David Darling "Cycles" ECM, 1982.
ジャズ。デビュー作は本人のチェロ演奏の多重録音だったが、この二作目では他の演奏者を加えての録音となっている。Steve Kuhn (piano)とCollin Walcott (Sitar, Tabla, Percussion)は出ずっぱりで、ほとんどの曲でArild Andersen (bass)が加わり、曲によってJan Garbarek (sax)またはOscar Castro-Neves (guitar)が登場する。今からみると豪華なメンバーである。
オリジナルを7曲収録。各曲は、物憂げで叙情的な旋律をチェロ、ピアノ、シタール、サックスで回してゆくという構成となっている。ダーリング本人のチェロは後ろに回ったり前に出てきたりと忙しく、全体としてふくよかな響きを聴かせている。ウォルコットのおかげで少々サイケデリック感もある。キューンのピアノは繊細でガラス細工のよう。ガルバレクのサックスが入るととたんに重い緊張感が走る。この中でカストロ=ネヴィスは何をやっているのかわからない。
演奏は素晴らしい。あとはこの暗く悲しい雰囲気に浸れるかどうかである。情熱を見せる瞬間もまったくなくて、黄昏時に崩れ落ちてゆくような音楽である。が、とても美しい。心身ともにしっかりと退廃的な気分にさせてくれる作品である。
ジャズ。デビュー作は本人のチェロ演奏の多重録音だったが、この二作目では他の演奏者を加えての録音となっている。Steve Kuhn (piano)とCollin Walcott (Sitar, Tabla, Percussion)は出ずっぱりで、ほとんどの曲でArild Andersen (bass)が加わり、曲によってJan Garbarek (sax)またはOscar Castro-Neves (guitar)が登場する。今からみると豪華なメンバーである。
オリジナルを7曲収録。各曲は、物憂げで叙情的な旋律をチェロ、ピアノ、シタール、サックスで回してゆくという構成となっている。ダーリング本人のチェロは後ろに回ったり前に出てきたりと忙しく、全体としてふくよかな響きを聴かせている。ウォルコットのおかげで少々サイケデリック感もある。キューンのピアノは繊細でガラス細工のよう。ガルバレクのサックスが入るととたんに重い緊張感が走る。この中でカストロ=ネヴィスは何をやっているのかわからない。
演奏は素晴らしい。あとはこの暗く悲しい雰囲気に浸れるかどうかである。情熱を見せる瞬間もまったくなくて、黄昏時に崩れ落ちてゆくような音楽である。が、とても美しい。心身ともにしっかりと退廃的な気分にさせてくれる作品である。