極楽家は角地にあって、低い塀があるだけなので、庭が周りの道路からほとんど丸見えになります。極楽親父はたいして気にならないのですが、どうしても目隠しが必要という妻の要望に応えて、塀の内側に木を植えることにしました。
今頃が庭木の植え替えに好適な季節らしく、ホームセンターに行くと根巻きした苗木やポット苗などたくさん置いてあります。ポット苗なら素人でも何とかなるのでしょうが、今回は目隠しの目的があるため、ある程度の大きさがないといけません。成長した木を処理した根巻きの苗木は、植えるのに技術や器具が必要なため、プロに任せるのが普通です。
ただ、何を植えたらいいかイメージが湧かないため、造園業者の圃場(ほじょう)、いわゆる土場を見せてもらいました。天気が悪く、先に降った雨のせいで下がぬかるんで、歩いて回るには不便な環境でした。目を離すと極楽息子が泥んこ遊びしようとするし。
条件としては維持するのに手の掛からない木です。ドイツトウヒは暑さで枯らしてしまったし、奥にあるケヤキは大量の落葉が隣に飛んで行くのが心臓に悪い、ということで具体的には常緑樹で暑さに強いもの。コニファーはドイツトウヒのイメージがあって、また枯らすような気がします。そうなると広葉樹ですね。
当初は丈夫で葉が大きく、回りに飛ばないだろうと考えて
タイサンボクを希望しました。庭木としては流行の外にある樹種ですけど、地位のある人がリタイアして住んでいるような古い住宅に、年を経たタイサンボクが真っ白な花を付けているのはとても品がいいと思います。昔からの医院などでタイサンボクを見つけると、しっとりと生活に溶け込んでいるなと羨ましく感じます。実際にそんな医院が学生時代に通学路にあったんですが、残念ながら取り壊してマンションになってしまいました。
手の掛からない木なので好適かと思ったのですが、在庫がないか何かの理由で業者に反対されて、このプランは不採用。代わりにありきたりのコニファーを奨められましたが、やっぱりどうも乗り気になれません。流行のシマトネリコも良さそうな話をされましたけど、実物を見る機会がありませんでした。
土場のコニファーはホームセンターで見るより貧相な感じがして、なおさら所有欲をそそられません。まあ、これには理由があって、いつでも掘り出して植え替えできるように枝も根も剪定した状態で置いているからです。どこかの庭に「永久就職」すれば、本来の勢いを取り戻すはずです。土場の木は手間が掛かっているので、ホームセンターのポット苗より(見た目には)少し大きいだけでも値段はずっと高くなります。
素人がいきなり土場に出て、コニファーの細かい品種を説明されても決定のしようがない、というのが本音です。花が咲くとか実がなるとか、もっとわかりやすい木ならいいのに。シマトネリコは土場になかったので、仕方なくカーマホームセンターで見てきました。本当は
植木で有名な稲沢にでも行って、時間を掛けて見て来ればいいんでしょうね。