秋の落慶に向けて工事が続いている豊川の烹金寺です。
個人的にはやはり銅葺きの屋根がよく見えるこの角度が好きです。一般住宅と違って屋根が重いので、垂木の数も多くて頑丈そう。
垂木が上下二段になっているのも一般住宅と違うところです。二軒(ふたのき)と言われる形式で下が地垂木(じだるき)、上が飛檐垂木(ひえんだるき)と言うそうです。天平時代に大陸から伝わった様式で、地垂木を丸材、飛檐垂木を角材とした「地円飛角」がオリジナルなのですが、その後日本ではどちらも角材にした「地角飛角」が一般的となります。中国や韓国では今でも「地円飛角」が標準だそうですので、中国や韓国で寺院に参拝する機会があれば見てみようと思います。
実はこの下から見える垂木は二段とも「化粧垂木」と言われ、屋根と言うより軒を支えています。更にこの上(外からは見えない)に急勾配の屋根を支える野垂木が仕込まれているのだそうです。急勾配と深い軒、という構造的に難しい大屋根を支える仕組みは、思いの外複雑で手の込んだものです。