いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

バンコク、アユタヤを巡る(その2)

2011年08月31日 | 極楽日記(海外旅行)

 仏舎利塔の正面です。名古屋の覚王山にある日泰寺は、明治時代に当時のタイ国王から仏舎利を下賜されたことを記念して建立した寺院(覚王は釈迦如来のこと)なので、ここから分与されたことになります。

 制服を着た子供たちが引切り無しにやって来ます。恐らくはタイ全土から遠足や修学旅行で王宮を訪れるのでしょう。

 境内は金ぴかの仏塔ばかりではなく、緑豊かな庭園でもあります。ここではマンゴーもこんな大木に。

 マンゴーの花。きれいですが漆(ウルシ)科の植物なので触らないのが無難です。花の形も日本の漆に似ています。野山でこんな樹を見たら要注意。

 単なる金ぴか寺ではなく、装飾芸術として立派なので、なかなか見飽きないですね。

 それにしてもタイ人の仏塔好きなこと。

 何だか場違いな中国風の石像が。

 ここに限らず、王宮内にはこんな石像がたくさん見られます。ガイドさんによると、「タイから中国に行った商船が、帰りに載せるものがないので、船の安定のため錘として中国の石像を運んで来た。」とのことですが本当でしょうか。エメラルド寺院建立当時の清は乾隆帝の治世で、その勢力はほぼ絶頂であり、産業革命に先駆けた世界の覇者イギリスに対してすら、陶磁器と絹、茶の輸出で大幅な貿易黒字だったと言われています。もちろん、アヘン貿易が本格化する前ですが。

 ラーマキエンの物語を表した長大な壁画も見ものです。インドの有名な叙事詩、「ラーマーヤナ」のタイ版。全部で178場面もあるそうです。要するに、古代の英雄ラーマ王子と猿の王ハヌマーンが悪を滅ぼしてタイ王国の基を築き、その正当な後継者が今のラーマ王である、ということを示しています。今のプミポン国王はラーマ9世ですね。

 説明が書いてあるのですが、タイ語が読めません。タイの国語教科書にはラーマキエンが載っていますので、タイ人なら子供でも知っている内容です。
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バンコク、アユタヤを巡る(その1)

2011年08月30日 | 極楽日記(海外旅行)

 乗客を待つタイ国際航空のエアバスA330機。同社で一番保有数の多い機体だそうです。

 2006年に開港したばかりのスワンナプーム国際空港に到着したのは夜間です。骨組みがやたら強調されていて、素人目にはバウハウス流だと思ったら、ドイツ人デザイナー、ヘルムート・ヤーンの設計でした。高層ビルも仏塔みたいなデザインにしてしまうタイの人が、新空港だけは仏教色を薄めたのですね。エプロンにエティハド航空機が停まっていましたので、イスラム系に配慮したのかもしれません。

 最初の日は寝るだけでした。次の日も早いので、そそくさと朝食を済ませます。

 さあバンコク市内観光に出発。ホテルの前にも露天がたくさん出ています。α200のオートフォーカスが壊れていたので、フォーカスの合わない写真がありますがご容赦を。ちょうど1年前にも同じトラブルを起こして部品交換しているので、機構的に弱いみたいです。電子化によって普及機と高級機のスペックがあまり変わらなくなった昨今ですが、信頼性は大きく違うのでしょう。

 大都会らしく高価な新車が走るその傍らで、昔ながらのトゥクトゥクが活躍しています。2002年にバンコクでは新規登録が打ち切られたため、台数は年々減少しているそうです。意外なことにトゥクトゥクの起源は日本。かつて全国の郵便局が大量に保有していた3輪トラック(ダイハツミゼット)を一斉に4輪車に切り替えた際に、その中古車の多くをタイに輸出したため、便利な乗り物として定着したのが始まりとのことです。

 このゲートを通ると、

 金色に輝くワット・プラ・シー・ラタナー・サーサダーラーム、通称ワット・プラケーオ(エメラルド寺院)です。王宮にある儀礼用の寺院なので、住職がいません。この仏塔はラーマ1世の建立したプラ・スワンナ・チェディ。

 プラ・スワンナ・チェディを支えるのは、仏教を守護する大勢のヤック(鬼)。5歳の幼児にはお寺なんか退屈かな。

 本堂では靴を脱ぎます。

 この奥に翡翠のご本尊、通称エメラルド仏が収められています。中は撮影禁止なので画像がありません。

 日本の寺院とは趣味が大きく違いますが、立派な装飾です。

 巨大なプラ・シー・ラタナー・チェディ、つまり仏舎利塔。
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少し収穫

2011年08月24日 | 極楽日記(園芸)

 盛夏になってからサンチュはトウが立って葉も硬くなり、ミニトマトも勢いがなくなりました。サンチュの親戚のレタスは冷涼な地域を除けば真夏は無理だと教科書にも書いてありますので仕方がありません。ミニトマトはきちんと仕立てなかったため、茎ばかり伸びて実の方に回らないのでしょう。来年は改善したいと思いますが、見てないとすぐジャングルになってしまうので簡単ではありません。知識があればもっと要領よく手入れできるのでしょうけど。

 そんなわけで、今回はキュウリと少しばかりのオクラ、バナナメロンです。バナナメロンは瓜の一種でとても甘いらしいです。状態が良ければ全長50cmにもなるはずなのですが、暑さとカメムシのせいか枯れてしまったので、小さい状態で回収する羽目になりました。これじゃ食べてもおいしくないでしょう。オクラは品種の選択を失敗したらしく、今年のはたいして大きくなくても硬いです。初夏はサンチュとミニトマトが好調でしたが、7,8月はキュウリと、偶然収穫できたスイカだけのようです。こうなったらサンチュとオクラは早いところ見切って、秋植えの葉菜に切り替えですね。
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生きもの地球学校(その2)

2011年08月23日 | 極楽日記(日帰り)

 動画の内容は月並みで、メダカ館内の説明と大差ありませんでした。面白かったのはバックヤードツアーです。800の水槽を6人の職員で分担して世話しているそうですからこれは忙しそう。家庭で金魚を飼うのとレベルが違います。

 毛糸に付着したメダカの卵。水草に産卵する種類ではこうやって産卵場所を確保します。これは希少種を確実に維持するための知恵でしょう。生きている水草だと、何が付いているかわかりませんからねえ。種類によっては川底の砂利に産卵するものもあります。

 メダカの卵と言っても多彩です。染色してみると大きさがわかります。左のは大きな種類、右のは小さい種類です。日本メダカは体の割りに大きな卵で知られています。

 乾季に水が干上がる地帯でも、しぶとく生存する種類もいます。親は死にますが、卵は乾燥に強く、少しの湿り気があれば3ヶ月間もの乾季に耐えて、雨季になると孵化します。このような種類を維持するためには、卵をピートモスなどで保護して乾燥させておきます。

 こういう雰囲気はいかにも研究室。種名にOryziasとあるものが多いですね。Oryzias latipesが日本メダカ。oryzaはラテン語で稲です。戦前に鈴木梅太郎が、世界に先駆けて脚気予防因子として米ぬかから抽出した物質を「オリザニン」(今のビタミンB1)と命名したのも同じ語源です。メダカの生息域と稲作地域は明確に重なっており、伝統的な水田の環境がメダカの成育に極めて適していたことから、多くのメダカが「田んぼの」という意味の種名を冠しています。

 バックヤードを見た後だと一層興味深く観覧できます。ここのメダカは田んぼまで作ってもらって幸せですね。このメダカは「メダカの先生」として著名な故山本時男名大名誉教授が70年前に採取した、いわゆる名古屋メダカの子孫です。

 絶滅危惧種のウシモツゴ。見えないって?

 小さいのがウシモツゴです。昔は佃煮の材料だったそうです。
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生きもの地球学校(その1)

2011年08月22日 | 極楽日記(日帰り)

 CBCテレビと東山動植物園、名古屋港水族館の連携企画である「生きもの地球学校」に参加して来ました。かつてNHKで放送していた「生きもの地球紀行」に酷似しているのが気になりますが、ローカル局のやることなので特にクレームもないのでしょう。

 本日の会場は東山動物園の「世界のメダカ館」です。短い動画と実験、メダカ館のツアーがありました。

 立派にメダカ博士になれるでしょうか?

 世界のメダカ館では、この地方の貴重な淡水魚の維持にも力を入れています。イタセンパラもネコギギも、環境省のレッドブックに、近い将来の野生種絶滅の可能性が高いと注意が喚起されている絶滅危惧種です。

 これはメダカが流れに逆らって泳ぐ性質を示す実験器具。メダカの泳力は体が小さいためたいしたことがなく、秒速20cmぐらいの水流で流され始めるのですが、石や水草があれば、その陰に巧みに隠れてそれ以上の流れにも耐えられるそうです。最近は人工的な川床が増え、メダカが隠れる場所も少なくなったのが生息域を狭める原因になっているようです。河川の管理者にしてみれば、流れが速やかな方が都合がいいのでしょうがね。

 メダカが水流に向かって泳いでいるのがわかります。メダカは群れを作る習性があり、こんな姿はかつて水田の水路などで当たり前に見られました。最近の水田管理は効率を求めて用排分離と言われる方式が多くなっており、排水速度が上がっているため水田から出てしまったメダカは戻ることができません。水路にはカダヤシやブルーギルなどの競合外来種も増えており、メダカにとって厳しい環境になってきました。
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ぱぱとままだいすき

2011年08月19日 | 極楽日記

 子供を育てていると苦労も多いですが、こんなのを見るとすべて吹き飛びます。
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お盆

2011年08月18日 | 極楽日記(豊川)

 墓参りに豊川に行きました。極楽息子(小)はいつも元気いっぱいで、成長振りがばあちゃんの楽しみになっています。
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ポンポン船を作る

2011年08月17日 | 極楽日記

 19世紀のヨーロッパで発明されたと言われる最も単純な蒸気機関、通称ポンポン船です。

 私が子供の頃は、ポンポン船と言えば旧型の焼玉エンジンで動く実用の小船のことで、港に行くと港湾作業用の小船や小型の漁船が「ポンポンポンポン」と単調な音を響かせて動いていました。焼玉エンジンの原理を解説してくれるページがありました。構造が簡単で粗悪な燃料でも動くため、ローコストのエンジンとして多用されましたが、高圧噴射ポンプを備えたディーゼル機関と比べると圧縮比が低くて燃費が悪く、未燃焼ガスや排気ガスの漏れもひどかったため、次第に使われなくなりました。

 その後、ポンポン船はおもちゃのことを指すようになったみたいです。構造はこれ以上簡単にできないほどで、エンジンと言っても曲げたアルミパイプとロウソクがあるだけ。パイプに水を満たした状態でロウソクに点火して加熱してやると、パイプ内で蒸気が発生して水を噴出することで進みます。

 ロウソクの熱量はたいしたことないので、両側の開口部のどちらかから水が入り、また加熱により蒸気が発生して推力が続く、という仕組みです。水の噴出が断続的になるのでポンポン船というわけです。簡単ですが蒸気機関には違いありません。蒸気の発生と新しい水の供給のバランスが崩れると動かなくなるので、簡単に見えてパイプの長さや曲げ加減、ロウソクの大きさなんかは難しいのかもしれませんね。息子の工作にはぴったりです。
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トリックアート展(その2)

2011年08月16日 | 極楽日記(日帰り)

 こういう「飛び出す絵」が今回の展示の中心です。トリックアートには他にも錯覚を利用したものとか、だまし絵とかいろいろな種類があり、それぞれ作家がいるようです。

 写真にしてしまうと立体やら立体に見せかけた絵やらわからないので、面白さはあまりないですね。この展示が写真撮影OKなのがよくわかります。実際に行って見ないとどこがトリックかわかりませんから。

 飛び出し絵もそろそろ飽きてきました。

 夏らしくサーフィンもしてみましょう。

 遠近感を狂わせて巨人や小人になれる部屋です。

 原理は単純ですが丁寧に仕組まれており、こうして見るとかなりインパクトがあります。

 最後は巨大な恐竜に食べられて終わり。
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トリックアート展(その1)

2011年08月15日 | 極楽日記(日帰り)

 極楽息子(大小)は名古屋駅のトリックアート展に行って来ました。栃木県那須にトリックアートの館という美術館があって、そこから出張してきたようです。

 まずは水族館かな。トリックアートにもいろいろありますが、今回展示されているものは、遠近感を強調した飛び出し絵が多いようです。

 トリックアート展の広告にあった東京タワーです。 

 天井に張り付いた二人。

 マジックの古典として知られる鏡を使ったトリック。極楽息子(小)が近付き過ぎて下半身が映り込んでしまいました。

 こっちが意図されたトリックですね。嬉しそうにしていますが、ここは怖い顔をする方が似合います。
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根羽村で村の子になる

2011年08月12日 | 極楽日記(日帰り)

 パパが仕事に行っている間に南信州の根羽村に行って来ました。

 大きなトウモロコシを収穫します。

 カレーも山で食べると一味違うでしょう。

 さあ川遊びだ。根羽川は鮎とあまごの釣りで賑わうところです。

 自分で獲った魚を塩焼きにしてもらいました。

 お土産は新鮮な野菜です。お疲れ様。
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パンが焼けました

2011年08月11日 | 極楽日記

 またパン教室に行っていろいろ作らせてもらったようです。自慢のパンが並びました。
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スイカ割りしました

2011年08月10日 | 極楽日記

 先日のスイカです。こうやって持つと大きい。

 さすがにお兄ちゃんは軽々と持っています。

 せっかくなのでスイカ割りをしたそうです。と言っても居間でスイカを割るわけにはいかないので、新聞紙で叩いて遊んだだけ。

 当たりました。スイカに亀裂が入っていますが、これは落として割れたものです。
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リョービAK-6000

2011年08月09日 | 比べてみよう

 オークションで買った芝刈機、マキタMUM236と、手刈りで何とか庭の草刈りに対応しようとしてきましたが、年々芝生が剥げて雑草の勢いが強くなり、さすがに限界を感じました。今度は芝刈機の転用ではなく、草刈り専用機のリョービAK-6000を導入しました。プロが刈払機と呼んでるこの形です。

 家庭用の、ナイロンコードを振り回して草をなぎ払うタイプの草刈機は使ったことがあります。切り口が潰れて汚くなるのと、硬い根っこを処理するのが難しいという欠点はありますが、安全性が高く、植木や外構のすぐ傍でも使いやすいのは利点です。

 しかし、今回は敢えてロータリーカッター(チップソー)型。電動としては大き目の560Wです。これはパワーが欲しかったから。この点ではエンジン式が理想なのですが、騒音や排気ガス、メンテナンスの問題があり電動に落ち着きました。リョービでは「22ccエンジン式並の使用感」と言っているみたいです。22ccの2サイクルエンジンは2馬力近くあるはずなので、1馬力=0.75KWの換算式によれば1.5KWぐらいないと同等にはならないのですが、「同等の出力」じゃなくて「同等の使用感」なので明らかな間違いではありません。ともかく電動では強力な部類です。

 使用感は、やはりナイロンコードとは大違い。表層の土まで削れてくる感触で、雑草の根を処理するのがずっと楽になりました。これなら短時間で庭を丸刈りにするのは難しくありません。反面、石や構造物のある所では使えませんし、剥き出しの刃を回転させている以上、事故防止には細心の注意が必要なので、当たり前のことですが用途による使い分けが必要です。
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新生科学館へ

2011年08月08日 | 極楽日記(日帰り)

 名古屋市科学館でも恐竜展を開催しています。新しくなってから初めての訪問です。

 巨大なダシアティタンはとてもカメラに収まりません。会場が福井県恐竜博物館に比べて狭く、暗いのも大きな原因です。旧科学館と比べて面積はたいして変わっていませんから、呼び物の巨大プラネタリウムが脚光を浴びる反面、こうした企画スペースは手狭な感じがします。安易に建築面積を増やすのも賛成できませんので、こうした臨時展には戸外のスペースを使ったらどうかと思います。科学館の位置する白川公園は名古屋市の管理する都市公園であり、科学館と名古屋市美術館が中心施設ですが、緑地と若干の空き地があって、サーカス公演などに貸し出しています。サーカスのテントが設営できるのなら、仮設建築で一時的に科学館や美術館の展示スペースを増やすことに何の問題もないでしょう。

 フラッシュが後ろまで届きませんね。福井ではレプリカ展示が主体のため館内がかなり明るかったのですが、この「黄河恐竜展」は本物の骨格標本なのだと思います。劣化を防ぐため暗くなるのは仕方のないところです。

 子供にとってはレプリカだろうが本物だろうが気にならないかな?

 福井の恐竜博士が名古屋まで出張していました。

 こちらは常設展示。新生なった理工館です。日本が世界に誇る地球深部探査船、「ちきゅう」の精密模型。本物は全長210m、5万6千トンという巨船です。日本の海洋探査は世界水準であり、それなりに巨額の予算が投じられています。

 しかし「ちきゅう」とは関係がないものの最近では研究グループが太平洋で地上の1,000倍という巨大なレアメタルの鉱床を発見するという快挙がありました。これは単に学問上の業績と言うだけでなく、それまでほぼ独占に近いレアメタル輸出国として横暴な振る舞いが目立った中国が、この発見を機に態度を軟化させ、日本と諸国へのレアメタルの安定供給に貢献したという実益もあります。科学技術の振興はすぐに利益になることを意図していませんが、中長期的には産業の発展を大きく左右します。これはその貴重な実例です。

 特に海洋開発や地下資源の探査は大きな実益が見込まれる領域であり、ばらまき的な地方の公共工事よりも、学術的な探査に予算を配分することは考慮されていいと思います。有効な利用の見込めない「おらが高速道路」や日韓トンネルより、広大な海洋地殻の探査の方が将来の日本経済に貢献するように思いますが、どうでしょう。マンガン団塊やメタンハイドレート、今回のレアメタル鉱床みたいな大発見は簡単じゃないでしょうけどね。

 比重の違いを体感する実験。さすがに1Lでもタングステン(比重19.3)は重い。主要金属では最も重く、金とほぼ同じ比重です。さすがにこんな実験器具に金塊は使えません。タングステンは高くなったとは言え1kgで4,000円程度。金ならグラムで4,000円以上なので3桁も違います。

 振動の実験です。旧館にもありました。

 竜巻の発生をシミュレートします。前のよりずっと大きくなりました。

 これは懐かしい。昔の実験器具がそのまま使われています。

 生命館は化粧直しだけなので、旧館の設備がそのまま。

 旧館で人気のあった水ひろばもリニューアル。子供は水遊びが好きですから。

 「なつかしのてんじ」とある狭い一角は、科学館の長い歴史を物語るもの。半世紀に渡り、子供の科学に対する興味を啓蒙してきた自負が感じられます。立派なことです。

 旧理工館が開館した1964年当時からある蛸の模型。地味な展示ですが、往時を思い出す人も多いでしょう。
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