大豆の代替肉を手に入れたので、ミンチ肉と比べて違和感のないような料理ということでチリスープを作ってみました。
150gの乾燥材料に450gの水を加えて戻すことになっています。150gだと思って全部戻してしまいましたが、水を含むと600gのミンチに相当。これは多かったので、1/3だけ使って残りは冷凍しました。
たまたま在庫があったメイクイーンも利用します。普通チリコンカンには入れませんが。
玉ねぎ炒めが基本。ミンチ肉なら同じように炒めるのですが、大豆の代替肉は崩れそうなのでここはパス。
後は煮込んで、タイのスイートチリソースとクミンで味付けするだけですね。本物の肉と違って大豆からはだしが出ないので、ソースやスパイスは多めに使います。こんなスパイスの効いた料理なら、代替肉でも問題なく頂けることがわかりました。
久しぶりに映画を見てきました。伏見のミリオン座です。2019年に伏見駅の北側に移転したのを知らずに、最初は御園座の方に行ってしまい少し焦りました。
直木賞作家、水上勉の随筆を原作とした「土を喰らう十二ヶ月」です。水上勉はお寺で修行した経験があり、お寺の典座さんから料理を学んでいます。畑や山野から取れる材料を、精進の精神で慈しんで頂く、今で言う「丁寧な暮らし」を毎日綴り、「美味しんぼ」の雁屋哲さんから「日本で唯一読む価値のある食の本」などと評価されています。
この映画が面白いのは、水上勉をモデルにした、丁寧な暮らしをする主人公を、沢田研二さんが演じていることです。他の配役なら、単に違和感がないだけで地味な映画で終わってしまったのかも知れないですが、彼の熟年になっても全身に漂う色気が、映画全体を華やいだ雰囲気にしていることは間違いありません。
沢田さんがこの役に全身全霊で打ち込んだのは間違いなくて、昭和前半の田舎家で畑仕事や採集、料理に時間と手間を掛け、それこそ朝起きてから夜寝るまで、天地に感謝を絶やすことなく生きている男の姿勢が、手抜きのない所作を通じてしっかり伝わってきます。「ジュリーが大根切ってる!」みたいな違和感は一切なく、演技がしっかりしているからこそ、スーパースターとしての色気が生きてくるものと思います。大した熱演です。
松たか子さんや火野正平さんもいい役をしているのですが、後半で少しだけ登場する檀ふみさんが、連想ゲーム時代のファンである私には嬉しいサプライズでした。「去年82歳の母をなくした」娘という設定は、実年齢にはちょっと合ってないと感じましたが、これはお父さん繋がりで起用されたな、と気付いた人が多いのじゃないでしょうか。
檀一雄は太宰治や坂口安吾などと同じ「無頼派」の作家と言われていて、丁寧な暮らしの水上勉とは生き方がまるで違うのですが、食事や料理への拘りは非常に強く、料理の本も出しています。親しいとまでは言えないですが、水上勉はこの7歳年上の小説家と交流があったらしく、「檀さんはあの小説の通りの人だなあ」と称したらしいです。「あの小説」というのは「火宅の人」ですね。交流があったとなれば、檀ふみさんは実際の水上勉に会ったことがあるのだと思います。映画に重厚さを加える、欠かせない脇役です。
AliExpressで猫のおもちゃを買ってみました。クーポンなどの条件が複雑で、色々試してみると2匹で最安値に。送料込みで204円は安いと思いますが、1匹より2匹の方が総額が安かったのはよくわからない仕組みです。
センサーと振動子内蔵で、猫が触ると本物の魚みたいに暴れるやつが面白そうだったので、そっちを注文したつもりだったのに、あれこれ値段や販売条件を試してサイトの中を動いているうちに、電気仕掛けなしのシンプルなおもちゃを買ったことになったらしいです。「らしいです」と言うのは、中国の通販サイトでは製品の形や数量などの変数が独立していないことがあり、気に入った商品を1個から2個に増やしたつもりが、別の製品2個になっていることがあります。送料も商品の数によって複雑に変化するので、もう1つ買っても送料は変わらないだろうとか、まとめて買えば送料は無料だろうとかいう思い込みは通用しません。1個が送料無料なのに、2個買うと高額の送料が掛かってびっくりすることさえあります。
Cat Toysと書いてあるのはいいとして、ツバル???
必ずしも中国で生産されたものである必要はありませんが、あんな遠隔地から送料払って元が取れるんでしょうか?おもちゃを安価に大量生産できるような工場がツバルにあるとも思えず、一体どこで生まれた魚なのか、実に不思議です。
二村山の周囲には昔からの雑木林を生かした遊歩道が整備されています。
柏の葉の代用品として、餅を包むのに使われるサルトリイバラ。和辻哲郎「古寺巡礼」にも記載あり。
クチナシは晩秋なのでたくさん実をつけています。
花と違って香りはありません。染料や漢方薬として利用されています。
スミレの一種ですが、雑草に埋もれていてどれかわかりません。花の時期なら誰にでもわかるんですが。
ニガイチゴもわかりにくいです。せっかく地元の小学生が名札を付けてくれたのですが。
光沢のないハート形の葉をしたのがニガイチゴだと思います。茎には棘があります。
サンショウの親戚で香りの乏しいイヌザンショウやカラスザンショウも雑木林にありました。
これは樹皮を見ればおなじみの桜の仲間。ヤマザクラです。
垣根などにも使われるネズミモチ。名前の由来である黒くて小さな実があるはずなんですが、見当たりませんでした。
新芽が食材として有名なタラノキ。
樹種が豊富ですね。トリモチの原料になるクロガネモチ。ネズミモチはモクセイ科、クロガネモチはモチノキ科なので名前が似てるだけです。「苦労がなく金持ちに」という語呂合わせで、縁起のいい木とされます。
名前が美しいムラサキシキブ。
クスノキの大木も。
奈良の生酒。美吉野醸造の製品です。地図で見ると桜で有名な吉野山の麓ですね。なるほど美吉野に違いない。
2018BYとあるのは、2018年7月から2019年6月の間に醸造した酒だと説明があります。下には2022年7月のスタンプがあるので、3年ほど寝かせていたということでしょうか。かなり特異的な酒造りです。山廃、速醸、水酛など多様な発酵技術を使い分けることで、個性的な酒を提供しています。酸味を味わい分ける通人向け。
こちらは哲学的な名前のピュシス。栃木県小山の西堀酒造。伝統のある蔵ですが、哲学的なテーマに沿って商品を開発するとか、透明タンクで醸造してLEDを照射するとか、いろいろ変わったことをやってるみたいです。
学問としての哲学には興味がないので、難しいことはともかく、この酒は旨いです。一杯飲んでまた一杯と手が伸びるのは哲学の及ばぬところ。ドイツの学生歌にエルゴ・ビバムス (Ergo Bibamus)というのがあって、直訳すると「されば飲まん」。ゲーテが哲学的な難しいことを友人とあれこれ問答していて、友人に「されば飲まん」ならどんな哲学的な言辞の後でも意味が繋がるじゃないか、と混ぜ返されてすっかり参った、とかそんなエピソードが元になっているとCDの解説で読みましたが、裏は取ってません。
藤田医科大学への道で気になってた「名勝地 二村山」の看板に惹かれて立ち寄ってみました。
ここは鎌倉街道の遺跡らしいです。鎌倉街道は「いざ鎌倉」の時に鎌倉に駆けつけるために整備された街道で、全国に分布していたはずなのですが、Google Mapで検索すると、なぜか鎌倉を中心とする関東と、名古屋近辺にだけ遺跡が表示されます。中でもこの二村山は、当時から歌枕として有名だったらしいのですね。
歌人としてはあまり知られていない源頼朝の和歌。勅撰集に載っているので本人の作であることは間違いありません。
歌碑がありますが、これはもちろん後世のものです。
頼朝の他にも西行法師や菅原孝標女、阿仏尼、松尾芭蕉など歴史上の有名人がここを訪れて作品を遺しています。景勝地だったのでしょう。
二村山は、山と言っても標高70m程度で、名古屋市名東区の住宅街と同じような高さです。そう展望が良かったとも思えないのですが、何が歌人を惹き付けたのか。