見慣れない銘柄がリカマンに出てたので買ってみました。山形なら外れはないだろうと思いましたので。「じょうきげん」とは良い名前ですね。
製造は酒田酒造。5つの蔵が合併してできた会社だと言うことで、中心になったのが「男山」で知られていた橋本酒造。なるほど、「男山」は聞いたことがあります。米の旨味を感じるねっとりした口当たりは、米沢の「富久鶴」を思い出させてくれます。40年前に免許合宿で米沢に逗留した際の土産に、酒屋で薦められて買ったのが「東光」と「富久鶴」でした。どちらも旨い酒で、東光は比較的手に入りやすいのですが、富久鶴は地元以外で扱っている店がほとんどなく、あの濃厚な風味は例のないものなので、長年焦がれておりました。山形県の中でも場所は違いますが、方向の近い酒造りを味わうことができたのは嬉しいです。
阿波晩茶風味のわらび餅という変わったものがあったので入手。一般に番茶と言えば品質の劣る茶葉を原料にした安価な緑茶とされていますが、阿波晩茶あるいは阿波番茶は、敢えて硬くなった茶葉を収穫し、発酵させて独特の風味を出します。紅茶や烏龍茶では茶揉みの前の発酵が主体ですが、阿波晩茶やプーアール茶(広東語ではポーレイ茶)では茶揉みの後の発酵がメインになるので後発酵茶と言われ、カフェインが少なく独特の柔らかい風味を持つようになるとのことです。製造に手が掛かることから一般の番茶とはかなりポジションが異なり、それで晩茶という字を当てるのでしょう。
製造者欄にある板野郡藍住町は、我が家のルーツのある松茂町から吉野川を少し遡った所ですが、阿波晩茶の産地である那賀町や上勝町はもっと南の山深い地域です。山の方で自家消費を中心に細々と飲まれていたお茶なので、松茂の方では知られていなかったようです。