岩田規久男『景気ってなんだろう』ちくまプリマー新書, 筑摩書房, 2008.
2009年度のミス日本・宮田麻里乃さんが読んだ1)という経済学の入門書。なんでも、彼女は経済ジャーナリストを目指すのだそうで。
岩田規久男は、構造改革よりもデフレ対策(いわゆるリフレ政策)を優先すべしと、1990年代の不況期から訴えていた学者として知られる。僕も彼の新書を何冊か読んだことがあるが、その説得力は高い。
この本は、ちくま新書のシリーズとは異なり、ちくまプリマー新書という中高生向けのシリーズに属する。しかしながら、著者は全然手を抜いていない。わかり難いというのではない。概念をまず定義して、説明を展開するという著者の手堅い記述スタイルが、一般向けの教養新書のときと変わらずに貫かれている。慣れた人にとっては、これほど曖昧さの少ない、論理的な文章は無いと思われる。だが、不慣れな人には、生硬で論理一辺倒の記述に疲れを感じるかもしれない。学生にはこういう文章を平易だと感じられる頭を持ってほしいものだが…。
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1) 『J-CAST』 “17歳のミス日本 将来の夢は「経済ジャーナリスト」” 2009/1/29
http://www.j-cast.com/2009/01/29034502.html
2009年度のミス日本・宮田麻里乃さんが読んだ1)という経済学の入門書。なんでも、彼女は経済ジャーナリストを目指すのだそうで。
岩田規久男は、構造改革よりもデフレ対策(いわゆるリフレ政策)を優先すべしと、1990年代の不況期から訴えていた学者として知られる。僕も彼の新書を何冊か読んだことがあるが、その説得力は高い。
この本は、ちくま新書のシリーズとは異なり、ちくまプリマー新書という中高生向けのシリーズに属する。しかしながら、著者は全然手を抜いていない。わかり難いというのではない。概念をまず定義して、説明を展開するという著者の手堅い記述スタイルが、一般向けの教養新書のときと変わらずに貫かれている。慣れた人にとっては、これほど曖昧さの少ない、論理的な文章は無いと思われる。だが、不慣れな人には、生硬で論理一辺倒の記述に疲れを感じるかもしれない。学生にはこういう文章を平易だと感じられる頭を持ってほしいものだが…。
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1) 『J-CAST』 “17歳のミス日本 将来の夢は「経済ジャーナリスト」” 2009/1/29
http://www.j-cast.com/2009/01/29034502.html