いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

オッペンハイマー

2024年04月11日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

なぜ山に登るのか、と問われて、「そこに山があるからだ」と答えた登山家がいるそうです。なぜ研究するのか、なぜ知識を求めるのか、と科学者が問われれば、そこに知らないものがあるからだ、と答えるのでしょう。オッペンハイマーと同時代の核物理学者、ハイゼンベルクは「科学者は知識の奴隷である」と語ったことがあるそうです。オッペンハイマーという人物はまさしく知識の奴隷であって、どんなことであれ触れる物を知らずにおかない、という強い衝動を持っていました。当時のアメリカでは誰も関心を持たなかった量子力学の世界に飛び込み、ヨーロッパの高名な科学者を訪ね歩き、オランダで講義を頼まれれば6週間でオランダ語を詰め込んでオランダ語で講義を始めて聴衆を驚かせ、ふと出会ったインド哲学を理解するためにサンスクリット語を読解する。そこにはコスパとかタイパとかいう観念はなくて、とにかく知らずにおれないのです。

同じ流れで当時勃興した労働運動に首を突っ込み、共産主義者と交流する。党員の女性とも無防備に交流するから、プロパガンダの理解者だと誤解され、警戒心なしに男女の関係に陥る。ある意味無邪気な知識欲の塊である彼の行動を、周囲はアカだとか女たらし(映画ではwomanizerと称している。ホリエモン名誉棄損裁判で論点となった、女性化という意味は少なくとも辞書にない。理科系には常識のcatalizerも直訳すれば猫化装置になるのだが、実際は触媒のことである。言葉は慣用の要素が多いので、理屈通り直訳しても大外しすることがある。)と批判する。これが後に失脚の原因となります。これと対極に描かれているのが、核物理については何一つ功績がないのに、マンハッタン計画を踏み台にして政治家としてのし上がろうとしたストローズです。

会議でプランに反対され、笑い物にされた意趣返しに、オッペンハイマーに包囲網を敷き、社会的に葬ろうと狂奔する晩年のストローズの足掻き方は、あの天衣無縫のチャーリーを演じた人と同一人物とは思えないロバート・ダウニーJr.の見事な演技。役者は本当に何にでも化けますね。他にもマンハッタン計画の軍側の責任者であるグローブス将軍を演じたマット・デイモン、デンマーク出身の卓越した理論物理学者ニールス・ボーアを演じた演劇の至宝ケネス・ブラナー、トルーマン大統領役のゲイリー・オールドマン(アズカバンの囚人でシリウス・ブラック役)など、実力者が脇役を固めていて存在感が凄い。この重量級の脇役なくしては、話そのものが軽くなってしまいます。物語は対立に次ぐ対立で進行しますが、対立の双方に理があるから当事者は苦悩せざるを得ないので、これは子供が見る勧善懲悪のストーリーではありません。大変見応えのある、疲れる映画です。

この長編を見て、私が想起したのは「アラビアのロレンス」です。当時のイギリスによるアラブ支配の転換点を作り出した奇才で、本人は政策的な意図と言うよりはアラビアへの憧憬とも言える興味から現地工作の先兵となって働き、その奇跡的なアカバ攻略の後で、利権を確保したイギリス政府は邪魔者となったロレンスを現場から排除します。その余りに冷たい処置に同僚の軍人は鼻白みますが、事実かどうかはさておき、映画ではイギリスの策に乗ってサウジアラビアを手に入れたファイサルが、直前のロレンスとの対面で「我が友」と激賞したその舌の根も乾かぬうちに、「余は国王であり、そなたらは軍人に過ぎぬ」とロレンス切り捨てにお墨付きを与えます。余人をもって代えがたい働きをしたロレンスも、今回のオッペンハイマーも、政治の大きな流れの中ではチェスの駒として扱われたに過ぎなかったわけです。まあ、トルーマンがオッペンハイマーを優遇したところで、原爆投下を止められなかったという彼の苦悩が軽くなるものでもなかったでしょうが。ローレンスとオッペンハイマーはどちらも権力に利用されて、ほかの人にはとても及ばなかった人類史の転換を演出した人物であり、実はその意図はなくて、自分が招いた結果については苦悩と後悔を抱いて残りの人生を歩んだという大きな共通部分を持っています。

確かにイギリスのアラビア政策は今の中東の不幸を作り出した根本原因ですし、原爆が広島と長崎に人類史上初の災禍をもたらしたのは事実です。しかし今のガザ地区の惨禍が元々はイギリスが蒔いた種であり、決してロレンスを免罪できないにしても、彼個人の物語は魅力的で、「アラビアのロレンス」は名画と評価されています。同じ基準を用いるなら、「オッペンハイマー」が同等に評価されることは不思議がないと感じています。

ストーリーに大きな影響はないのですが、フレディー・マーキュリー役を熱演したラミ・マレックが物理学者の一人として出演していたり、パーティーでボンゴ叩いてるのが(名前は出ませんが)リチャード・ファインマンだろうなというお楽しみも用意されているので、お好きな人はディスクや配信で見倒して下さい。

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零戦

2023年09月06日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

零戦の設計主任だった堀越二郎氏自身の貴重な記録。次々と壁のように現れる課題に対応し、技術の集大成と言うべき戦闘機の完成に導くマネジメントの巧みさは、武器のみならずあらゆる物作りに通用するものだと思います。有名な沈頭鋲の採用や軽量化の技術、あるいは操作系の剛性をわざと落として、高速飛行時の操縦性がシビアになり過ぎないようにする手法は後にアメリカでも高く評価され、その後の機械設計に影響を与えたそうです。

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「知の逆転」他

2023年08月03日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

Bookoff長久手店で収穫。最近は民放テレビで「知の巨人」などという呼称が大安売りされていますが、そういうテレビタレント化した人ではなく、本当に業績のある人との対談集なので読む価値があります。大学受験の現国対策にも適当なのでは。こういう本を本体100円のワゴンから拾い上げるのは痛快。

これも本当の歴史学者による学術書。詳し過ぎて趣味の読書には少し重たいです。

これは実用的な本。敷居が低そうなのがいいです。

私はあまり読まないと思いますが、何かの参考にでもなればとついで買い。税込み110円は有難いです。

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土を喰らう十二ヵ月

2022年11月24日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

久しぶりに映画を見てきました。伏見のミリオン座です。2019年に伏見駅の北側に移転したのを知らずに、最初は御園座の方に行ってしまい少し焦りました。

直木賞作家、水上勉の随筆を原作とした「土を喰らう十二ヶ月」です。水上勉はお寺で修行した経験があり、お寺の典座さんから料理を学んでいます。畑や山野から取れる材料を、精進の精神で慈しんで頂く、今で言う「丁寧な暮らし」を毎日綴り、「美味しんぼ」の雁屋哲さんから「日本で唯一読む価値のある食の本」などと評価されています。

この映画が面白いのは、水上勉をモデルにした、丁寧な暮らしをする主人公を、沢田研二さんが演じていることです。他の配役なら、単に違和感がないだけで地味な映画で終わってしまったのかも知れないですが、彼の熟年になっても全身に漂う色気が、映画全体を華やいだ雰囲気にしていることは間違いありません。

沢田さんがこの役に全身全霊で打ち込んだのは間違いなくて、昭和前半の田舎家で畑仕事や採集、料理に時間と手間を掛け、それこそ朝起きてから夜寝るまで、天地に感謝を絶やすことなく生きている男の姿勢が、手抜きのない所作を通じてしっかり伝わってきます。「ジュリーが大根切ってる!」みたいな違和感は一切なく、演技がしっかりしているからこそ、スーパースターとしての色気が生きてくるものと思います。大した熱演です。

松たか子さんや火野正平さんもいい役をしているのですが、後半で少しだけ登場する檀ふみさんが、連想ゲーム時代のファンである私には嬉しいサプライズでした。「去年82歳の母をなくした」娘という設定は、実年齢にはちょっと合ってないと感じましたが、これはお父さん繋がりで起用されたな、と気付いた人が多いのじゃないでしょうか。

檀一雄は太宰治や坂口安吾などと同じ「無頼派」の作家と言われていて、丁寧な暮らしの水上勉とは生き方がまるで違うのですが、食事や料理への拘りは非常に強く、料理の本も出しています。親しいとまでは言えないですが、水上勉はこの7歳年上の小説家と交流があったらしく、「檀さんはあの小説の通りの人だなあ」と称したらしいです。「あの小説」というのは「火宅の人」ですね。交流があったとなれば、檀ふみさんは実際の水上勉に会ったことがあるのだと思います。映画に重厚さを加える、欠かせない脇役です。

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発明と発見の図鑑

2022年03月18日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

実家で発掘した昭和時代の学習図鑑。入手困難なので、状態のいい物ではオークションでは結構な値が付いていることもあります。監修の八杉龍一先生は動物学者、生物学史の学者であって、発明や発見一般については詳しくなかったはずです。ルイセンコ学説の支持者という、今では呆れるような履歴もあります。執筆の佐伯誠一さんについては詳しいことがわかりませんでした。

この劇画調の挿絵がいかにも昭和。当時は図鑑と言っても写真やカラーページはほんの一部でした。本が安くて気軽に買えた時代でしたけどね。

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プリズナートレーニング

2021年12月22日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

題名に惹かれて入手。前置きが長くて、スパルタの兵士のトレーニングとかローマの軍団の話を引用しています。21世紀の先進国において、「強くならなければ潰される」というプレッシャーが最も作用するのは監獄の中で、20年収監されていた著者が設備も道具もなしに体を有効に鍛え上げるために、交流のあった囚人や看守に学び、本を読み漁って実践したノウハウをまとめたものだそうです。

著者のポール・ウェイドは近代的なトレーニングに否定的な人で、バーベルやノーチラスマシンを「おもちゃ」、ジムでパンプアップしたビルダーの体も「筋肉付けて髪の手入れすら不自由になった」と見下します。この辺は各人のゴールの設定の違いであって、ヴィジュアルな誇張された筋肉やベンチプレスの数字を追い求める人もいるし、囚人として襲われないように「動ける筋肉」を必要としている人もいるので、必ずしもウェイドに全面賛成しなくても本書は役に立ちます。

具体的なトレーニング編の腕立て伏せの進め方、強度の高め方を見れば、このトレーニングが合理的なものであることは十分に理解できます。道具を使わずに、どれだけ筋肉や靭帯、関節などの自然な協調を保ったまま強度を上げられるのか、故障やステロイドの副作用に苦しまずにゴールを達成できるのか、やはり十分な考察と経験がなくては書けない本だと思いました。まだ全部は読んでないので先が楽しみです。訳文も曖昧さがなくて読みやすく、いい仕事だと評価できます。

 

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真実のインパール

2021年08月02日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

極楽息子(小)の夏休みの宿題用に買い入れた資料です。主計士官の立場から書いた戦記なので、直接の戦闘と言うよりは全体的な戦況とか補給の状況、食料調達の苦心などにページが割かれています。「ウ号作戦」つまりインパール作戦が当初から補給無視の無謀な作戦であったことは、作者にとっては見習士官として赴任して、作戦概要を初めて聞かされた時から明白でした。インパールを占領するという現実的な目標があったと言うよりは、陽動作戦として英軍を引き付けておいて、最重要戦場である太平洋での戦略を有利にする意味があったという記述もありますが、さすがにそれでは説明できません。わざわざ無謀な作戦で多数の死傷者を出すほどの理由にならないからです。

いざコヒマまで乗り込んでみると、数機の山砲しかない第31師団に対して、英軍は多数の重火器を擁しており、「一日にこちらが40発ほど砲撃するのに対して、敵軍は4万発を放ち、しかも狙いが正確になってくる」と比較にならない火力であり、その上多数の爆撃機と戦車を投入してきます。中国戦線で功を奏した(と言っても犠牲の多さを無視してだが)肉弾戦の突撃に対しても、多数の機関銃で簡単に制圧される。日本の計画は敵に筒抜けであり、飛行機の援護がないことも補給線が脆弱であることも知られていて、後方のビルマ縦貫鉄道付近に空挺部隊を送り込まれ、完全に補給線を断ち切られます。

多くの文献や報道が示す通り、インパール作戦は実行に移されたことが致命的な誤りでした。旧陸軍の意思決定に構造的な欠陥があったということは、きちんと検証されるべきだと思います。

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カーグラフィックまとめ買い

2021年04月27日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

Bookoffで1冊110円で入手。昔は発売日が待ち遠しくて新刊で買ってましたけど、最近はクルマに夢を見なくなったのか、どうしても見たいという気持ちにはならなくなりました。自動車の優劣を争わずとも、どれも実用上は十分によくできているし、個人的にも仕事と家庭でまあ充実してて、趣味として運転するだけの時間が取れませんからね。同じような境遇の人は多いはずで、国内の自動車不況、雑誌不況の出口ってあるのでしょうか。

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発掘本続き

2020年11月18日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

シュポルスキーの原子物理学は、文系の妹が教養で科学の講義を取っていて、参考図書として示されたので買ったそうですが、文系の講義でよくこんな本推薦するなあと呆れる難度。物理学科行かなきゃ宝の持ち腐れと言うものです。

砂川重信先生の理論電磁気学は、高校の時に先生の参考書を使っていたので買ってみましたが、やはり高校生向けの本と物理専攻向けの本は別物で、読むのに苦労しました。当時は高校の理科系用に「親切な物理」がベストセラーになっていましたが、私は砂川本のすっきりした記載を気に入っていました。

フェルミは名前につられて買ってみただけ。他の熱力学の本と内容は変わらないと思います。

流体力学は理学部でほんの少し噛っただけなので、レイノルズ数という用語を覚えただけ。とてもこの本の全容は理解できていません。

生物科学科だったはずなのに、今回の発掘本は物理や化学が多いですね。生物関係は実家に放置せず今の家に持って来たからでしょう。

 

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発掘本(量子力学)

2020年11月17日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

実家で発掘された本。理学部時代に買ったものですが、専攻は生物化学だったので、量子力学関係はあまり使っていませんでした。「微分方程式の解き方」は実践的な本で、単位を取るのに活躍してくれました。

こちらも量子力学。理系として少しでも噛っておかねばと肩肘張ってた若い頃を思い出します。結局身に付きませんでしたが、整理しておけばまた息子が使うこともあるでしょう。

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線形代数入門

2020年08月05日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

何十年ぶりかの大学教養課程の数学。大学に入った時、解析学の講義がこの斎藤正彦教授でした。当時は入試の数学から一転して不親切になった大学の数学に戸惑うばかりで、何もわからないまま終わってしまった気がします。生物系だったこともあって、大学で学んだ数学が、その後の人生でツールとして役立った経験は不幸にしてありません。

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東大多浪

2019年06月06日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

五月祭で売ってた本らしいです。普通の人は本気にしない方がいいですよ。

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項羽と劉邦

2018年11月13日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

 極楽息子(小)の愛読書です。面白いのはわかるんですが、中学受験を控えているので程々に。
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天平の甍 敦煌

2017年05月29日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

 井上靖の大陸物を2つ。「天平の甍(いらか)」は映画にもなった晩年の作品。遣唐使を描いていますが、井上作品によくあるように、単なる英雄賛美じゃなくて、むしろ国家エリートになれなかった留学生の苦闘と鑑真の偉業を並べて書いています。この辺になると、「闘牛」などの脂ぎった精力的な人物描写が影を潜め、執念の人である鑑真でさえも淡々と描かれています。留学僧としての半生を写経に費やし、その大量の写経と共に海の藻屑となった老僧など、国家的イベントの裏で、映画の主題歌にもあったように「名もなき星」として消えて行った人々への、静かな哀悼の意が込められているのでしょう。

 これに比べると「敦煌(とんこう)」の趙行徳は、長い自分探しの命を懸けた年月の末に、最後になって生きる意味を見出します。偶然に偶然が重なり、滅び行く敦煌の寺院に蓄えられた貴重な経典は秘蔵されて、数百年後に人類の宝として脚光を浴びる日を迎えます。さすがに話が出来過ぎている感はありますが、こんな偶然でもなければ、貴重な資料なんか残らないでしょうね。私は「闘牛」や「氷壁」から入ったので、「敦煌」の方が「天平の甍」ほど人物もストーリーも枯れてなくて、こちらの方が井上さんらしいなという気がします。
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フィンランドデザイン展

2017年05月15日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

 フィンランドデザイン展に行って来ました。

 館内は撮影禁止ですが、ところどころ撮影可能なスポットがあります。シンプルで飽きの来ないデザインを長く使う傾向があり、多様ではありますが共通するものがあるようにも思われます。

 予備知識はほとんどありません。マリメッコの名前ぐらいは聞いたことがあります。

 こんな大胆なデザインの椅子。映画などでもよく使われているそうです。椅子の展示は撮影禁止地区にもたくさんあって、そちらは高い木工技術を生かした長く使えそうなもの。成長が遅くて硬いフィンランド材を大胆に曲げて、美しい曲線を作り出す技法が際立っています。

 これも一見何かわかりませんが椅子。これだけデザインしても実用性をないがしろにしないところが北欧流。

 ムーミンのタペストリー。世界中で人気のあるトーベ・ヤンソンさんのキャラクター。これとは違いますが、有名なアラビア製陶のムーミンシリーズは長らく作られていなかったものを、たまたま名前が同じトーベ・スロッテさんがヤンソンさんの許可をもらって引き継いだそうです。
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