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パラグラフ・ライティングの基本を新書で解説

2013-01-11 11:12:49 | 読書ノート
倉島保美『論理が伝わる世界標準の「書く技術:パラグラフ・ライティング入門』ブルーバックス, 講談社、2012.

  文章を論理的に構成する方法についてのハウツーもの。報告書など多様な解釈を許さない実用的な文書を対象にし、一つの文ではなく文書全体の構成の洗練を目指しているのがポイントである。ちょっとくどいと思える部分もあるが、著者は「誤解を招かないよう多少くどくなってもよい」とする立場である。読み手の方がそういう部分は読み飛ばせということだ。

  副題にあるように、基本の型はパラグラフ・ライティングである。パラグラフの最初を、そのパラグラフの内容を要約したトピック・センテンスとする形式である。章や節などパラグラフ以外の上位の階層にもまたその内容を抽象化した総論部分を置き、文書全体もまた同様な構成にする。そうすると、読み手の理解が促されるという。執筆する側は、筆の流れに身を任せず、最初から全体の構成のプランを立てて書くべきだとする。パラグラフ・ライティングの本は英作文分野でいくつかあるようだけど、新書になった意義は大きいだろう。

  良い教科書である。同時に、本書を読んで独習しなければならない日本のビジネスマンは大変だという思いも強くする。読んですぐ書けるようになるわけではないので、何回かの練習が必要となるのだが、彼らには添削してくれる先生もいないだろう。個人的に、中等教育段階、せめて大学の初年次教育段階で実用的な文書の書き方を教えるべきだというのを常々感じている。
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