いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

残暑も終わりですね

2005年09月29日 | 極楽日記
 名古屋は残暑が厳しいところなので、「9月になったら秋」という実感があまりありません。朝夕が涼しくなってきて、昼間の暑さが居座っているような熱帯夜がなくなると、ようやく秋だなと思います。

 今年の夏は、万博とお婆ちゃんの家以外にほとんど出かけていないので、極楽息子の夏の思い出は万博に尽きるでしょう。でも、広くなった家でたくさん遊べたし、おもちゃもいっぱい買ってもらえたし、いい夏だったのではないでしょうか。

 写真は幼稚園で仲良しの女の子とプール遊びです。大学の医局では、我が家がプール付きの豪邸に引っ越したことになっているらしいですから(笑)。でも、アパートのベランダにもプールは置いていましたよ。
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カモネちゃんばいばい

2005年09月28日 | 極楽日記(日帰り)
カモノハシのカモネちゃんはオーストラリアに帰ったんでしょうね。いつの日かオーストラリアで会いましょう。(ヤフオクに出てたという話もありますが。)
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キッコロ森に帰る2

2005年09月28日 | 極楽日記(日帰り)
キッコロが大好きな極楽息子のためにアンコールです。
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キッコロ森に帰る

2005年09月27日 | 極楽日記(日帰り)
 モリゾーとキッコロは森の精ですから、多分、森にいるときは人の目に見えないんでしょう。見えないけれど、小さな森のどこにでも森の精がいて、人間のすることを見守っているんでしょうね。

 これからはモリゾーとキッコロに会いたければ、万博会場や土産物屋ではなく、ぜひ森にお出かけ下さい。耳をすませば、きっと聞こえる人には聞こえる声で語りかけてくれるはずです。
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さよなら地球博

2005年09月27日 | 極楽日記(日帰り)
 当地で何十年に一度のイベント、愛・地球博がついに閉幕しました。旧型の「ランカイ屋」さんから、東京主導でやらないと地方博に過ぎないとか言われながらも、2,200万人の入場者を集めて財政的にも黒字。地元からも海外からも賞賛の声。まあこれ以上の成功は望めないでしょう。

 何よりも、名古屋市の人口の10倍の入場者数を迎えながら、事故らしい事故が皆無だったのは誇っていいでしょう。関係者の皆様のご尽力を称えたいと思います。お蔭様で、最終日までこの歴史的なお祭りを堪能させて頂きました。

 極楽親父は幼稚園時代の大阪万博がトラウマになっていたため、万博などという大混雑、大行列、大混乱必至のイベントには近付きたくもなかったのですが、臨機応変で適切な運営と、入場者の寛容が、負のイメージをかなり払拭してくれました。

 イベントはあまり見れませんでしたし、ドイツ館にも入れませんでしたが、ただただ行列と疲労しか記憶にない大阪万博に比べれば、人気の企業館も楽しませて頂きましたし、水の広場は極楽息子のお気に入りの遊び場となりました。35年も経つと、社会にも知恵や経験が蓄積されるもののようです。
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浴室暖房

2005年09月22日 | 比べてみよう
 アパート時代に浴室暖房機が設置されていたので、4月に中古一戸建てに移ってから「冬はどうしようか?」と心配しています。いよいよ夏も終わり。寒い風呂との戦いが現実になってきました。そこで今日は浴室暖房機の検討です。

 本当はエネルギーの消費を増やすのではなく、TOTOの「魔法びん浴槽」とか松下電工の「真空断熱浴槽」みたいな高性能システムバスを入れて、環境と家計に貢献したいところですが、極楽家の風呂は昔ながらの現場施工型というやつで、壁も床も冷たそうなタイル張り。システムバスへの変更は大工事になりますので、残念ながら今回は暖房だけを考えます。

 ただし、将来のバスルーム改修は検討課題です。住宅は水廻りから腐るということで、購入時に大きなトラブルがないことは確認しているのですが、システムバス(昔の言い方でユニットバス)と比べて水漏れ対策の甘い在来型の風呂場で築14年ということから、資金に余裕ができれば躯体に負担の少ないシステムバスに交換したいと思います。従って、暖房機への過剰投資は避けなければなりません。

 浴室暖房機は、大きく分けてガスと電気の2種類あります。4月まで住んでいたアパートのはガス式でした。ベランダにガスボイラーである室外機があって、ここで湯を沸かし、室内の熱交換器を介して空気を暖めます。一方の電気式は要するに電気ストーブ。室外機と室内機が必要で複雑になるガス式に比べて、電気式はシンプル。

 このため、機器の値段と工事費用では電気式が安いようです。ガスは発熱量が4kW前後と大きく、暖房能力が高いことを売り物にしています。確かに、ガスと電気の洗濯乾燥機を両方使ったことがある極楽親父としては、ガスの強力なパワーは信用できます。昔の電気乾燥機は乾くのに時間が掛かりましたから。

 しかし、TOTOの電気式浴室暖房乾燥機「三乾王」には200V仕様があり、最大出力は2.7kWと強力。ガスの4kWより小さく見えますが、室外のボイラーで燃焼させるガス式では、空気中にかなり熱が逃げます。また、熱交換器で回収できない熱が湯として捨てられますので、ここでも効率が低くなる。

 ガスボイラーで湯を沸かし、熱交換器で暖房するシステムでは、熱効率が80%ちょっとと言われていますので、実質的に供給される熱量は3.2kW程度であり、ガスと電気200Vのパワー差は僅少です。

 電気式で心配なのが電気容量。電気で2.7kWは、100Vなら27Aにもなってしまい、ブレーカーがしょっちゅう落ちることを覚悟しないといけませんが、200Vで供給すれば半分の13.5AでOK。「電灯B」の契約容量は60Aまでなので、これなら基本料金の高い「電灯C」に変更しなくても済みます。これに加えて、我が家の照明は白熱電球が多いため、代替時に1つ1つ電球型蛍光灯に換えていくことで、電力を節約できます。もちろん、エアコンの代替時には200V仕様を入れるべきでしょう。

 ガス式も昔に比べれば進歩しており、除菌イオンとか、ミストサウナとかの付加価値を宣伝しています。しかし初期費用の高さは如何ともしがたく、極楽家の条件では電気式200Vに軍配が挙がりそうですね。
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ついに入場制限

2005年09月19日 | 極楽日記(日帰り)
 とうとうやられました。北ゲート外のリニモのガード下に、何千人も収容できそうな空地が用意してあって、次々にそこに誘導されたので、「これはやる気だな。」と思ってケータイから地球博ホームページ見たら、12時30分より入場制限を予定、とはっきり出ている。

 これはかなわない、と一家3人で脱出して参りました。運営者が入場制限を発動したのは当然の判断で、事故が起きる前に手を打ったのは評価できます。そんな状況で、なぜ行ったって?うーん、世の中には諦めの悪い人もいる、特に極楽家には、ということです。

 写真は、もちろん18日のものじゃありません。極楽息子が好きなマオリのダンスを踊ってくれたおじさんと記念撮影しました。
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デカレンジャーロボを探せ

2005年09月16日 | 極楽日記
 我が家の極楽息子は去年の「デカレンジャー」、今年の「マジレンジャー」のファンでして、まず起きている間は朝から晩まで他のことを考えているように見えない。置いとくと同じビデオを5回でも6回でも見ているし、キャラクターの名前やアイテム、コマーシャルの歌までしっかり覚えてる。この集中力を有効に使えたら、とは思うのですが。

 この「戦隊シリーズ」がおもちゃメーカーとの綿密なタイアップでできていることは、世のパパとママならご承知でしょう。おもちゃを売るために番組を作る、あるいは売れそうなおもちゃの企画に合わせて登場メカを決める、と言った具合です。あまりに見え透いてるんで、買ってやるものかと思っていたんですが、やっぱりムリ。

 あまりに欲しがるものですから、お友達の家に遊びに行くと、目当てのロボットから離れないし、スーパーに行っても勝手におもちゃ売り場に飛んで行ってしまう。これじゃ、おもちゃで釣れば簡単に誘拐できるなー、と心配になりまして、せめて仲のいいお友達が持っているものぐらいは買ってあげようと方針転換しました。

 今年のマジレンジャーのおもちゃはどこにでも売っているのですが、面倒なのは去年のデカレンジャー。近所のスーパーにもトイザラスにもありません。在庫管理の上手な店なら、放映終了後はさっさと処分しているはずですね。デカレンジャーロボは定価7,000円ぐらいで、最後は4,000円を切って処分されていたはずです。

 それじゃ個人商店は、と思っても、昔ながらのおもちゃ屋さんって本当に少なくなりました。つい最近も、極楽親父が勤める病院の近くのおもちゃ屋が閉めることになりまして、閉店セールをしていました。在庫をすべて半額!という思い切ったバーゲンです。

 肝心のデカレンジャーロボは…あったのですが、初期生産のサンプル品のようで、箱にマジックで印がつけてありました。これじゃプレゼントに使えないや。しかも値段も安くない。初期生産品は品質が安定しない可能性がある。何せロボットなんだから。(w

 現行商品なら半額は買いです。でも、このデカレンジャーロボは売れ残りの品。極楽親父は店に行く直前にネットオークションで相場を調べていましたから、箱が汚損している初期ロットモデルならもう少し引けるはず、と踏んで「3,000円なら買うけど」と持ちかけました。

 残念ながら、店主さんは丁寧な言葉遣いながら、かなり興奮した感じで値引きを拒否されまして、この店での購入はなりませんでした。「半額で買っていただける方にだけお売り致します。」とのことなんですが、商品の相場をご存知ないようですね。

 それに、利幅の薄い最終処分バーゲンなんて、どうせ赤字なんだから値引きしてでも売って現金に替えるべきでしょう。売れずに持っていたところで、最後はバッタ屋に二束三文で買い叩かれるのがオチだし、儲からない店を1日でも余計に開けておけば、それだけ経費も掛かります。この店主さん、商売には向いていなかったようですね。閉店に際して、「見切り千両」という格言を贈りたいと思います。

 デカレンジャーロボの方は、ビッダーズに2,990円で大量出品しているお店が見つかりましたので、送料を入れても4,000円で何とかなりそうです。
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外見から中身を診断する

2005年09月13日 | 病理学もしくは病理医
 胃がん検診などで、内視鏡を飲みますね。内視鏡は基本的には光ファイバーの束で、先の部分が蛇の頭みたいにくねくねと左右に曲がるようにできており、胃の中を自在に観察できるものです。

 これが実に多機能で、照明はつく、写真は撮れる、レンズが汚れたら水を出して洗う、薬剤を散布する、さらにオプションで注射はするし、止血操作や切開もする、レーザー光線で組織を焼くこともできる、という優れたもの。ここまでくると医療ロボットと言ってもいいほど。

 この内視鏡の大切な役目に、組織のごく一部を摘み取ってくる「生検」があります。「胃角部に潰瘍があるけど、この形だと癌の可能性もあるな。」という場合に、その潰瘍の縁のところから組織の小片を採取して、ワイヤーで引っ張ると瞬時に問題の組織が医師の手元に。これを乾かないようにホルマリン溶液に漬けたところから、病理の仕事が始まります。

 ホルマリンが組織の中まで浸透し、これを処理して顕微鏡標本(プレパラート)にするまで、小さな材料なら2,3日。検体の配送や登録、そして診断の手間を入れますと、もう少し時間を頂くことになります。内視鏡検査をしてもすぐに結果が出ないのはこのため。

 プレパラートを見て「単なる胃炎」か「癌」かを決めるわけですが、その手掛かりになるのは細胞そのものや細胞が作る構造の形、つまり「形態」です。組織診断学の基本は形態学に他なりません。

 簡単に言えば、「外見から中身を判断する」技術であります。人間の善悪を外見から判断するのは良くないこととされていますが、それはやり方の問題です。十分な情報と経験がないのに判断すれば、相手が何だって良くありません。十分な技術があれば、とても有効な手法になります。

 「そろそろ雨かな」とか「この店まずそうだな」、「今日は調子良さそうだね」、「前の車は停まるんじゃないか」など、外見から中身を判断する術はいくらでもあります。人間の五感は非常に優れたセンサーですから、これを駆使して豊富な経験で判断すれば、かなりの真実は見抜けるもの。

 この技能を個人の経験にとどめず、学問として共有し、高めていく。このような診断、評価の技術体系はいくつもあります。例えばワインのテイスティングや、美術品の鑑定、乗り心地や肌触りの検査など。

 組織検査は膨大な医学の知見を背負ってはいますが、診断技術そのものはこうした官能検査に近い側面がありまして、胃炎か癌かの診断というのは、美術品や骨董の鑑定にも似ています。
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都市部の票を国政に

2005年09月12日 | たまには意見表明
 総選挙は自民党の圧勝でした。これは極楽親父にとって想定の範囲内。「劇場型」と言われる小泉流のパフォーマンスが、単純な構図を求める有権者の動向を見事に捉えており、労組を気遣って歯切れの悪い民主党を圧倒するのは最初から見えていました。ただし、後述しますが現行の選挙制度では、です。

 郵政民営化そのものは争点として有効でした。全国一律のサービスと言えば聞こえはいいのですが、都市部の大幅な黒字を地方にばら撒き、しかも民間企業の参入を阻害している郵政のあり方は、税金ばかり払わされて縁もゆかりもない地方を養わされていると思っている都市部サラリーマンの批判対象となったようです。「税金のみならず、郵便でも地方に貢いでいるのか!」という不公平感ですね。

 郵便貯金の巨大さと融資対象の怪しさについても、広く知られるところとなりました。都会から見て「必要のない」「無駄な」地方事業は、郵便貯金が原資だったのか。赤字国債を高値で買い続けるのも不健全だ。よし郵政は民営化だ!こんな判断がなされたのでしょうか。

 今回は今まで地方主導だった自民党に、都市部無党派の支持が集まり、都市型政党としての性格も見えてきた、というところだと思いますが、留意すべきはこれが小選挙区での選挙結果だということ。自民、公明合わせて3分の2の議席を確保しましたが、各選挙区の得票率を見れば、そんな圧倒的な支持が集まったわけではありません。

 郵政はともかく、更に根深い税制や年金、医療の改革を進めるためには、高い支持率が必要となります。強い反対のない改革は実効のある改革ではありません。抵抗勢力を切り崩してこそ改革だからです。その際に、小選挙区のマジックで得ただけの「水増しされた」議席で議論を進めようとしても、強い不平等感により多くの支持を得られないでしょう。

 自民・公明連立政権が本当に都市部勤労者の意見を代弁するようになるには、やはりこの勝利に乗じて選挙制度を改革することが必要だと思います。「1票の格差」が大きく、死票が多い、つまり少し人気が出ただけで地すべり的な大勝利を得られる小選挙区ではなく、負担した税額を反映できる中選挙区あるいは比例代表制に。

 これが実現しなければ、地方での根深い利益誘導政治は形を変えて残ります。今回の選挙でも、中村喜四郎、鈴木宗男両議員が復活当選を果たしているように、古い「おらがセンセイ」体質は簡単に払拭できません。両名とも自民党を離れているとは言え、中央とのパイプ復活を狙っていることは明らかであり、将来とも復帰がないとは言い切れません。1票の格差が少なければ、あるいは全国区に近い選挙制度なら、このような候補が当選する確率は低くなるはずです。

 民主主義の原則は「代表なくして課税なし」です。勤労者のための改革が実現されなければ、日本は古い自民党的体質を抱いたまま衰退していくしかありません。
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万博で家長の威信を保つの記

2005年09月10日 | 極楽日記(日帰り)
 威信というのは、もちろんモンゴル館でコスプレしてるからじゃありません。気合と幸運で、人気の企業館を次々に予約できたからです。最初は地元の出足も鈍かった万博ですが、終わりが近付くとやっぱり惜しい気がします。

 極楽家も有終の美、ということでトヨタ館を予約しましたので、16日に行って来る予定です。
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ビール屋が遠い2杯目

2005年09月09日 | 極楽日記
 どうもビールの話は受けが良かったみたいなので、調子に乗って2杯目といきましょう。「このビールが一番」と決めて飲むのもいいですが、本当に楽しいのは飲み比べ。ピルスナーとか、エールとか、ベルギーの修道院ビールとかを集めて、仲間と騒ぎながらああだこうだと杯を重ねる。

 実は大学の病理学教室に在籍している時、いつの間にか予定表に書き込まれる「クレブスパーティー」の文字が。クレブスはドイツ語で癌。今はあまり使いませんが、年配の医者はドイツ語で勉強していますから、癌のことを日頃からクレブスと呼んでいる人はまだいます。すると、癌の研究をしている教室だから、クレブスパーティーとはつまり内輪の研究会か何かかな?と新人が考えればこちらの思う壺。

 実は宅配で蟹を注文して、蟹とビール又はワインで日頃の仕事の垢を落としましょう、という教室の飲み会だったんですね。ちなみに命名者は当時の宴会担当だった極楽親父でございます。ドイツ語の「クレブス」は蟹なんですが、癌の広がる様子が、蟹が手足を広げる感じに似ていることから、癌のこともクレブスと呼ぶようになってしまったらしいです。

 ともかく、こうして多種のビールを飲み比べしてみると、たかが大麦とホップと水だけで多彩な味わいができることに驚きます。「酒はその土地の食べ物に合わせて造られるもの」とは昔から言われていることで、土地が違えば食べ物も人も違い、酒もそれぞれ違います。違いこそあれ、それぞれにおいしい酒を造ろうとした結果ですから、ひとつひとつの精進の精華を味わうことは本当に楽しい。

 こうして考えるとつまらないのは全国銘柄の大メーカーのビール。どれ飲んでも変わりばえがしないし、メーカー間の差も少ないから、並べて飲む楽しみがない。最近になって、少しは特徴をつけているようですが。

 腹が立つのは、日本のメーカーでも輸出用にはけっこういいビールを出していること。日本人の味覚は外国人に劣るものではありませんから、おいしいビールも造れる。しかし歪んだ税制と極端なコストダウンのため、国内ではいい製品が出せない。またビールは広告で飲ませるもの、という悪しき伝統にも引っ張られて、長い目で見て消費者を啓蒙して来なかった業界の責任もあります。

 飲み比べでキレのいいピルスナーばかり飲んでいると、いくら「ベックス」がおいしいとは言え、たまにはどろっとしたエールなども楽しみたくなる。こんな時、エールとしては癖が少なく飲みやすい「バス」なんかも人気がありました。ちょっとスモーキーな風味があって、特にタバコを吸う人には受けが良かったように思います。

 「バス」で物足りない人には、「知多繁」で手に入る最強のエール、「オールドニック」ですね。ドラキュラの絵がラベルに大きく描いてあって、飲む前から貫禄十分。とにかく濃くて重くて、ピルスナーしか飲んだことない人には「何じゃこりゃ!」って感じでしょうが、清濁併せ呑むような豪快な味わいは他にないもので、病み付きになるビールの筆頭です。本場のパブで飲める自家醸造のエールって、多分こんな感じなんでしょうね。

 この「オールドニック」にはみんな圧倒されるのですが、更に驚くのが、「またベックスにしてみよう」と戻った時。強烈なエールの後に飲んでも、ベックス君、全然負けてないんですよ。これは、単に咽ごしがいいだけではなく、豊かな風味と鮮烈なホップの効きがあってこそ。飲んでも飲んでも飽きない私のスタンダードです。
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ビール屋が遠い

2005年09月07日 | 極楽日記
 名古屋の端っこに根を張って、待望の一戸建に暮らし始めた極楽家ですが、広さを優先したため交通事情はやや不便でありまして、特にアルコール入りの目薬が欠かせない極楽親父としては、大好きなビールを買いに行くのが不便で少し参っています。

 ビールなんてどこにでも売ってるって?そんな反応をする平均的な日本人の皆さん、あれはビールじゃありません。ドイツのビール純粋法を持ち出すまでもなく、ビールの味がしないからです。日本のビールはおいしい?日本のメーカーは日本の食事に合わせたビールを造っている?ビールは1杯目が一番?全部ウソですよ、そんなの。

 ワールドカップや万博で日本に来た外国人旅行者は、恐らく日本のビールの異常な高さとまずさに言葉を失ったはず。その証拠に、「日本のビールが外国へのお土産に人気」なんて聞いたことないでしょう。

 もちろん、高価な地ビールなどにはおいしいビールもあります。でも、スーパーで簡単に手に入るビールが一番まずい先進国は、恐らく日本と韓国。理由は同じで、無理に国産メーカーを保護しているから。

 論より証拠。名古屋にお住まいの方なら、桜山に「知多繁」という小さな酒屋があります。昔より規模を縮小したものの、それでも輸入ビールの手に入りにくい名古屋では最も多くの輸入ビールを扱っています。もちろん、東京や大阪ならもっと事情は良好で、極楽親父などに言われなくとも輸入ビールを楽しんでおられる方は多いでしょう。

 一般的なピルスナーなら、例えばドイツの名品「ベックス」とか「ヴァルシュタイナー」、チェコの「ピルスナー・ウルケル」とかをぜひ試して下さい。ただし缶じゃなくて瓶に限ります。最初は国産ビールと違う濃厚な風味や強烈なホップの刺激に違和感があるかも知れません。しかし、何回も料理を変えて飲んでみると、「こっちの方が本物」と気付くのに時間はかからないでしょう。

 国産のメーカー製ビールでは考えられないほど、贅沢に生ホップを使った本場のピルスナーは、「つーん」と生わさびに似た風味があって、まさしく寿司や魚にぴったり。これに比べれば国産ビールは練りわさびみたいなもの。ボディも非常に豊かで、目を閉じれば金色に輝く大麦畑が風にそよいで広がる。これが大地の恵み、ドイツでビールを称して「飲むパン」とはよくぞ言ったという感じがします。こうした本物のビールは杯を重ねるごとにさらに旨く、最後の1杯こそまさに無上の旨さです。

 夏にビールを飲むのはもちろん旨いのですが、「ベックス」の場合は、個人的に最も気に入っている肴が、韓国の冬の珍味、ケジャン。濃厚な味わいを持つワタリガニの韓流塩辛なのですが、味が強いだけに日本や韓国のビールはさっぱりし過ぎて負けてしまいます。これがドイツビールと黄金の組み合わせに!心からお薦めしますが、強い中毒性があるので、抜けられなくなっても責任は取れません。

 こうしたビールは、ドイツ現地でも安売り用のビールより少し高いのですが、それでも350mlの小瓶が70円ちょっと。これを日本に輸入すると280円とか350円になるんです。高率の税金が最大の理由ですが、庶民の楽しみが国際価格の4倍、5倍ってのはないでしょう。その裏には国産メーカーや農家への常軌を逸脱した保護があります。ウィスキーも同じような状況だったのが、当時のサッチャー首相の執拗な抗議で日本政府が折れた形になっています。ドイツやチェコ、ベルギーの政府にも頑張って欲しいです。

 発泡酒の増税も大衆課税として批判されましたが、ビールに対する異常な高率課税と国内業者保護は、国際的に常識を外れた政策として是正されるべきです。
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やっぱり除草剤は使わない

2005年09月05日 | 極楽日記
 アパートから一戸建てに移ってみると、今まで気にも留めなかったことがいろいろ問題になります。庭や接道の草、いわゆる雑草もそのひとつ。

 極楽親父は庭の千草などたいして気になりません。雑草などと単純に蔑むのもどうですかね。昔、昭和天皇の侍従が、皇居か別荘だかの「雑草」の除去について上申したところ、「君、雑草という草はないよ。」とたしなめられたという話を聞いたことがあります。

 「それじゃ、民草という草はあるのか?」と突っ込みたくなるやり取りですが、普通は名前すら知られない草木にも命があり、祖先から連綿と受け継いできた遺伝子と、その地に適応したたくましい生存能力がある、という点は素直に認めます。

 極楽家は引っ越してから日が浅く、本格的な庭造りはまだまだ先の話です。きれいな植栽があって、そこに生えてきた邪魔な草なら「雑草」として処理もしましょうが、何も植えてない石ころまみれの庭や、道路のコンクリートの隙間に緑の葉を茂らせる植物は、むしろ緑化のために有効ではありませんか。地球温暖化が問題になって久しいですが、緑化は重要な方策として推奨されていたはずです。

 それに、除草剤を使うとなると、やはり毒性が気になります。グリホサート系の除草剤は安全性が高いということになっているのですが、きちんとした第3者のレポートを見ると、そう簡単に割り切れるものでもなさそうです。オタマジャクシが死滅するような薬剤が、人間に安全でしょうか?詳しくはブックマークを参照して下さい。グリホサートそのものより、副成分の問題が大きいようですね。(リンクさせて頂いた渡部さん、ありがとうございます。)

 農林水産省の通知「住宅地等における農薬使用について」を見ても、厳重な管理と周囲への注意喚起が求められており、自宅の庭や駐車場はともかく、「ウチの前の道路が雑草で汚いから薬を撒いてやろう。」などという感覚では使えないことがわかります。
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ゼロホルマリンとは

2005年09月05日 | たまには意見表明
 週末に入る大量のチラシ広告を見ると、この数年「健康住宅!ホルマリンゼロ!」とか「シックハウス対策済み。ゼロホルマリン建材使用」とか大書している住宅広告が目立つようになりました。でも、化学や生物学を少し齧ったことがあれば、これは誇大広告もいいところ、と思うのが当然です。

 なぜ?第1に、建材からホルマリンを完全に排除することは不可能だから。ホルマリンの正体はホルムアルデヒド。これは化学式でHCHO、つまり炭素原子が1個、水素原子が2個、酸素原子が1個というきわめて単純な化合物。ホルマリンとは、つまりホルムアルデヒドの水溶液に他なりません。以後面倒なので「ホルマリン」に統一します。

 ホルマリンはメタノール(メチルアルコール)を酸化する過程で発生しますし、多種多様な有機化合物の燃焼や分解の過程として簡単に生じるものです。水に溶けやすく、揮発もします。

 従って、あらゆる生物内に、微量のホルマリンは存在します。検出限界近くの微量なホルマリンでも、シックハウス症候群を心配する人がいるかも知れませんが、その程度のホルマリンは人間の体内にもあるものです。もちろん、材木にも含まれています。接着剤のホルマリンだけが問題にされますが、無垢の木にだってホルマリンは含まれます。

 木材を不完全燃焼させると、ホルマリンをはじめとするアルデヒド類がかなり発生します。アルデヒドや有機酸を多く含む煙は防腐作用が強いため、この煙で燻すことで食品が腐りにくくなります。これがスモークの原理。だから趣味で燻製を作っている人は、その程度のホルマリンでは何ともないということになります。

 それからタバコですね。あれも植物です。どうしても一部が不完全燃焼するため、タバコの煙には建材などよりずっと多いホルマリンが含まれています。「タバコは平気だけど、ホルマリンには敏感」という人は、どこかで騙されていると思います。

 第2に、建材からホルマリンを可能な限り除去したところで、衣服や家具などに含まれるホルマリンが多ければ意味がないから。現在のところ建材よりも衣服、家具のほうが基準が甘いようで、室内の空気に存在するホルマリンの大半は、建材よりはむしろ家具に含まれていたもののようです。

 第3に、シックハウスの原因としてホルマリンが疑われているが、本当の原因はまだはっきりしていないから。極楽親父は業務に多量のホルマリンを使用していますので、一般の方よりもはるかに多量のホルマリンを吸入しているはずです。

 まだアパートに住んでいた頃、一家でマンションを見に行ったことがあるのですが、「シックハウス対策」、「ゼロホルマリン」で押してくるのには閉口しました。壁紙だけ「自然材」とやらを使っただけで、そんなにすぐ幸せになれるものじゃありませんよ。「ホルマリンの中で仕事してるので全然気にしない。」と言ったら黙ってしまいましたが。

 「俺に何ともないんだからホルマリンが悪いわけはない。」と言うつもりは毛頭ありません。病原体や有害物質による健康被害は、個人差が大きいのです。タバコを50年吸っても平気な人もいれば、10年で肺癌になる人もいる。ホルマリンの被害を受けている人はいるでしょう。

 ただ、病院で見た印象では、微量のホルマリンに影響される人の割合は多くありません。病院は特にホルマリンに強い人を選んで採用しているわけではありませんが、明らかな異状を訴える人は稀だからです。しかも、現在流通している建材では、ホルマリンの残留濃度は非常に低くなっているはずです。

 無垢の柱や板なら大丈夫とか、珪藻土を塗れば大丈夫とかいった宣伝もありますが、便乗商法に近いものも多いようです。壁材の吸着面積は、たとえ珪藻土や漆喰でもたいした広さにはなりません。冷蔵庫の消臭剤に使う活性炭でも塗れば別ですが、それでも時間がたてば吸着しなくなります。まして、ビニールの壁紙に表面だけ珪藻土を塗った「自然建材」などたいして意味がないと感じます。計画換気と空気清浄機の方が有効ではないでしょうか。

 建材の成分にも、生物が作り出す物質にも、作用が十分に調べられていないものはたくさんあります。シックハウスの症状が出たからと言って、ホルマリンだけに原因を求めるのは却って問題の解決を遅らせるのではないかと思っています。
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