R.A.ダール『現代政治分析』岩波現代文庫, 高畠通敏訳, 岩波書店, 2012.
オビによれば「教科書の定番」とのこと。ロバート・ダールは米国の政治学者で、昨年亡くなっている。本書Modern Political Analysisは1963年初版で、2003年に第6版が発行されている。この文庫版は第5版が元になっている邦訳である。
前半100ページほどは、政治学の領域を確定するための概念定義──特に影響力概念について──に費やされている。残りで、政治システムやポリアーキー、正義概念について論じられる。前半は政治学プロパーには重要なことなのかもしれないが、初学者には瑣末に見える。むしろ、後半のトピックをもう少し詳しく記述してほしい。というわけで、個人的には、初学者に政治学分野の魅力を伝えるにはバランスの悪い構成のように思えた。
まあダールの思想に関心があるというならば意義があるのかもしれない。でも『デモクラシーとは何か』(参考)のほうが面白いと思う。
オビによれば「教科書の定番」とのこと。ロバート・ダールは米国の政治学者で、昨年亡くなっている。本書Modern Political Analysisは1963年初版で、2003年に第6版が発行されている。この文庫版は第5版が元になっている邦訳である。
前半100ページほどは、政治学の領域を確定するための概念定義──特に影響力概念について──に費やされている。残りで、政治システムやポリアーキー、正義概念について論じられる。前半は政治学プロパーには重要なことなのかもしれないが、初学者には瑣末に見える。むしろ、後半のトピックをもう少し詳しく記述してほしい。というわけで、個人的には、初学者に政治学分野の魅力を伝えるにはバランスの悪い構成のように思えた。
まあダールの思想に関心があるというならば意義があるのかもしれない。でも『デモクラシーとは何か』(参考)のほうが面白いと思う。