物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

コマクサの問題 ~ 植えることは自然保護ですか ~

2014-01-05 06:00:00 | 表紙
 穏やかなお正月でした。 今年は午年ということで コマクサ を初記事に
しました。

群馬県草津白根山でコマクサを見ることが出来ます。
ここでは自然のものは数少なくなったため地元の中学生などが増やした
ものを植えるということを行っています。

草津白根山のコマクサ
保護という名の基に他でも植えている所があります。
今このコマクサがひとつの問題となっています。

草津白根山のコマクサの花
 
 
群馬県のレッドデータでは絶滅危惧IA 類とされました。
そして
 
  『 地元で作出された深紅花の育種系統の品種「黎明」が草津本白根山に
無数に生育し、薄桃色花の在来系統の個体数が激減している。
両者の交雑による中間型個体も増加している。
「黎明」は他県にも植栽されており、
交雑による遺伝子汚染が拡大するおそれが極めて高い。』
 
と特記事項が記されています。
 

倍率が違いますが色の違いをご覧ください。
 
栽培して植えられているものは赤みの濃いもので育種系統の品種
であって
在来系統の薄桃色花
のものが減ってきている・・・ということです。
「もともと生えていた赤みの強い花から採種して育てた」と主張されている
ようですが、レッドデータでは赤みの強いものは自生ではない
としています。
 また、白山ではもともと分布がなかったのに誰かが
種を持ち込んだかしたため除去対策が行われたとの報道を
聞いたことがあります。
 
 自然保護というと採取しないことと考えがちですが、元から無い所に
植え広げたり、違う地域のものを持ち込んだりすることも重大な破壊行為
といえるのです。
 
 ちょっと長くなってしまいましたが、自然保護について皆さんもちょっと
考えてみてください。
 最後に、時々うかがうブログ「アライグマの観察小屋」
アライグマさんが巻頭に
『野の花は貴方一人のものではありません。それを採取するのを盗掘と言います。
本来ないものを勝手に植えたり撒いたりするのをゲリラと呼びます。』

と記しています。
盗掘だけでなくゲリラにならないように良くかみ締めたいと思います。
 
この記事が自然保護を考えるきっかけに成ってくれたらと思います。
 


コメント (18)
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