服部哲弥『Amazonランキングの謎を解く:確率的な順位付けが教える売上の構造』DOJIN選書, 化学同人, 2011.
Amazonランキングの仕組みを数学を使って推定しようとする試みで、数学の知識が無いとかなり難しいだろう。僕もよく理解しているとは言えない状態のまま読了した。
しかし、結論だけをかいつまんでみても相当面白い。Amazonの順位付けの仕組みは単純で、「注文が入れば一位になる」というアルゴリズムだそうだ。そういうわけで、10万位ぐらいの本でも、注文した直後のランクはかなり上がる(更新は一時間に一回)。売れる本は同一時間帯に多くの注文が入るので高いランクを維持し、それほど売れない本は注文の頻度が低いのでランクをどんどん下げることになる。3万位ぐらいの本だと6時間に一冊、10万位だと36時間に一冊、30万位だと9日に一冊の頻度だと推計される(p.78)。
さらに、分布から次のようなことがわかるという。ロングテール・ビジネスは成り立っていない。ちまたで言われるように、Amazonは小売書店からすぐに消えてしまうような書籍を発掘してそれを売上につなげている、のではない。普通の書店と同じように売れ筋書籍がもたらす収益に多くを頼っており、ロングテール商品が売上に占める割合は大きくないという。
この結果には驚かされた。では、売れない商品は在庫として抱えないほうが全体の売上を高めるのだろうか? たぶん、そうではないだろう。ロングテール商品を在庫とすることは、客に「Amazonでは取扱いがある可能性が高い」と思わせることができるので、ある程度集客効果を発揮すると考えられる。ただ、それらの直接の売上に多く期待を期待してはいけない、ということなのだろう。
Amazonランキングの仕組みを数学を使って推定しようとする試みで、数学の知識が無いとかなり難しいだろう。僕もよく理解しているとは言えない状態のまま読了した。
しかし、結論だけをかいつまんでみても相当面白い。Amazonの順位付けの仕組みは単純で、「注文が入れば一位になる」というアルゴリズムだそうだ。そういうわけで、10万位ぐらいの本でも、注文した直後のランクはかなり上がる(更新は一時間に一回)。売れる本は同一時間帯に多くの注文が入るので高いランクを維持し、それほど売れない本は注文の頻度が低いのでランクをどんどん下げることになる。3万位ぐらいの本だと6時間に一冊、10万位だと36時間に一冊、30万位だと9日に一冊の頻度だと推計される(p.78)。
さらに、分布から次のようなことがわかるという。ロングテール・ビジネスは成り立っていない。ちまたで言われるように、Amazonは小売書店からすぐに消えてしまうような書籍を発掘してそれを売上につなげている、のではない。普通の書店と同じように売れ筋書籍がもたらす収益に多くを頼っており、ロングテール商品が売上に占める割合は大きくないという。
この結果には驚かされた。では、売れない商品は在庫として抱えないほうが全体の売上を高めるのだろうか? たぶん、そうではないだろう。ロングテール商品を在庫とすることは、客に「Amazonでは取扱いがある可能性が高い」と思わせることができるので、ある程度集客効果を発揮すると考えられる。ただ、それらの直接の売上に多く期待を期待してはいけない、ということなのだろう。