Theo Bleckmann "Elegy" ECM, 2017.
ジャズ。テオ・ブレックマンはドイツ出身のボーカリストで、高く柔らかいトーンでメロディを素直に歌う。どちらか言えばクラシックやオペラの素養を感じさせ、崩して歌うことが多い「ジャズ」の要素を感じさせない。彼のスキャットやヴォカリーズの部分はファルセットになることが多く、まるで聖歌のようである。ありそうでなかったジャズボーカルアルバムだろう。
バックは、ギターのBen Monder、ピアノのShai Maestro、ベースにChris Tordini、ドラムにJohn Hollenbeckという布陣。全体としてきちんとリズムを刻まないアブストラクトな演奏が多い。しかしながら、マエストロのピアノとブレックマン自身のボーカルはきちんと旋律を紡ぎだしており、叙情感を保っている。モンダーは"Amorphae"の路線を踏襲したレイヤー風ギターを奏でる。霧や雲のような音で空間を埋めてゆく仕事が中心だが、track 10でのみへヴィメタル風のソロを聴かせる。
モンダーのアルバム"Oceana"で聴いたときには、ブレックマンの声には変態臭というか気色悪さがあった。だが、本作にはそのような違和感はなく、普通に美しく心地よいアルバムとなっている。ボーカルスタイルは大して変わっていないのに。これがレーベルカラーの力というものなのか。
ジャズ。テオ・ブレックマンはドイツ出身のボーカリストで、高く柔らかいトーンでメロディを素直に歌う。どちらか言えばクラシックやオペラの素養を感じさせ、崩して歌うことが多い「ジャズ」の要素を感じさせない。彼のスキャットやヴォカリーズの部分はファルセットになることが多く、まるで聖歌のようである。ありそうでなかったジャズボーカルアルバムだろう。
バックは、ギターのBen Monder、ピアノのShai Maestro、ベースにChris Tordini、ドラムにJohn Hollenbeckという布陣。全体としてきちんとリズムを刻まないアブストラクトな演奏が多い。しかしながら、マエストロのピアノとブレックマン自身のボーカルはきちんと旋律を紡ぎだしており、叙情感を保っている。モンダーは"Amorphae"の路線を踏襲したレイヤー風ギターを奏でる。霧や雲のような音で空間を埋めてゆく仕事が中心だが、track 10でのみへヴィメタル風のソロを聴かせる。
モンダーのアルバム"Oceana"で聴いたときには、ブレックマンの声には変態臭というか気色悪さがあった。だが、本作にはそのような違和感はなく、普通に美しく心地よいアルバムとなっている。ボーカルスタイルは大して変わっていないのに。これがレーベルカラーの力というものなのか。