Terry Riley "Poppy Nogood and the Phantom Band: All Night Flight" Cortical, rec.1968
ミニマル・ミュージック初期の代表曲として知られる"In C"の作曲者、Terry Rileyの1968年のライブ録音。収録曲"Poppy Nogood and the Phantom Band"はCBS盤"Terry Riley / A Rainbow In Curved Air"のカップリング曲として収録されており、そちらの方が入手しやすい。ここで紹介するCortical盤は現時点で品切れである。だが、出来はこちらの方が数段良いので、中古盤を見つけてなんとか聴く機会を持つことをおすすめする。(2006年にElision Fieldsから再発されているようだ)。
同曲は、ソプラノサックスとオルガンの多重録音(当時は磁気テープ)で構成される。オルガンでドローンを作り、その上にサックスによる短いフレーズが現われては消えるという趣向。この録音はNew Yorkでの徹夜のライブ演奏を40分程度にまとめたもので、CBS盤以上にトリップ感があり、暗くかつ重たい。CBS盤はソプラノサックスの展開をスムーズに聞かせようとする編集になっているが、この録音はオルガンの重低音を強調し、サックス演奏はより混沌とした編集となっている。1960年代のアメリカで流行したドラッグ体験を音にしたらこんな感覚だろうと思わせる(僕はやったことありません、念のため)。
ちなみにorgan of CortiのRileyのシリーズは全部で5枚あるが、聴いて楽しめるはこれとNo.2だけ。他の3枚は習作・実験作というレベルである。名高いテープループを使った諸作品も、Reichの作品を聴いた後ではスピード感もなく野暮ったい印象だ。もちろん、オリジネイターとしての名誉は称えなければならないが。そうした出来不出来のあるシリーズの中で、この"Poppy Nogood"は飛びぬけて素晴らしいことは確かだ。
ミニマル・ミュージック初期の代表曲として知られる"In C"の作曲者、Terry Rileyの1968年のライブ録音。収録曲"Poppy Nogood and the Phantom Band"はCBS盤"Terry Riley / A Rainbow In Curved Air"のカップリング曲として収録されており、そちらの方が入手しやすい。ここで紹介するCortical盤は現時点で品切れである。だが、出来はこちらの方が数段良いので、中古盤を見つけてなんとか聴く機会を持つことをおすすめする。(2006年にElision Fieldsから再発されているようだ)。
同曲は、ソプラノサックスとオルガンの多重録音(当時は磁気テープ)で構成される。オルガンでドローンを作り、その上にサックスによる短いフレーズが現われては消えるという趣向。この録音はNew Yorkでの徹夜のライブ演奏を40分程度にまとめたもので、CBS盤以上にトリップ感があり、暗くかつ重たい。CBS盤はソプラノサックスの展開をスムーズに聞かせようとする編集になっているが、この録音はオルガンの重低音を強調し、サックス演奏はより混沌とした編集となっている。1960年代のアメリカで流行したドラッグ体験を音にしたらこんな感覚だろうと思わせる(僕はやったことありません、念のため)。
ちなみにorgan of CortiのRileyのシリーズは全部で5枚あるが、聴いて楽しめるはこれとNo.2だけ。他の3枚は習作・実験作というレベルである。名高いテープループを使った諸作品も、Reichの作品を聴いた後ではスピード感もなく野暮ったい印象だ。もちろん、オリジネイターとしての名誉は称えなければならないが。そうした出来不出来のあるシリーズの中で、この"Poppy Nogood"は飛びぬけて素晴らしいことは確かだ。