A.H.ストゥデムント『計量経済学の使い方:実践的ガイド』高橋青天訳, ミネルヴァ書房, 2017.
計量経済学の教科書。計量経済学に特に興味があるわけではないのだが、回帰分析の論理と手法をきちんと理解しようとして手に取った。邦訳はUsing econometrics : A practical guideの第6版(Peason Education, 2011.)からだが、同書はすでに第7版(2016.)まで発行されている。邦訳は上下二分冊で大部だが、読んでかつ練習問題を解いてゆくことにで理解が進むようにできている。僕のように読んでいるだけでは中途半端みたいだ。なお、分析結果の事例として統計ソフトのEviewsかStataの結果を記載している。回帰分析の結果を見慣れていればそれほど解釈に困ることはないと思う。
学部生向けの教科書とはいえ、数式がけっこう出てくるので「数学の知識なしでも大丈夫」というわけにはいかない。それなりハードルを超える必要がある。とはいえ説明は懇切丁寧なので独学ができる(僕にとってちんぷんかんぷんだったアングリスト他『「ほとんど無害」な計量経済学』に比べての話)。大昔に回帰分析を学んだ人にもためになるのではないだろうか。例えば、少し前の教科書ならば多重共線性を避けるよう強調されていたように思う。しかし、本書は多重共線性のある変数でも特に調整せずに分析に投入しちゃえと勧める。つい最近、多重共線性のある変数の扱いに苦慮したばかりなので、読んでいて驚いたところだ。なお、内容は最小二乗法を使った線形回帰のみで、最尤法を用いるような分析手法はカバーしていない。
あと、ネットで見かけるミネルヴァ書房側の売り文句はかなり気になった1)。曰く「学部生のためにつくられ、数式を最小限におさえた驚異的な使いやすさで計量経済学分野全米2位の売上を誇る、定番テキスト」。全米2位って…。2位が駄目というわけではない。しかし、1位はいったい何なのか、それは邦訳されているのか、とても知りたい。
1) ミネルヴァ書房 / 計量経済学の使い方 上[基礎編]
http://www.minervashobo.co.jp/book/b281349.html
計量経済学の教科書。計量経済学に特に興味があるわけではないのだが、回帰分析の論理と手法をきちんと理解しようとして手に取った。邦訳はUsing econometrics : A practical guideの第6版(Peason Education, 2011.)からだが、同書はすでに第7版(2016.)まで発行されている。邦訳は上下二分冊で大部だが、読んでかつ練習問題を解いてゆくことにで理解が進むようにできている。僕のように読んでいるだけでは中途半端みたいだ。なお、分析結果の事例として統計ソフトのEviewsかStataの結果を記載している。回帰分析の結果を見慣れていればそれほど解釈に困ることはないと思う。
学部生向けの教科書とはいえ、数式がけっこう出てくるので「数学の知識なしでも大丈夫」というわけにはいかない。それなりハードルを超える必要がある。とはいえ説明は懇切丁寧なので独学ができる(僕にとってちんぷんかんぷんだったアングリスト他『「ほとんど無害」な計量経済学』に比べての話)。大昔に回帰分析を学んだ人にもためになるのではないだろうか。例えば、少し前の教科書ならば多重共線性を避けるよう強調されていたように思う。しかし、本書は多重共線性のある変数でも特に調整せずに分析に投入しちゃえと勧める。つい最近、多重共線性のある変数の扱いに苦慮したばかりなので、読んでいて驚いたところだ。なお、内容は最小二乗法を使った線形回帰のみで、最尤法を用いるような分析手法はカバーしていない。
あと、ネットで見かけるミネルヴァ書房側の売り文句はかなり気になった1)。曰く「学部生のためにつくられ、数式を最小限におさえた驚異的な使いやすさで計量経済学分野全米2位の売上を誇る、定番テキスト」。全米2位って…。2位が駄目というわけではない。しかし、1位はいったい何なのか、それは邦訳されているのか、とても知りたい。
1) ミネルヴァ書房 / 計量経済学の使い方 上[基礎編]
http://www.minervashobo.co.jp/book/b281349.html