29Lib 分館

図書館・情報学関連の雑記、読書ノート、音楽ノート、日常生活の愚痴など。

ありそうでなかった聖人昇天ボーカルを使ったジャズ

2017-02-27 21:04:25 | 音盤ノート
Theo Bleckmann "Elegy" ECM, 2017.

  ジャズ。テオ・ブレックマンはドイツ出身のボーカリストで、高く柔らかいトーンでメロディを素直に歌う。どちらか言えばクラシックやオペラの素養を感じさせ、崩して歌うことが多い「ジャズ」の要素を感じさせない。彼のスキャットやヴォカリーズの部分はファルセットになることが多く、まるで聖歌のようである。ありそうでなかったジャズボーカルアルバムだろう。

  バックは、ギターのBen Monder、ピアノのShai Maestro、ベースにChris Tordini、ドラムにJohn Hollenbeckという布陣。全体としてきちんとリズムを刻まないアブストラクトな演奏が多い。しかしながら、マエストロのピアノとブレックマン自身のボーカルはきちんと旋律を紡ぎだしており、叙情感を保っている。モンダーは"Amorphae"の路線を踏襲したレイヤー風ギターを奏でる。霧や雲のような音で空間を埋めてゆく仕事が中心だが、track 10でのみへヴィメタル風のソロを聴かせる。

  モンダーのアルバム"Oceana"で聴いたときには、ブレックマンの声には変態臭というか気色悪さがあった。だが、本作にはそのような違和感はなく、普通に美しく心地よいアルバムとなっている。ボーカルスタイルは大して変わっていないのに。これがレーベルカラーの力というものなのか。
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信長発案「見せるための城」の嚆矢が小牧山城だと

2017-02-24 21:34:26 | 読書ノート
加藤理文『織田信長の城』講談社現代新書, 講談社, 2016.

  織田信長が居城とした城の姿および機能について、古文書の記述や城跡の発掘をもとに推定するというもの。かなりマニアックな内容で、発掘調査の報告部分は新書ではカットすべきだと思える詳細さだ。後書きによると、学術論文としての体裁も著者は考えたが、発掘が途中でまだ結論を出すには時間がかかるので、中間報告的なものとして新書で発表したという。信長は、防御用に設計された戦国時代の「城」を、権力の所在を見せるためのものに変えた、というのが結論である。安土城はそのもっとも象徴的なもので、それ以前には豪華に修飾された巨大な天守閣など存在しなかったという。

  僕は特に戦国マニアというわけでもないのだが、故郷にある小牧山城が扱われていたので読んでみた。僕が高校生の頃までは、小牧山はあくまで「かつて家康の本陣があった場所」であって、信長のイメージは無かった。現在その山頂には昭和に建てられたコンクリ製の城があるが、その中の展示物は記憶に従えば「小牧・長久手の戦い」関連のものばかりだった。本書によれば、信長は美濃征服のための根拠地として、清州から小牧に移ってきたのだそう。へぇー知らんかった。城の周辺に家臣を住まわせて軍事動員のスピードを迅速化し、山頂に巨大な石垣を積み上げてその経済力と軍事力を敵にも味方にも見せつける。こういうことを小牧山城から始めたらしい。

  小牧山城のほか岐阜城、安土城が大々的に取り上げられている。これら三城とも信長時代の姿をとどめていない。だからこその想像の楽しさを著者は楽しんでいるように読める。本書は「城」の概念面での信長の革新があったというのだが、続く報告を待ちたい。
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一聴すると爽やかなサウンドだが、ボーカルが奇矯

2017-02-22 22:45:10 | 音盤ノート
Wild Nothing "Nocturne" Captured Tracks, 2012.

  ロック。ドリームポップ要素のある1980年代風エレポップで、曲によってはネオアコになる。要は深い残響処理のギターと甘く弱々しいボーカルがセットの、ガラス細工の音世界である。Wild Nothingは米国のオタク青年Jack Tatumの一人プロジェクトで、本作は二作目。すでに2016年に三作目も出ている。

  最初のアルバム"Gemini"(2010)は、テイタム一人による宅録サウンドで線が細く感じられる。だが、本作はメンバーを揃えてのバンドサウンドで、ドラムとベースの部分は太くなった。あとエレポップよりはネオアコに接近しており、ギターの音が目立つ。ボーカルスタイルも色々と変わる。冒頭の'Shadow'では小山田圭吾のように歌われるのだが、いくつかの曲はシューゲイザー系の男声ウィスパー、別のいくつかの曲ではデビッドボウイ風の低音クルーナー唱法、地声で歌うとWireのColin Newmanに似ていたりして、少々変態っぽいところを感じさせる(これは褒め言葉)。声のキーとか関係無く曲を作って、ボーカルをそれに合わせているかのようだ。PixiesのBlack Francisを思い出してしまった(音は全然違うが)。とはいえ全体のサウンドが統一されているので大きな違和感はないけれども。

  日本盤には9曲のボーナストラックが付されているが、いずれも本作発行以前のシングル曲で、"Gemini"の宅録サウンドに近い。この日本盤の発行元が吉本興業傘下のよしもとアール・アンド・シー。好青年の爽やかな笑顔の裏側に、かすかに漂う変態臭をかぎつけたのだろう。鋭い。
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紋切型や装飾過剰な美文を批判する文章読本

2017-02-20 22:10:54 | 読書ノート
小谷野敦『文章読本X』中央公論, 2016.

  タイトル通りの文章読本。達人というわけではない素人が目指すべき「うまい」文章とは、華麗な美文ではなく、論理的で正確であることだという。さらに文章の魅力は内容と無関係ではないと説いている。こうした文章観は、報告書や論文の執筆では当たり前の話で特に目新しくはないのだが、小説やエッセイにもそれは適用可能であると著者が考えている点が重要ろう。

  その主張の是非はさておき、本書で楽しむべきは、数々の有名作家らの文章が引用されてクサされるところ。同じく『文章読本』を書いている丸谷才一や、川端康成、山岡荘八はダメで、赤川次郎は良いという具合。美文家のように見なされている谷崎潤一郎だが、実はそうではなくて美しいのは内容なのだとする。このほか、純文学と通俗小説の文体の違い、「まあ」の使い方や法律文書の特徴など、体験談と実用的視点が混在した見解がちりばめられている。

  詳しい文章指南が展開されているわけではないので、これを読んで何か作品が書けるようになるというものでもないが、「論理的かつ正確」というのは文章執筆の心がけの方向としてはありだろう。それでも、著者の本としてはけっこう実用的なほうではないだろうか。
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静かに冷たく触発しあうジャズ職人たちの音楽

2017-02-18 10:21:42 | 音盤ノート
John Abercrombie Quartet "Up And Coming" ECM, 2017.

  ジャズ。アバクロ以下、Marc Copland(p), Drew Gress(b), Joey Baron(d)という編成での二作目となる。幽玄なピアノに流麗なギター、全体として冷たくて静謐な音、というのは前作と変わらない。安定の高品質作品である。

  全8曲収録で'Nardis'以外はアバクロかコープランドの曲となる。耽美で上品なサウンドであり、とことん冷ややかである。聴き手の情動を揺さぶってくるような強いアピールはなくて、あくまで肌を心地よく撫でる(ただし暖かみはない)ような感覚の音楽である。とはいえ聴いていてまったりできるわけではなく、全編を通じてかすかな緊張感もあって、軽く聞き流せるというものでもない。各メンバーの職人芸的に繊細で美麗な音使いを注意して楽しむという作品となっている。

  良作だが、かなり渋い。ジャズではあるが、ビギナー向けではない。「ECMレーベルの典型的な音」と言われて音を想像できる人向けだろう。

  
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近代的価値観に沿った少子化対策は効果なしかつ金の無駄使い

2017-02-15 15:39:46 | 読書ノート
赤川学『これが答えだ! 少子化問題』ちくま新書, 筑摩書房, 2017.

 少子化論。『子どもが減って何が悪いか!』の続編。結論は前著と同じで、女性が働きやすい社会を作っても子どもの数は増えないということを述べている。

  最初の章では「女性労働力率あるいは所得の高さと子ども数」についての各種統計の再解釈である。著者によれば、現在これら要素と合計特殊出生率や実際の子ども数の間に正の相関をみるような調査が主流だが、そうした調査にはそもそもサンプルに偏りがあったり、想定される因果関係モデルに難があるとする。虚心にデータを見れば、女性が働けば働くほど子どもの数は減り、また超金持ち層と貧しい層では子ども数が多くなる。中間層では子どもが減る。

  中盤以降はなぜかという話である。まず原因とされるのが女性のハイパーガミー志向である。女性は、社会的地位が相対的に低い男性とは結婚したがらない。この傾向は生得的なものである。そうすると、女性就労を支援して女性の地位が上昇するほど結婚数は減る。特に、地位の高い女性と所得の低い男性は結婚からあぶれやすい。女性の地位向上と少子化対策は矛盾するのだ、と。(少子化対策と格差縮小政策の二つは女性の就労を阻害する、とも)。

  さらには戦前の社会学者・高田保馬を引き合いに長期的な人口動態が語られる。金持ちまたは貧乏人以外の、社会においてその地位が安泰でない中間層は、現状の地位を維持する・または向上させるための投資を行わなければならず、その分どうしても子ども数は減るのである、と。現在行っている政策は短期的にわずかながら出生率を上昇させるかもしれない。だが、夫婦の生活期待水準を引き上げてしまうのでその効果はすぐに薄れるだろうというのが著者の見立てである。子ども数は政策感応的ではないのだから、そうした対策に政府が出資しても無駄金だよ、というのが最終的な結論となっている。

  というわけで少子化傾向に歯止めをかけることは絶望的であるという。確かに、今さら女性の就労を妨げるようなことはできない。しかしながら、格差を拡大させて、貧乏子だくさん家庭と金持ち子だくさん家庭をつくるという方向は絶対にタブーなのだろうか。中間層破壊的だが社会的にマイルドであるという政策はありえないかな?
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ベネツィア製ボサ。優れた女性ボーカルによる良曲多し

2017-02-13 21:15:47 | 音盤ノート
Batuk ‎"Cruzeiro Do Sul" Cool d:vision, 2006.

  イタリア産クラブ系ボサ。BatukはCristiano Verardoというイタリア人ギタリストによるソロプロジェクト。ネットで調べた限りでは、1980年代から90年代にかけてPitura Freskaなるベネツィアのレゲエバンドで活躍していた人のようだ。BatukはPitura Freskaの解散後のプロジェクトのようだが、本作以外アルバムもシングルも出ていない。一回こっきりの企画なんだろう。同じレーベルのDonatiなんかと比べると、ジャズ感は薄めで、ほどよくエレクトロニクスがまぶされたニューボサとなっている。

  楽器隊はギターと打楽器が中心だが、曲によってはピアノ、管楽器、ストリングス、打ち込み等が入る。ボーカルはRosa Emilia Dias。1980年代から活動しているイタリア居住のブラジル人歌手のようだが、あまり著名ではないだろう。このひとの声がなかなか落ち着いていて心地よい。アルト声でかつ清涼、繊細で柔和、気品があってエレガント。甘さに流れずまた情緒過多を避けつつの歌唱であるが、サウダージ感がかすかに漂う。実に素晴らしい。個人的にツボである。Paula Morelenbaumに近いかな。インスト曲も数曲収録されているが、不要だったと思う。Rosa Emilia Diasの歌唱曲だけ、もっと言えば彼女のソロ作品として発表されても良かったぐらい。後ろの楽器隊は賑やかで音数が多く、ボーカルに比べると落ち着いた印象はないのだが、暑苦しくはならずギリギリ爽やかさを保っている。

  全然知られていない作品だが、これは佳曲の揃った傑作だと思う。もし仮に日本盤を出すとしても、ボサノバ愛好家の多い日本人には受けるのではないか。とはいえイタリア産というのは、やはりプロモーションする上でのネックになるのだろうか(偽物っぽい?クラブ系嫌いの人もいるし)。しかし楽曲のクオリティは高く、タイトル曲や最後の'Bem Te Vi'などこのまま埋もれさせてしまうにはもったいない名曲である。

  
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統計学べからず集。解説ナシだが訳者注が熱い

2017-02-10 22:52:41 | 読書ノート
アレックス・ラインハート『ダメな統計学:悲惨なほど完全なる手引書』西原史暁訳, 勁草書房, 2017.

  統計学。「べからず集」であるので、読むには初歩的な統計学の知識が要求される。入門段階から一歩踏み出して実際に使ってみようという人から、すでに統計を使ってビジネスや研究に勤しんでいる人が、おそらく読者となるだろう。そういう人たちにとって本書は繰り返し読む価値がある。しかし、統計学への入門は別途必要である。

  有意性の解釈やデータの使いまわしなど、分析者が陥りやすい罠について説明し、罠回避のために有意性よりも信頼区間を重視することなどをアドバイスしている。楽しんで読む内容ではないが、それでも読みやすくなるように配慮がなされている。とりわけ説明に用いる事例の選択がなかなか興味深い。「美しい両親は娘を持ちやすい」(サトシ・カナザワ‼)「兄のいる男性はそうでない男性よりゲイとなる確率が高い」など、「どこかでそういう話を聞いたことがある」という話をネタにして、統計的にはどの点で怪しいのかを解説してくれる。著者による本文自体は少々言い回しが韜晦だという印象だが、訳者注がかなり突っ込んだ親切な説明になっていて、そうしたマイナスを埋め合わせている。

  個人的には本書で挙げられた統計研究の失敗を笑うことはできなかった。むしろ、それらは生半可な知識しかない自分でも犯しそうな過ちの数々に思えて、襟を正すような感覚だった。実はつい最近、少々調査コストがかかったにも関わらず、何の相関も見せないデータセットの処遇を考えていた。本書を手にしなければ、危うくこのデータセットをサンドバックにように叩いて秘密の関係を吐かせようとするところだった。紀要でいいから大人しく無相関の報告を出す、という気にさせてくれる。
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倫理感からくる躊躇を回避すべく情動を制御された兵士の物語

2017-02-08 11:42:27 | 映像ノート
映画『虐殺器官』村瀬修功監督, 東宝, 2017.

  アニメ。SFアクション。ただし暴力シーン満載のためR15+指定となっている。原作は伊藤計劃による2007年の同タイトルのSF小説。映画は場面によって少々設定の変更があるものの、基本的なストーリーは原作を踏襲している。伊藤計劃作品としては『ハーモニー』『屍者の帝国』もアニメ映画化されているが、いずれも僕は観ていない。

  アニメ映画にはあまりくわしくないのだが、凝った作画に思弁的な会話が続くという点で、押井守系統の演出であると感じた。ただし会話の中身はかなり重要で、これが理解できないと登場人物の行動がよくわからなくなる可能性もある。「かつて先進国ではテロが盛んだったが今はなくなった──一方で後進国ではジェノサイドが頻発している」という設定を頭に入れておくのは最低限。原作を読んでから見に行ったほうがいいと思う。そうすると、主人公の歩みとともに謎解きをする醍醐味が失われてしまうというデメリットもあるのだが。

  原作では、主人公の夢に母親を登場させることで、主人公に内面や人間性があることを示唆していた。映画ではこうした部分はカットされていて、医療技術の力によって情動を抑えられた主人公は、戦闘局面を冷静に分析しながら、たとえ兵士が子どもであっても躊躇なく殺すことができるという、完全な殺人マシーンであるかのように描かれている。だが、主人公の人間性を示す描写は、映画でも採り入れたほうが良かったように思える。最終的にヒロインに寄せる感情のため主人公の行動が任務から逸脱してしまう。この感情を説明する伏線となる情報が無かったからである。まあ微妙なところではあり、無くても違和感はないと言われればそうかもしれない。

  原作は超のつく傑作だが、映画はそこまでいかず「出来のよい作品」の部類だろう。謎解きのストーリーもよくできているし、ドンパチを眺めているだけでも盛り上がる。しかしながら、作品全体のメッセージは重くて暗澹たる気にさせるもので、スッキリ気持ちのよい映画というわけではない。家族向けでもカップル向けでもないので、個人的には久々に一人で映画を観ることになった。こういう経験は久々だったな。
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イタリア産ボサながらボサ感が後退して優雅なジャズボーカル作品に

2017-02-06 21:12:08 | 音盤ノート
Donati "Mundo Simples" Cool d:vision, 2008.

  イタリア産ジャズ&ボサ。Donatiの三作目。ジョアン・ジルベルトの演奏で知られる'Eu quero um samba'や、オリジナル曲ながらジョビンへ捧げた'Antonio Carlos'が収録されているものの、他の収録曲においてはもはやボサ要素がほとんど失われている。アコギが出てきてもバチータではなくコードストロークであり、裏打ちリムショット風の打楽器使いもほんの少々。ボーカル・ジャズのアルバムと言ってよいだろう。

  バックの演奏にも少々変化がある。前作前々作では隙間多めの音使いだったが、今作では曲によってはわずかながら厚みが増して流麗になっている。エレクトリックギターが派手に乱入してくる曲があるのも今作の特徴。また、相変わらず男性ボーカルの比重が高いのに加えて、4曲歌うゲスト女性ボーカルの声が非常に太くて低いのが耳をひく。シモーネ系の特徴的なアルト声である。

  全体として、優雅かつなめらかでシルクのような手触りであり、牧歌的な雰囲気もあるものの、清涼感はない。それでも各曲のクオリティは高いので最後まで聴かせる。けれども、聴く方としてはもう少しボサノバ曲をやってほしかったな。ジャズ作品としてはあまりオリジナリティを感じない。Donati名義での初志を貫徹をしてもらったほうが喜ばしかった。これが最終作のようだが、売れなくてレーベルから契約を切られたのだろうか。
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