Boards of Canada "Twoism" Music70, 1995.
Boards of Canada "Hi Scores" Skam, 1996.
エレクトロニカ。名称に「カナダ」とあるが、スコットランドの二人組ユニットで、キャリアは1980年代からとけっこう長い。世界的に(といってもニカファン限定だが)知られるようになったのは、Warpレーベルから1998年に発表されたアルバム"Music Has the Right to Children"からだろう。ここで紹介するのはその直前に発表されたEP二枚で、どちらも30分強の収録時間のもの。Daft Punkのようなヘルメット二人組ジャケットを持つ"Twoism"の方は2002年にWarpから再発されている。
アンビエント的な薄いシンセ音に、ヒップホップの影響を感じさせるゆったりとしたリズムトラックを重ねるというスタイルで、メロディライン重視の、基本リスニング用の電子音楽である。シンセ音は特に特筆するところのない、プリセットの音色──ストリングスオーケストラから、管楽器類またはエレピなど──を選択しているようなのだが、それをわざわざ曇った音にエフェクト処理したり、ピッチを不安定にしたりして、曲に暖かみや不穏さを加えているのが大きな特徴である。ゆるいリズムと、歪んで響く音色の取り合わせは、聞き手に古いレコードを聴いているようなノスタルジックな印象を抱かせる。
とりわけこの二枚のEPは、以前取り上げた"Geogaddi"(参考)ほど凝っておらず、アレンジが単純でメロディも親しみやすい。彼らのどの作品よりもわかりやすいものとなっている。ところで、アルバム"The Campfire Headphase"(Warp, 2005)とEP"Trans Canada Highway"(Warp, 2006)以降、7年間音沙汰なしだったが、来週久々に新アルバムが発表されるらしい。
Boards of Canada "Hi Scores" Skam, 1996.
エレクトロニカ。名称に「カナダ」とあるが、スコットランドの二人組ユニットで、キャリアは1980年代からとけっこう長い。世界的に(といってもニカファン限定だが)知られるようになったのは、Warpレーベルから1998年に発表されたアルバム"Music Has the Right to Children"からだろう。ここで紹介するのはその直前に発表されたEP二枚で、どちらも30分強の収録時間のもの。Daft Punkのようなヘルメット二人組ジャケットを持つ"Twoism"の方は2002年にWarpから再発されている。
アンビエント的な薄いシンセ音に、ヒップホップの影響を感じさせるゆったりとしたリズムトラックを重ねるというスタイルで、メロディライン重視の、基本リスニング用の電子音楽である。シンセ音は特に特筆するところのない、プリセットの音色──ストリングスオーケストラから、管楽器類またはエレピなど──を選択しているようなのだが、それをわざわざ曇った音にエフェクト処理したり、ピッチを不安定にしたりして、曲に暖かみや不穏さを加えているのが大きな特徴である。ゆるいリズムと、歪んで響く音色の取り合わせは、聞き手に古いレコードを聴いているようなノスタルジックな印象を抱かせる。
とりわけこの二枚のEPは、以前取り上げた"Geogaddi"(参考)ほど凝っておらず、アレンジが単純でメロディも親しみやすい。彼らのどの作品よりもわかりやすいものとなっている。ところで、アルバム"The Campfire Headphase"(Warp, 2005)とEP"Trans Canada Highway"(Warp, 2006)以降、7年間音沙汰なしだったが、来週久々に新アルバムが発表されるらしい。