29Lib 分館

図書館・情報学関連の雑記、読書ノート、音楽ノート、日常生活の愚痴など。

チェロとピアノとシタールによる暗黒音楽

2018-01-31 08:41:36 | 音盤ノート
David Darling "Cycles" ECM, 1982.

  ジャズ。デビュー作は本人のチェロ演奏の多重録音だったが、この二作目では他の演奏者を加えての録音となっている。Steve Kuhn (piano)とCollin Walcott (Sitar, Tabla, Percussion)は出ずっぱりで、ほとんどの曲でArild Andersen (bass)が加わり、曲によってJan Garbarek (sax)またはOscar Castro-Neves (guitar)が登場する。今からみると豪華なメンバーである。

  オリジナルを7曲収録。各曲は、物憂げで叙情的な旋律をチェロ、ピアノ、シタール、サックスで回してゆくという構成となっている。ダーリング本人のチェロは後ろに回ったり前に出てきたりと忙しく、全体としてふくよかな響きを聴かせている。ウォルコットのおかげで少々サイケデリック感もある。キューンのピアノは繊細でガラス細工のよう。ガルバレクのサックスが入るととたんに重い緊張感が走る。この中でカストロ=ネヴィスは何をやっているのかわからない。

  演奏は素晴らしい。あとはこの暗く悲しい雰囲気に浸れるかどうかである。情熱を見せる瞬間もまったくなくて、黄昏時に崩れ落ちてゆくような音楽である。が、とても美しい。心身ともにしっかりと退廃的な気分にさせてくれる作品である。
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ガンダムスタンプラリー参戦記その弐

2018-01-28 10:38:50 | チラシの裏
  その壱の続き。関東で大雪が降った日の翌日、都内で会合があったついでに残り8駅分のスタンプを集めてきた。下に掲げた写真は、秋葉原のゴール会場で押される「全駅制覇」のスタンプと、山手線仕様のガンプラの箱である。

  各駅のスタンプ台の写真も撮ってきたので──といっても62駅分の写真のみで3駅分取りこぼしがある──、それらをモバイルに入れて、翌日以降、最初のガンダムに造詣の深い知人に見せてまわっている。みんなおっさんである。ようは自慢して回ったのだ。これからスタンプラリーを始める気になった人、すでに始めていたのにさっさと終えた僕を見て戦意を喪失した人、対抗して別のレアなガンプラの写真を見せてくる人、反応はさまざまであった。

  山手線仕様のガンプラはファーストグレードのもので、パッケージ通りのものを作ろうとするならば彩色しなければならない(もしや接着剤もいるのか?)。ラッカーカラー、溶剤、筆など塗装用具を揃えるのはけっこう手間だ。そんなのは僕が小学生のとき以来だな。シンナーの匂いが懐かしい。組み立てないでこのまま保存しておくという選択肢もあるが、わが娘は作る気まんまんだ。

  ちなみに我が家ではハイグレード版のガンプラならば初代ガンダムに登場したモビルスーツ全体が揃っている。娘が幼い頃に僕と一緒に作って、小学校高学年になると娘が一人で作った。ハイグレード版ほか最近のガンプラは彩色不要・接着不要であり、組み立てるだけでパッケージ通りのものができあがる。可動部分もしっかりしている。非常にクオリティが高いものができるので、プラモデル初心者におすすめである。

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進化心理学による消費行動の解釈

2018-01-24 22:05:38 | 読書ノート
ジェフリー・ミラー『消費資本主義!:見せびらかしの進化心理学』片岡宏仁訳, 勁草書房, 2017.

  進化心理学の知見をベースとした消費社会論。著者には『恋人選びの心』(岩波書店, 2002)という、「性淘汰」概念をきっちりわからせてくれる名著があるのだが、版権を持っている岩波は文庫化もせず再刊もせずで入手し難いみたいだ。『消費資本主義!』はその次の著作で、原著のSpent (Viking)は2009年に発行されている。邦訳は昨年末だから、ずいぶん時間がかかったなあという印象である。

  著者によれば、19世紀末から消費社会論は存在しているけれども、それらは消費することの究極的な動機に触れることができていないという。消費が差異化・見せびらかしのために行われることはわかった。そうだとして、見せびらかしがどういう意味を持つのか?著者はいう。それは繁殖のため、優良な遺伝子を持っていることを見せるため、もっと言えば優良な遺伝子を(有していなくとも)有しているかのように見せかけるためである、と。こう書くと単純化しすぎな気もするもが、基本的な主張はそういうことだ。ちなみに、著者は消費を、自己の快楽を得るための消費と見せびらかしのための消費の二つに分け、後者のみを論じている。

  ならば優良な遺伝子とは何か。消費によってディスプレイしようと試みられているのは、性格や知能だという。もっと言えば一般知能gとビッグファイブ(参考)である。一般知能は高いほうがいい。だが、ビッグファイブの各特性が高いほうがいいのか低いほうがいいのかは、配偶相手との相性および配偶戦略次第であるという。例えば長期のパートナーを得たいのならば堅実性が高いほうがよく、短期のパートナーを求めるならば開放性が高いほうがよいというような。とにかく、消費は慎ましさや善良さも表現できるのだ。自己が有する性格特性を無意識的にディスプレイするものとして消費があり、見る側も消費の仕方を評価しているのだ、と。

  ただし、消費は過大評価されすぎているとも著者はいう。マーケティングのせいで消費による自己演出はうまく機能すると多くの人は思い込まされている。だが、あなたのパートナー候補は実のところあなたの消費が示す微細な差異をきちんと解釈できないかもしれない。また、現代の平等主義は、本来ならば共同体によって多様なはずのディスプレイ競争を消費のみに押し込める効果があり、結果として無駄が多くなるという。その解決策も提示されているが、本気とも冗談ともつかないレベルのかなりの無茶な提案である。

  以上。かなり性格の悪い書きっぷりであり、自分のことを棚に上げてしまえば面白く読める。こういう本を手にするのも「ちょっと頭のいい私」を異性に見せるためのディスプレイだというのだ。しかし、世間に騙されて読書を過大評価しているだけであって、そんなことしたって全然モテたりしないよ、とも指摘されるわけだ。いやな本。衒学的ではないので、ボードリヤールを読むよりはためになるだろう。うーん、でもまあやはり話を単純化しすぎという気がしないでもない。
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ガンダムスタンプラリー参戦記その壱

2018-01-21 22:36:07 | チラシの裏
  今年1月9日からJR東日本の「機動戦士ガンダムスタンプラリー」という企画が始まっている1)。「65駅多すぎ。全駅制覇なんか無理」と思っていた。だが、都内に通勤する妻がスタンプを数個集めてきて、僕がたまたま所用で新宿に行ったときに7つ目のスタンプを押すことができた。そこで手に入った景品のシャアの名ゼリフカードを眺めていたら、ふつふつと他の5枚も見てみたくなってしまい、あちこち行ってみることにした。

  昨日土曜日は午前中の講義を終えたのち、常磐線方面に出かけた。取手に降りるのは人生初で、おそらく今後も無いだろう。取手ではララァのカードが手に入った。以降、我孫子、柏、松戸他と南下してゆき、三河島で品川行きに乗れたのでそのまま品川に行って、大井町、大森、蒲田と回り、歩いて京急蒲田駅に行って羽田空港行きに乗り、モノレールに乗って浜松町まで帰ってきた。その後、上野に行って東北線で尾久で降り、赤羽でランバ・ラルのカードを入手して帰宅した。

  本日日曜日は娘を連れて朝から夕まで都内を移動した。王子でセイラのカードを入手し、午前中は田端から東京まで山手線を回った。そして総武線快速の新日本橋に行ってまた東京に戻ってきたあと、午後はお茶の水から西荻窪まで総武線沿線の駅を制覇してブライト・ノアのカードを手に入れた。どのセリフが使われているかどうかはお楽しみということなので、6枚のカードの「裏側」を並べた写真を下に掲載しておく(開封しておりません)。なお、この日まででスタンプが57たまった。残りのスタンプ駅は少ないので、今週中の制覇を目論んでいる。

  しかし、スタンプ用のキャラやメカの選定がなぜこうなのか謎は残る。主要人物とモビルスーツは押さえている。だが、端役とモビルアーマー他メカの選定が実に微妙。アカハナとかタムラとかアッザムとかミデアとかじゃないだろう。人物ならクラウレ・ハモン、ティアンム提督、シャリア・ブル、ミハルあたり、サラミス、マゼラン、ザンジバル、グワジンなどの戦艦も欲しいところだった(なぜかムサイだけある)。楽しませてもらっているのでまあいいけれども。



1) JR東日本 / 機動戦士ガンダムスタンプラリー http://www.jreast.co.jp/gr2018/
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移民とは富の再分配政策であり勝者と敗者を作る

2018-01-17 09:52:40 | 読書ノート
ジョージ・ボージャス 『移民の政治経済学』岩本正明訳, 白水社, 2018

  移民の経済効果およびそれをめぐる言説について考察する一般向け書籍。著者はキューバ生まれの移民で、キューバ危機の直前にフロリダに移住してきたという経済学者である。その経歴から移民積極派かと見紛うが、移民受入れに対して慎重な議論を展開しているのが特徴。原書はWe wanted workers : Unraveling the immigration narrative (Norton, 2016)である。

  移民についての正統派言説というものがあって、それは「移民は受入国に経済成長をもたらす」「移民受入による財政悪化もあるがそれは一時的であり最終的にはプラスになる」「移民は長期的には受入国に同化する」などなどによって構成される。しかしその根拠は薄弱で、移民受け入れを促す方向性をもつ言説が単に「ポリティカリーコレクト」だとされているだけだ、というのが著者の考えである。

  正統派移民言説の元となった論文の試算をやり直し、著者の知見を加えてゆくことで次のことを主張している。移民の経済効果は不明で、前提条件次第でプラスにもマイナスにもなりうる。福祉支出にとっては確実にマイナス。経済的にプラスもあるが、その利益は移民を雇用する側が手にするだけで、代替される国内労働者にとっては移民はマイナスである。国内に同一国出身者の移民コミュニティがあれば(例えばメキシコ)、その国の移民の同化は遅れる。などなど。

  すなわち、移民受入には社会的なコストがかかり、また不利益を被る社会層もあれば利益を得る層もいる、ということだ。利益を得るのはたいていは資本家で、不利益を被るのは「移民と同等のスキルしかもたない労働者層」だ。それ以上のことは不明であって、「長期的には~」という予想などまったくあてにならない。多文化主義は同化を遅らせるだけでそのメリットは怪しいとも。

  どうだろう、面白かったけれどもすごい衝撃的という印象はない。それは、一般の人は直観的にそうだと思っていたが、インテリ層はそうではないと考えてきたことだからだろう。移民言説にもポリコレによる歪みがあるとはなんとなく感じていたことだが、客観的に見える経済の試算にも侵入しているというのが驚くべきところなのかもしれない。
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イタリアとブラジル共同制作による女声ボサの良作

2018-01-11 22:28:12 | 音盤ノート
Rosa Emilia "Baiana da Guanabara" Lua Discos, 2004.

  ボサノバ/MPB。謎多きイタリア産ボサ・ユニット"Batuk"のボーカリストの日本盤CDが出ているというので聴いてみた。クラブ寄りだったBatukと比べるとずっとバンド的な演奏で、少々エレクトロニクスが入る程度。Rip Curl発行の日本盤オビには「ワイルドなジョイス」とある。確かに声質はジョイスに似ているが、ワイルドというのは外している。リズミカルな曲でもじっくりと歌いあげる曲でも、落ち着きとエレガントさを感じさせる。

  収録曲はいずれもNelson Angeloが絡んだもの。ジョイスの最初の夫(後に離婚)で、彼はホーザ・エミリアの前夫の詩人Cacasoとよく共作していたという。中原仁による日本盤ライナーノーツ情報に従うと、夫のプロデュースでデビュー作を1987年に発表するも同年に夫が亡くなってしまう。その後、ホーザはCristiano Verardoなるイタリア人音楽家と結婚して、ブラジルからイタリアに移住。本作はイタリア移住後の二作目で、リオとヴェネチアで録音されているという。

  というわけで今更ながらBatukが夫婦プロジェクトだったことがわかった。この作品も本人とCristiano Verardoの共同プロデュースである。それにしても80年代から活動しているのにアルバム録音が7枚程度と寡作なのがもったいないなあ。もうちょっと働いて多くの作品を残してほしい。
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大国および国際機関による紛争への介入は禍根を残す、と

2018-01-09 11:38:53 | 読書ノート
エドワード・ルトワック『エドワード・ルトワックの戦略論:戦争と平和の論理』武田康裕,‎ 塚本勝也訳, 毎日新聞出版, 2014.

  軍事、安全保障。著者は軍事コンサルタントで、すでに新書二冊を採りあげたことがある(参考)。これは彼の主著で、オリジナルはStrategy: The logic of war and peace (Belknap Press of Harvard University Press, 1987)で、2001年の改訂版がこの邦訳の元となっている。

  一応、技術、戦術、作戦、戦域、大戦略とレベルを分けてはいるものの、体型的な記述とはなっておらず難解である。こちらに軍事知識がないためにわからなくなる箇所もある(例えば「ミサイル歩兵」と書かれても装備のイメージが湧かない)。内容は、ある極限点を超えると勝者が敗者となり敗者が勝者となるという「逆説的論理」の事例をこれでもかと挙げていくものだ。ある国による攻撃・防衛あるいは軍事的イノベーションは、必然的に敵国に反応を引き起こしてしまうため、事前に期待した通りの結果とはならないというのがその主旨である。

  事例は主に第二次世界大戦と中東戦争から集められており、朝鮮戦争、湾岸戦争、ユーゴ内戦、冷戦などにも言及がある。第二次大戦における英国によるドイツ都市への空爆作戦や、ドイツの電撃的なソビエト侵攻、1973年のイスラエル対エジプトの戦争などは、著者のいう逆説的論理が作動する様子がわかりやすく捉えられている(湾岸戦争のように圧倒的戦力差がある場合はその論理が働かないこともある)。著者のチャーチル、スターリン、ロンメルの評価も面白い。一般的な法則を得ることを期待しなければ、事例集として興味深いだろう。

  太平洋戦争における日本についても言及があるが、それは真珠湾攻撃が大失敗していればよりマシな条件で敗北できた、というもの。日本側に、カリフォルニアを目指して進軍し、ワシントンを制圧する計画が無かった以上、そもそも勝ち目は無かった、と。そんなことわかってる。というわけで日本についての話はあまり新しい知見はない。
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タイトルの割には穏健。そこそこの成果を目指す普通の人向け

2018-01-06 10:05:47 | 読書ノート
エリック・バーカー『残酷すぎる成功法則:9割まちがえる「その常識」を科学する』橘玲監修, 竹中てる実訳, 飛鳥新社, 2017.

  自己啓発書。米国人ライターのブログのまとめ本で、そのアドレスはbakadesuyo.com。著者が日本語を習っているときの自己紹介のセリフ「バーカーですよ」をもじったものらしい。原書はBarking up the wrong tree: The surprising science behind why everything you know about success is (mostly) wrong (HarperOne, 2017)である。

  採りあげられているトピックは、「学校の成績が良いと成功しやすいか」「良い人はカモられるだけなのか」「努力したほうがいいのか見切りが早いほうがいいか」「人脈は多いほうがいいのか」「自信をもつことにデメリットはないか」「仕事と家庭をどうバランスさせたらよいか」など。通常の自己啓発書とは違って──といっても個人的にはほとんど読んだ経験はないのだが──科学的検証を得た証拠を挙げて論を進めている点が特徴であるとのこと。しかし、けっこう脱線話にも頁が割かれていて、それがトピックと微妙にズレていたりする。しかし、それでも脱線話が面白いので許せたりもする。

  家庭や友人を省みずにがむしゃらに働いて成功せよというアドバイスではない。とはいえ、けっこう難しい生き方を要求しているのも確かだ。外交的なタイプよりは内向的なタイプのほうが成功しやすいらしい。他人に振り回されずに、孤独に努力を積み重ねることができるからだ。彼らは努力によって成功に必要なスキルを磨くことができる。しかしながら、冷たい独りよがりな人間であってもだめで、他人に親切を施して良好なネットワークを保て、ともアドバイスされる。例示される成功者は全然暖かい人格者ではなかったりするので説得力は微妙なのだが、著者としては人名事典級の成功者ではなく、もっとささやかなレベルの成功を勧めているつもりなのだろう。

  邦題にあるような残酷な知見は特に無かった。ポジティブ・シンキングの弊害なんかここ十年ぐらい言われてきたことであり、主張の本質的な部分は特に目新しくないだろう。エビデンスやエピソードを楽しめるかどうかだな。
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景気がよいときに採用された社員は質が低いのか

2018-01-03 19:16:23 | 読書ノート
大湾秀雄『日本の人事を科学する:因果推論に基づくデータ活用』日本経済新聞出版, 2017.

  人事についての計量経済学。昇進や配属、採用の成否を実証的に把握し、実際の人事に活かそうと説く内容。トピックとして男女の賃金格差、労働時間、採用方法、離職対策、管理職の評価、高齢者雇用が扱われている。「制度的に男女平等となっても、与えられる仕事の難易度や上司とのコミュニケーション機会を経路として男女の昇進機会に差がつく」とか「上司の性格と部下の性格がうまく合うかどうかによって人事評価が変わる」などなど。意外な知見というよりは、これまでたぶんそうだろうと考えられてきたことが、データを使って確かめられているという印象である。

  ソフトカバーかつマンガ風のイラストもあったりして敷居は低そうに見える。とはいえ一般向けというにはけっこう難しい。回帰分析といっても単純な線形回帰だけでなく、プロビットモデルや分位点回帰やらヘックマンの2段階推定やら高度な手法が使用されており、そのあたりの説明がコラム扱いされている。コラムを無視して読むこともできるのだが、ある程度手法を理解していないと本文での議論が上手くいっているのかどうか判断できないだろう。あとがきに「20社の企業の人事担当者に著者が統計を教えてみたが、最後まで残ったのは6社だった」という話が出てくるが、さもありなんである。

  そういうわけで僕の頭では理解できないところもあった。共変量をきちんと統制して人事制度を分析しようとするのはとても難しいということだろう。けれども、細かいことは脇に置いて読んでも興味深い知見は得られる。また、実際の人事に応用できるかどうかはわからないが、回帰分析の応用事例集として読める。ので役には立つ。
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