近所の障害者スポーツセンターで開催された、めいとう福祉まつりに行って来ました。皆さんお目当てはバザーです。
買い物がわからないのでつまらない顔をしています。
こんなゲストも来てくれましたよ。
手製のスマートボールは気に入ったようです。でもすぐ終わっちゃう。1回100円でおもちゃが当たります。
バザーの収穫品です。大げさな作りのコルクオープナー。
あまりの仰々しさに戸惑います。たかがコルクを開けるのにこんな道具が必要なんでしょうか。私も機械好き、道具好きなのでつい買っちゃいました。
この製品のAmazon.co.jpでの評価は非常に高く、毎晩コルクを開けている人とか、コルク抜きにも趣味性を求める人にはいいんでしょうね。でも考えてみれば最近は箱入りワインばかりで、あまりコルクを開けてないなあ。ライヨールのソムリエ用オープナーは、頂き物で一応持ってはいるのですが、それに見合うワインをあまり飲まないので、この数年は冬眠しています。
こちらは掘り出し物。何十年も使われずに置いてあったと思われるハリオのコーヒーサイフォン、SA7-5が手に入りました。高品質の耐熱ガラスはまず劣化しないと思いますが、プラスチック部品はどうでしょうかね。1957年以来の極めて古い製品ですが、フィルターは現行機種のが使えそうな気がします。
この実験器具的な存在感がサイフォンの魅力です。「腕で入れるドリップ、器具で入れるサイフォン」とか言われるらしく、ドリップよりも手間が掛からず(その代わり洗うのが面倒)、器具さえ整っていれば出来不出来の差がないのがサイフォンコーヒーの特徴だそうです。
昔、蒲郡にサイフォンと水出しで丁寧にコーヒーを入れてくれる店があって、モーニングセットもお値打ちだったのでよく通ったものですが、残念なことに閉めてしまいました。名古屋でそんな雰囲気のいい店は、休日の昼間はすごく混んでいる場合が多いので、落ち着けないのが難点ですね。せめて地方に出た時にこんな店に行ってみたいと思います。
イージープル オープナーセット スタンド付 8105 | |
クリエーター情報なし | |
EZ Pull (イージープル) |
子供ができてからはほぼ安酒の家飲みが週に5日の楽しみ(週に2日は休肝日)で、人様に紹介できるようなものを飲んではいないのですが、自分の覚え書きとして写真とコメントを残しておこうと思います。これでも若い頃はワインに凝って、通信講座を受講したこともあるんですが、当時と比べると酒代は1割ですかね。
さて、最初はリカーマウンテンで宣伝していたベトナム製焼酎、大陸無双です。昔も薩摩焼酎の小鶴とか、近所の熊本出身の人に教えてもらった球磨焼酎の六調子とか、ちょくちょく楽しんでいました。特に二十代の時は、当時の酒税法の影響により今みたいにおいしい日本酒が一般に出回っていませんでした。私は大手メーカーのべっとりとした甘いだけの酒が嫌いだったので、秋田の大八みたいな米焼酎を好んで飲んでいた記憶があります。検索してみたら、大八焼酎ってもう造ってないみたいですね。残念。
大陸無双は日本の有名銘柄とのテイスティングでもいい成績を収めているらしく、値段を考えると立派です。安いので以前、大きいペットボトルで買って、飲まずに園芸用の薬剤(元気玉)を作るのに使ったこともあります。
金木犀の季節に買ってみた桂花陳酒。安物だったからかもしれませんが、やっぱり生の金木犀と比べると厳しいです。ベースのワインが甘すぎるのも減点。
「利己的な遺伝子」などの著作で日本でも有名なイギリスの動物行動学者、Richard Dawkinsは自然科学一般の啓蒙活動のためThe Richard Dawkins Foundation; RDFを運営しており、そのサイトがRichardDawkins.netです。ここに"On rice and arsenic"つまり「米と砒素について」という興味深い研究が紹介されています。
元はこちらのSpeakeasy Scienceの記事だったようですね。研究そのものはダートマス大学のグループによるもので、それをピュリツァー賞受賞の科学記者、Deborah Blumが自分の運営するサイトで解説したものです。ダートマス大学の論文は、とても短い要約しか見ることができませんので、Deborah Blumの記事を読んでみましょう。
アメリカでは米製品の中でも特に有機栽培の玄米シロップが、健康食品などの甘味料としてかなり広く使われており、粉ミルクにも添加されていることがあるそうです。ちなみに、日本では「ミルクを粉末状にしたもの」というイメージで粉ミルクと称しますが、アメリカでは「調整されたミルク」という意味でformulated milkあるいは略してformulaと呼ばれているらしいです。薬局でアメリカ人にいきなり"Where's baby formula?"とか聞かれても何のことかわからなかっただろうな。勉強不足でした。
さて、その健康食品が米由来の砒素を含んでおり、玄米シロップを甘味料に使っているシリアルバーには、そうでないシリアルバーの数倍の砒素が残留していると報告されています。砒素は土壌に広く薄く分布しているので、あらゆる食品に砒素が残留する可能性はあり、その数倍を摂取したからと言って、すぐに健康被害が出るようなものではないのですが、わざわざ「健康のために」玄米入りの健康食品を食べてきた人には衝撃的でしょうね。
ダートマス大学では一般の人向けの資料を用意しており、体内に入った砒素は排出されやすいため、飲み水のように継続して摂取しない限り問題は出にくく、既に該当の食品を摂取していない場合は検査の必要もないが、今でも該当の食品を摂取している場合、とりあえず玄米シロップの入った食品から他のものに替えるように、と説明しています。
なぜ米だけが他の穀物より砒素を溜め込みやすいのでしょう?イネ科の植物やシダ類は、細胞形態を保持するためにシリコンの化合物であるケイ酸塩を貯留する性質があり、これと化学的性質が似通った砒素化合物が吸収されやすいそうです。カルシウムと性質の似たカドミウムが人体に取り込まれやすく、イタイイタイ病を発症するのと同じ理屈です。同じく基幹作物である小麦だってイネ科なんだけどな、という疑問が生じますが、それはまだこれからの研究課題でしょう。
小麦と違って米は水田という特殊な栽培方式を取りますし、コムギより温度、湿度が高い地域で栽培されるため、過去には亜ヒ酸などの砒素系農薬が使用されたこともあり、小麦よりも砒素を吸収しやすい状況にあるとは思われます。
今のところ、アメリカ人よりも米の摂取量がはるかに多い日本で、米由来の砒素によると見られる癌が多くなったというデータはないのですが、このような極微量の残留分析は質量分析計などの進歩により可能になった発展途上の分野であり、多くの国民が関心を持つ食品安全性を扱うものですから、研究の速やかな進展が望まれます。今回はRichadDawkins.netとSpeakeasy Scienceの紹介を兼ねて記事を引用させてもらいました。
元はこちらのSpeakeasy Scienceの記事だったようですね。研究そのものはダートマス大学のグループによるもので、それをピュリツァー賞受賞の科学記者、Deborah Blumが自分の運営するサイトで解説したものです。ダートマス大学の論文は、とても短い要約しか見ることができませんので、Deborah Blumの記事を読んでみましょう。
アメリカでは米製品の中でも特に有機栽培の玄米シロップが、健康食品などの甘味料としてかなり広く使われており、粉ミルクにも添加されていることがあるそうです。ちなみに、日本では「ミルクを粉末状にしたもの」というイメージで粉ミルクと称しますが、アメリカでは「調整されたミルク」という意味でformulated milkあるいは略してformulaと呼ばれているらしいです。薬局でアメリカ人にいきなり"Where's baby formula?"とか聞かれても何のことかわからなかっただろうな。勉強不足でした。
さて、その健康食品が米由来の砒素を含んでおり、玄米シロップを甘味料に使っているシリアルバーには、そうでないシリアルバーの数倍の砒素が残留していると報告されています。砒素は土壌に広く薄く分布しているので、あらゆる食品に砒素が残留する可能性はあり、その数倍を摂取したからと言って、すぐに健康被害が出るようなものではないのですが、わざわざ「健康のために」玄米入りの健康食品を食べてきた人には衝撃的でしょうね。
ダートマス大学では一般の人向けの資料を用意しており、体内に入った砒素は排出されやすいため、飲み水のように継続して摂取しない限り問題は出にくく、既に該当の食品を摂取していない場合は検査の必要もないが、今でも該当の食品を摂取している場合、とりあえず玄米シロップの入った食品から他のものに替えるように、と説明しています。
なぜ米だけが他の穀物より砒素を溜め込みやすいのでしょう?イネ科の植物やシダ類は、細胞形態を保持するためにシリコンの化合物であるケイ酸塩を貯留する性質があり、これと化学的性質が似通った砒素化合物が吸収されやすいそうです。カルシウムと性質の似たカドミウムが人体に取り込まれやすく、イタイイタイ病を発症するのと同じ理屈です。同じく基幹作物である小麦だってイネ科なんだけどな、という疑問が生じますが、それはまだこれからの研究課題でしょう。
小麦と違って米は水田という特殊な栽培方式を取りますし、コムギより温度、湿度が高い地域で栽培されるため、過去には亜ヒ酸などの砒素系農薬が使用されたこともあり、小麦よりも砒素を吸収しやすい状況にあるとは思われます。
今のところ、アメリカ人よりも米の摂取量がはるかに多い日本で、米由来の砒素によると見られる癌が多くなったというデータはないのですが、このような極微量の残留分析は質量分析計などの進歩により可能になった発展途上の分野であり、多くの国民が関心を持つ食品安全性を扱うものですから、研究の速やかな進展が望まれます。今回はRichadDawkins.netとSpeakeasy Scienceの紹介を兼ねて記事を引用させてもらいました。
利己的な遺伝子 | |
リチャード・ドーキンス | |
紀伊國屋書店 |
自動車で今月最大の話題と言えば、マツダCX-5でしょう。このクラスのクロスオーバーSUV (Sport Utility Vehicle)はトヨタRAV4や日産エクストレイル、ホンダCR-Vなど先行車種があり珍しいわけではありませんが、高性能低燃費と期待されていた新型ディーゼル、SKYACTIV-Dのお目見えを含み、相当な意欲作ということで関心を集めています。
日本では乗用車用のディーゼルが長らく廃れていました。市街地が多い日本の交通環境で、ディーゼル車の増加による大気汚染が大きな問題になったからです。特に東京都が石原知事の肝煎りで排出物の規制を大幅に強化し、新しい基準の対策車以外を取り締まったり、汚染の元凶とされた変造軽油を摘発したりと積極的に動いたのが契機になって、日本全国でディーゼル排出物への関心が高まりました。この結果、政府も世界一厳しいと言われるポスト新長期規制を制定し、新車として販売されるディーゼル車は厳重な排出物対策をとった、いわゆるクリーンディーゼル車のみとなったのです。
クリーンディーゼルは旧型ディーゼルに比べて触媒などのコストが高く、大型車においても価格の改定や車種整理を引き起こしましたし、元々が値段の安い乗用車ではディーゼル車の廃止に繋がりました。この状態が10年ほど続いたでしょうか。その間に、日本よりも市街地走行の少ないヨーロッパではディーゼル乗用車に人気が集まり、各社が新型車を投入していました。日本のメーカーもヨーロッパ用にはディーゼルを搭載していたのです。
ディーゼル乗用車の本場になったヨーロッパから戻って来るような形で、日産がエクストレイルのクリーンディーゼル版を世に問うたのが2008年。しかし値段が同装備のガソリン車に比べて50万円ほど高く、燃費で元を取るのが難しいとか、当初はマニュアルミッションしか用意されなかったということが響いて、大きなヒットには繋がりませんでした。CX-5ではコストダウンに努めた上で、安価なFF車を用意したため、6ATのディーゼルが258万円から。4WDでも279万円と努力しています。エクストレイルディーゼルの6AT車には4WDしかなく、値段は314万円からなので、「FFで十分」という人にとっては何と56万円差です。これでは勝負にならないでしょう。
公表されている燃費もエクストレイルが15km/L程度、CX-5が19.4-20km/Lと後発のCX-5が大幅に改良されています。CX-5の実燃費はコンパクトカー並みになりそうですね。
CX-5ディーゼルがエクストレイルディーゼルよりも格段に競争力があるのはよくわかりました。しかし一番競合するのは、実は同じCX-5のガソリン版じゃないでしょうか。燃費効率こそ17.6km/Lとわずかに落ちますが、これもマツダの売り物であるSKYACTIV-Gの威力で立派なもの。何より、装備が違うとは言え205万円からあります。これでもABSやスタビリティコントロール、マルチエアバッグまで標準装備ですからとても安いと感じます。世界で年16万台の販売を見込んでいるということなので、売れることを前提とした戦略的な価格設定です。
やはり出たばかりのホンダCR-Vが15.4km/Lで、これでも1.5t近い2Lガソリン車としては立派なのですが、圧縮比13のCX-5が楽勝です。ホンダがCR-Vに2Lモデルを投入してきたのはCX-5対策なのでしょうが、それでも及びませんでした。ただし、先に出たデミオでは「カタログに書いてあるほど燃費が良くない」という批判もあり、運転のパターンによってはCR-Vが逆転する可能性もあります。CR-Vのつや消しは値段。これも世界のベストセラーカーのひとつなのですが、日本ではたいして売る気がないらしく248万円から。最初から勝負あったということころです。
技術的には新型ディーゼルに興味があるものの、CX-5の売れ筋はバーゲン価格のガソリン車だと予想します。市街地で確実に10km/L以上走れるなら、一般家庭の走行距離数なら十分でしょう。プリウスに食傷気味の人が、同価格帯ということで評価してくれれば、日本でもヒットするのではないでしょうか。
日本では乗用車用のディーゼルが長らく廃れていました。市街地が多い日本の交通環境で、ディーゼル車の増加による大気汚染が大きな問題になったからです。特に東京都が石原知事の肝煎りで排出物の規制を大幅に強化し、新しい基準の対策車以外を取り締まったり、汚染の元凶とされた変造軽油を摘発したりと積極的に動いたのが契機になって、日本全国でディーゼル排出物への関心が高まりました。この結果、政府も世界一厳しいと言われるポスト新長期規制を制定し、新車として販売されるディーゼル車は厳重な排出物対策をとった、いわゆるクリーンディーゼル車のみとなったのです。
クリーンディーゼルは旧型ディーゼルに比べて触媒などのコストが高く、大型車においても価格の改定や車種整理を引き起こしましたし、元々が値段の安い乗用車ではディーゼル車の廃止に繋がりました。この状態が10年ほど続いたでしょうか。その間に、日本よりも市街地走行の少ないヨーロッパではディーゼル乗用車に人気が集まり、各社が新型車を投入していました。日本のメーカーもヨーロッパ用にはディーゼルを搭載していたのです。
ディーゼル乗用車の本場になったヨーロッパから戻って来るような形で、日産がエクストレイルのクリーンディーゼル版を世に問うたのが2008年。しかし値段が同装備のガソリン車に比べて50万円ほど高く、燃費で元を取るのが難しいとか、当初はマニュアルミッションしか用意されなかったということが響いて、大きなヒットには繋がりませんでした。CX-5ではコストダウンに努めた上で、安価なFF車を用意したため、6ATのディーゼルが258万円から。4WDでも279万円と努力しています。エクストレイルディーゼルの6AT車には4WDしかなく、値段は314万円からなので、「FFで十分」という人にとっては何と56万円差です。これでは勝負にならないでしょう。
公表されている燃費もエクストレイルが15km/L程度、CX-5が19.4-20km/Lと後発のCX-5が大幅に改良されています。CX-5の実燃費はコンパクトカー並みになりそうですね。
CX-5ディーゼルがエクストレイルディーゼルよりも格段に競争力があるのはよくわかりました。しかし一番競合するのは、実は同じCX-5のガソリン版じゃないでしょうか。燃費効率こそ17.6km/Lとわずかに落ちますが、これもマツダの売り物であるSKYACTIV-Gの威力で立派なもの。何より、装備が違うとは言え205万円からあります。これでもABSやスタビリティコントロール、マルチエアバッグまで標準装備ですからとても安いと感じます。世界で年16万台の販売を見込んでいるということなので、売れることを前提とした戦略的な価格設定です。
やはり出たばかりのホンダCR-Vが15.4km/Lで、これでも1.5t近い2Lガソリン車としては立派なのですが、圧縮比13のCX-5が楽勝です。ホンダがCR-Vに2Lモデルを投入してきたのはCX-5対策なのでしょうが、それでも及びませんでした。ただし、先に出たデミオでは「カタログに書いてあるほど燃費が良くない」という批判もあり、運転のパターンによってはCR-Vが逆転する可能性もあります。CR-Vのつや消しは値段。これも世界のベストセラーカーのひとつなのですが、日本ではたいして売る気がないらしく248万円から。最初から勝負あったということころです。
技術的には新型ディーゼルに興味があるものの、CX-5の売れ筋はバーゲン価格のガソリン車だと予想します。市街地で確実に10km/L以上走れるなら、一般家庭の走行距離数なら十分でしょう。プリウスに食傷気味の人が、同価格帯ということで評価してくれれば、日本でもヒットするのではないでしょうか。
政府は古川元久国家戦略担当相を議長とする「成長ファイナンス推進会議」において、銀行などの金融機関で10年以上出し入れのない口座の預金、いわゆる「休眠預金」を政府が活用できないか検討に入ったと報じられています。
かつての郵便貯金においては、郵便貯金法第29条の定めるところにより、10年間出し入れのない口座は貯金事務センターより連絡の上、権利消滅となり預金が国庫に収納されていたことがありますので、休眠預金の国庫没収そのものが新奇な考えというわけではありません。銀行はなべて反発しているようですが、対象となる休眠預金は年間最大800億円程度ということです。総務省統計局のデータでは国内銀行の預金残高は500兆円ちょい、このうち休眠預金が主に発生すると見られる個人の口座は300兆円と少し。金額そのものは、銀行が真面目に反発するほどでもないな、という感想を持ちます。
この休眠預金の活用は、元々新党日本や日本財団あたりから出てきたプランのようで、その経緯はBLOGOSのコラムに解説されています。東日本震災により多くの休眠預金が発生すると予想されている現状では、震災復興に休眠預金を活用するという趣旨はなるほど説得力があるように思います。
休眠預金の国庫没収そのものは郵便貯金で前例があり、法律が整備されるなら十分に可能である。また震災復興を目的とするなら個人預金者にも理解が得られる可能性が高い。それに金額も銀行経営が揺らぐほどのものではない。それではなぜ銀行が強固に反発するか、と考えて連想したのが、池田信夫blog「約束の破り方」です。
池田さんは経済学者ですから、ここで言う約束とは契約、協定などの法律上の履行義務を伴ったもの。とは言え、どうしても履行できなくなるケースは存在する。その場合にどう対応すればいいのか。これも経済学の一分野である契約理論で研究されてきたことだと池田さんは説きます。池田さんの言い方を借りるなら、日本の銀行は契約履行において実に律儀だということです。契約の不履行に対しては村八分などの恒久的な制裁、つまりゲーム理論で言うところの長期的関係で対応してきた日本社会で、それも信用第一の銀行が「お客様の預金」を反故にしろだなんて、これはもう金額の問題じゃないわけです。
約束を守ることは確かに古代から讃えられてきた美徳です。とりわけ日本では雨月物語 菊花の約(きっかのちぎり)の如く、命を捨ててでも約束を守る態度こそ立派だとされてきました。しかし守れなかったらどうするか?「腹を掻っ捌いてお詫びを」も歴史的には一案でしょう。しかし社会に出て働いてみればわかるように、どうにもならないこと、あるいは約束を解消した方が双方に利益があることも少なくないのです。
いわゆる医療過誤がテレビで取り上げられ、大きな問題になったことがありますね。確かに技量のない医師やいい加減な医療機関は断罪されるべきです。しかし医療過誤のかなりの部分は、「誰がどう見ても正確な診断はできない。学会に出しても意見が分かれるだろう。」という判断において、たまたま現場の判断が、後から見た最善の手段と食い違っていたことから生じるものであり、これを「医療ミス」と言われては診療行為が成り立ちません。最善の結果を提供できなかったのですから、失敗は失敗として次の診療に役立てる義務は負いますが、それをもって長期的関係による清算、つまり該当医師の刑事罰などの過剰なペナルティを要求する当時の風潮には強い反発を覚えました。そんなことをしても誰の利益にもならないからです。
医師が刑事被告とされ逮捕された福島県立大野病院の産婦死亡事件では、マスコミの煽りもあり医師に対する周囲の処罰感情が極めて強く、「一生許さない」などの感情的な批判が渦巻いていました。その後、詳細な医学的検討によりこの医師が水準以上の技量と判断力を持っており、決して検察が指摘したような無謀な医療行為はしていない、と証明されたのは喜ばしいことで、全国の患者さんのためにもこの医師が早く復帰してその技量を発揮されることを期待したものです。その後どうなったかは存じませんが。
このように悪意がなくても、命を守る約束ですら状況によっては履行できない場合があります。このような場合に医師や医療機関を長期的に罰しても、医療行為の萎縮や撤退に繋がるため、多くの患者にとっての状況はむしろ悪化します。失敗を追及することより、これからのことを考えるなら、無過失補償のような仕組みの方がずっと有効でしょう。
政治においても当初と状況が変わって履行できなくなる約束は少なからず発生します。古くなった約束で利益を受けていた側からすれば、約束を反故にすることは許されないでしょう。ただしこれを配慮しすぎると利権化して、国益を損ないます。今回の休眠預金の事案は政府が「約束の破り方」、つまり適切な補償と引き換えに利権を取り上げる方法を模索しているものと解釈すれば、これから戦後70年近くにもわたって積もりに積もった利権構造に切り込む前哨戦として、なかなか興味深いものがあります。
もっとも、政府が休眠預金を没収したからと言って、金額は震災復興にとても足りないものですし、役人がお金を効率よく使えるとも思えません。従って、休眠預金が本当の埋蔵金に化けるかどうかは、これを先途として農政や米軍基地問題、電波行政など利権の巣窟、言わば「古い約束のスパゲティボール」をばっさり断ち切れるかどうかにあると思います。現状でそんな勢いを感じさせるのは大阪の橋下さんだけですけど、目の付け所は悪くないように思いますので、野田さんや古川さんにも期待だけはしてみましょうか。
かつての郵便貯金においては、郵便貯金法第29条の定めるところにより、10年間出し入れのない口座は貯金事務センターより連絡の上、権利消滅となり預金が国庫に収納されていたことがありますので、休眠預金の国庫没収そのものが新奇な考えというわけではありません。銀行はなべて反発しているようですが、対象となる休眠預金は年間最大800億円程度ということです。総務省統計局のデータでは国内銀行の預金残高は500兆円ちょい、このうち休眠預金が主に発生すると見られる個人の口座は300兆円と少し。金額そのものは、銀行が真面目に反発するほどでもないな、という感想を持ちます。
この休眠預金の活用は、元々新党日本や日本財団あたりから出てきたプランのようで、その経緯はBLOGOSのコラムに解説されています。東日本震災により多くの休眠預金が発生すると予想されている現状では、震災復興に休眠預金を活用するという趣旨はなるほど説得力があるように思います。
休眠預金の国庫没収そのものは郵便貯金で前例があり、法律が整備されるなら十分に可能である。また震災復興を目的とするなら個人預金者にも理解が得られる可能性が高い。それに金額も銀行経営が揺らぐほどのものではない。それではなぜ銀行が強固に反発するか、と考えて連想したのが、池田信夫blog「約束の破り方」です。
池田さんは経済学者ですから、ここで言う約束とは契約、協定などの法律上の履行義務を伴ったもの。とは言え、どうしても履行できなくなるケースは存在する。その場合にどう対応すればいいのか。これも経済学の一分野である契約理論で研究されてきたことだと池田さんは説きます。池田さんの言い方を借りるなら、日本の銀行は契約履行において実に律儀だということです。契約の不履行に対しては村八分などの恒久的な制裁、つまりゲーム理論で言うところの長期的関係で対応してきた日本社会で、それも信用第一の銀行が「お客様の預金」を反故にしろだなんて、これはもう金額の問題じゃないわけです。
約束を守ることは確かに古代から讃えられてきた美徳です。とりわけ日本では雨月物語 菊花の約(きっかのちぎり)の如く、命を捨ててでも約束を守る態度こそ立派だとされてきました。しかし守れなかったらどうするか?「腹を掻っ捌いてお詫びを」も歴史的には一案でしょう。しかし社会に出て働いてみればわかるように、どうにもならないこと、あるいは約束を解消した方が双方に利益があることも少なくないのです。
いわゆる医療過誤がテレビで取り上げられ、大きな問題になったことがありますね。確かに技量のない医師やいい加減な医療機関は断罪されるべきです。しかし医療過誤のかなりの部分は、「誰がどう見ても正確な診断はできない。学会に出しても意見が分かれるだろう。」という判断において、たまたま現場の判断が、後から見た最善の手段と食い違っていたことから生じるものであり、これを「医療ミス」と言われては診療行為が成り立ちません。最善の結果を提供できなかったのですから、失敗は失敗として次の診療に役立てる義務は負いますが、それをもって長期的関係による清算、つまり該当医師の刑事罰などの過剰なペナルティを要求する当時の風潮には強い反発を覚えました。そんなことをしても誰の利益にもならないからです。
医師が刑事被告とされ逮捕された福島県立大野病院の産婦死亡事件では、マスコミの煽りもあり医師に対する周囲の処罰感情が極めて強く、「一生許さない」などの感情的な批判が渦巻いていました。その後、詳細な医学的検討によりこの医師が水準以上の技量と判断力を持っており、決して検察が指摘したような無謀な医療行為はしていない、と証明されたのは喜ばしいことで、全国の患者さんのためにもこの医師が早く復帰してその技量を発揮されることを期待したものです。その後どうなったかは存じませんが。
このように悪意がなくても、命を守る約束ですら状況によっては履行できない場合があります。このような場合に医師や医療機関を長期的に罰しても、医療行為の萎縮や撤退に繋がるため、多くの患者にとっての状況はむしろ悪化します。失敗を追及することより、これからのことを考えるなら、無過失補償のような仕組みの方がずっと有効でしょう。
政治においても当初と状況が変わって履行できなくなる約束は少なからず発生します。古くなった約束で利益を受けていた側からすれば、約束を反故にすることは許されないでしょう。ただしこれを配慮しすぎると利権化して、国益を損ないます。今回の休眠預金の事案は政府が「約束の破り方」、つまり適切な補償と引き換えに利権を取り上げる方法を模索しているものと解釈すれば、これから戦後70年近くにもわたって積もりに積もった利権構造に切り込む前哨戦として、なかなか興味深いものがあります。
もっとも、政府が休眠預金を没収したからと言って、金額は震災復興にとても足りないものですし、役人がお金を効率よく使えるとも思えません。従って、休眠預金が本当の埋蔵金に化けるかどうかは、これを先途として農政や米軍基地問題、電波行政など利権の巣窟、言わば「古い約束のスパゲティボール」をばっさり断ち切れるかどうかにあると思います。現状でそんな勢いを感じさせるのは大阪の橋下さんだけですけど、目の付け所は悪くないように思いますので、野田さんや古川さんにも期待だけはしてみましょうか。
竹の山のファミリー向けピッツェリア、マリノです。1月19日から注文の仕組みがかなり変わったらしく、アンティパスト(前菜)を好きに選べるようになったそうです。これに伴い、今までのピザブッフェが中止。私はこれが大嫌いで、店から足が遠のいていたので、今回の変更は大歓迎です。
野菜と豆がたっぷりで、毎回楽しみになりそうなアンティパスト。以前のピザブッフェは供給が不安定で、食事としては不向きな甘い「白雪ピザ」の冷めたやつばかりが残っていて、定番のマルゲリータなどがなかなか出されなかったので、食事に行ったのに、蜂蜜やらシロップの掛かった湿っぽい「白雪ピザ」を嫌々食べて腹を満たすという最悪なものでした。
だいたい、作り置きができるアンティパストと違って、ピザは焼きたてが命なのだから、食べ放題、取り放題でおいしいピザなんか成り立たないですよ。ここは息子たちが好きな店なので、また焼きたてのピザが食べられるようになって良かったです。
日進市梅森の住宅展示場に、極楽息子(小)の好きな海賊戦隊ゴーカイジャーを見に行きました。宇宙最大のお宝を巡ってゴーカイジャーと敵の戦いが繰り広げられます。
ついに勝利したゴーカイジャー。
お楽しみの握手会です。キャプテンのゴーカイレッド。
ゴーカイピンクです。ゴーカイジャーのトレーナーを着て行ったら、とても喜んでもらえました。
今日の主役はこのゴーカイシルバー。細身で大柄な人でとても動きが良く、握手会では大勢の子供を次々に抱っこして写真に納まっていました。極楽息子(小)になると年中児でも20kg近くあるので、かなり重いはずです。サービス精神も立派ですが、この人の体力には感心しました。スーツアクターになる前は相当な運動選手だったと思います。
家が狭くなってしまったハムスターのコロンちゃんのために、ホームセンターで大きな家を買って来ました。ただし組み立ては自分でやります。
壁と床がばらばらのパネルなので、まずここから組み立てないといけません。
古い家は平屋でしたが、今度は2階や屋上まである豪邸です。2階の床はこうしてはめ込むだけ。人間もこう簡単に広い家に住めればいいんですが。
ハムスターの家なので回し車は大切ですね。この車も古い家より大きくなって、成長したコロンちゃんも安心。ただしこの車は植木鉢みたいな傾斜した形になっており、車の径が均一でないため、走りにくいかもしれません。走った時に、四肢を左右対称に使えた方が違和感がなくていいと思うのですが。
飲み水は生き物にとってとても大事です。
さあ完成。うまく作れて得意そうですね。