で若い人なら楽しい本である。
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