いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

未来のライト兄弟へ

2007年05月31日 | 極楽日記

 最近、紙パックやスチロールのトレイを「リサイクルするから」と溜め込んでいる極楽息子(大)。工作の本に感化されたらしく、切ったり貼ったりして何か作っています。やっぱり好きな乗り物が多いようですが、これは何なんでしょうか。レギュラーと書いてあるから、ガソリンで動くのかな。翼があるから飛ぶようにできているのでしょう。

 前から見ると電車みたいです。

 パパから息子たちにアドバイスするとしたら、材料を前にしてすぐ作るんじゃなくて、まず構想を絵にして、それを設計図に起こしてから作ればいいと思いますね。極楽息子(大)が目標とするライト兄弟が当時のエンジニアとして抜きん出たのは、失敗を次に生かす設計の力があったからです。

 木材から削り出しで作った自製のプロペラは、当時の技術水準を考えれば十分に効率の高いものとして賞賛されていますし、機体を安定させるための主翼のたわみ機構にしても、実験と設計を繰り返して完成されたものです。こうした積み重ねがあればこそ、ほんのわずかですが他のグループに先んずることができたのです。

 モノ作りにしても、芸術やスポーツにしても、この世では「奇跡は当たり前の積み重ね」に他なりません。息子たちにはそれを知って欲しいと思います。頑張れ、未来のライト兄弟!
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フェラーリへの道

2007年05月30日 | 極楽日記

 幼稚園の頃はレンジャーシリーズのビデオを見てなりたいものを決めていた極楽息子(大)ですが、最近はレンジャーより飛行機やレーシングカーが好きになって、F1レーサーになりたいとかフェラーリが欲しいとか言うようになりました。誕生日にお友達からフェラーリのラジコンをもらったのですっかり火がついたようです。

 F1レーサーはもちろんオリンピックの金メダリスト並に難しいでしょうし、フェラーリのオーナーも、普通の仕事をしていると困難な道です。私も40年以上生きてきてフェラーリには触ったこともありませんので。

 星ヶ丘の名古屋三越でイタリアフェアがあって、フェラーリグッズの販売があったようです。極楽息子(大)はキーホルダーを欲しがっていたのですが、たかがキーホルダーが1万円もしたので買ってもらえなかったようです。ランドセルの飾りにしたかったみたいですが、ランドセルにそんな高いもの付けてたら盗られちゃいますよ。

 値段はともかく、フェラーリのキーホルダーにトヨタの鍵を付けても合いませんので、私もいりません。フェラーリのキーホルダーにはフェラーリの鍵と六本木ヒルズや軽井沢の別荘の鍵が似合うんじゃないでしょうか。結局、息子はママに真っ赤なTシャツを買ってもらって納得したようです。
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運動会を前にして

2007年05月29日 | 極楽日記

 赤ちゃんと一緒に扱われるのが気に入らないのか、ちょっと精彩のないお兄ちゃんと、構ってもらえれば嬉しい弟です。今週は自力で立ち上がるようになり、二足歩行へ向けて進化を続けています。

 お兄ちゃんの方は駆けっこが速いのを学校の先生に褒められました。じっとして写真を撮るのは窮屈なんでしょう。6月2日は運動会の予定です。活躍を期待しますが、この季節の運動会は雨が心配ですね。
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チキンティカでパーティー

2007年05月28日 | 極楽日記

 休日はバーベキューグリルに活躍してもらいます。もうすぐ梅雨入りなので、今のうちに楽しんでおかないと。じゃ、雨の日は我慢するのかと言えば、そんなことはありません。今年は大きなターフを設置して全天候型バーベキューサイトを作ることを目標にしています。

 メインは前回と同じくチキンティカです。高級な牛肉の炭火焼はもちろんおいしいのですが、チキンなら値段が安くていろいろ実験してみる気になりますし、牛肉ほどカロリーの心配もいりません。だいたい本当においしいステーキ肉なら、こんな大雑把な焼き方じゃなくて、上手な人がオーソドックスに焼いた方が価値がわかると思います。スーパーの鶏肉はいかにも水っぽくて味がないので、このエスニックな味付けは成功していると思います。

 27日は風が強くて、思いの他、炭火の調節に苦労しました。落とした灰が下から逆流して舞い上がるし、火力が不安定だし、こんな日は室内のオーブンに比べてハンディキャップを感じます。でも、そんな不自由を楽しむのもバーベキューのうちです。チキンティカに合わせて極楽妻がカレーを作ってくれましたので、カレーを食べて待っていればいいのです。

 お客さんがアメリカで買った大きなハンモックとスタンドを持ち込んでくれましたので、大はしゃぎで遊んでいます。「トムとジェリー」に出てくるような大型ハンモックで、こんな使い方もあるのかと感心しました。よほど楽しそうに見えたのか、近所のお爺さんが笑顔で手を振ってくれました。

 お兄ちゃんはすっかり馴染んでしまいました。極楽息子(小)も楽しそうな様子はわかるみたいです。予想通り、「ハンモックが欲しい」と言われましたが、こんな大きいのは日本で売っていないでしょう。

 お客さんも交えてカルタ取りです。この後、遊びまくった極楽息子は燃料が切れてへたばってしまいました。
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野菜の名札

2007年05月25日 | 極楽日記

 庭の野菜に名札を付けてみました。字は極楽息子(大)です。まずは期待のミニトマト。苗床の植木鉢から地面に下ろしたばかりなのでまだ小さいです。

 ソラマメはちょっとしかできていません。スーパーで値段の高いのが理解できました。跡地はオクラでも植えようと思っていたのですが、油断して苗床の水を切らしたので枯れてしまいました。

 急に成長したジャガイモ。寒冷紗の中で収まらなくなったので外に出しました。土寄せもしたので、後は収穫を待つだけです。

 野菜じゃないですが、元気でいくらでも大きくなるゼラニウム。蚊除け草などと言われているものです。花は控え目なのですが、成長が速くて隣のラベンダーの場所まで侵略しようとするので、頻繁に切っています。
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11ヶ月

2007年05月24日 | 極楽日記

 まだ立って歩けないのに、階段上りは大好きです。ぺたぺたと摑まりながら、14段を上り切ってしまいます。

 上り方もだんだん力強くなってきました。

 平地ではまだ歩行器が欠かせません。ピアノを弾いたり、ウォーターサーバーの水を出したりと忙しいです。
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林警部のご冥福を祈って

2007年05月23日 | 極楽日記

 長久手立てこもり事件のあった所です。極楽息子(大)も庭のヒマワリをお供えして、若くして亡くなられた警部のご冥福を祈りました。

 警部の遺児は極楽息子(小)とほぼ同じ月齢です。とても他人事とは思えませんね。
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だいじなしんぶん

2007年05月22日 | 極楽日記

 極楽息子(大)が「だいじなしんぶん」を作ってくれました。せっかく記録したのに、デジカメの小さいストロボではきれいに撮れません。フィルムの一眼レフでは接写用のリングストロボを持っていたのですが、子連れのお出掛けでは荷物が嵩張るので、大きなカメラは出番がなくなってしまいました。趣味で使っていたカメラも機材も、長らく押入れで眠ったままです。

 長久手の立てこもり事件の映像に衝撃を受けて、どうしてもパパに伝えたかったらしいです。長配のあたりは極楽から竹の山経由で長久手中央図書館やアピタ長久手に抜けるルートですから、よく通っています。

 こちらは誕生日プレゼントに描いてくれたホンダの車ですね。トヨタよりホンダの方が好きと言ったので力を入れてくれたのでしょう。フィットなのに3列シートなのは変わっていますね。特別製のフィットリムジンでしょうか。
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わんぱく相撲予選

2007年05月21日 | 極楽日記

 極楽息子(大)がわんぱく相撲の名東区予選に出場しました。出場者は小学生で、学年、男女別に予選と地区決勝を行なって地区優勝者を決めます。予選は3回対戦します。勝てなくても6年連続で出場すれば表彰されるので、とりあえずそれを狙ってみようと思ったのですが、6年間の18戦で1勝もできなかったらどうしよう。

 1年生男子の部です。東方、西方に分かれて対戦するので出場者はこの倍。名古屋は特に相撲が盛んな地域ではないので、はっきり言って閑散としています。土俵も体育館にマットで作った簡易の物。学校や神社に本式の土俵がある東北地方などに比べると熱の入り方は今ひとつ。運営してくれた青年会議所(JC)の人もあまりわかっていなくて、「ええと、かわずがけは禁止です。こうして脚をかけるやつ…」と説明してくれた演技が間違っていました。

 相撲で河津掛けを見ることはまずありませんが、プロレスのテレビを見たことがあればジャイアント馬場などの実演を見たと思います。JCの会員は(なぜか)40歳までなので、今や活動の中心はジャイアント馬場など知らない世代なのですね。ちょっと寂しいな。

 河津掛けは、仇討ちで有名な曽我兄弟の父親で相撲の強豪だったと言われる河津三郎の発案した必殺技で、うまく決まれば相手は後頭部を土俵に叩き付けられて失神という荒技です。確かに子供の相撲では禁じ手とするべきですが、それにしても伝統の技なのだから、やたら日本の美とか民族精神とかを持ち出すJCの人が知らないのは奇異に思えます。JCにも地区ごとの差があって、右翼団体みたいな支部もあれば、若手自営業者の親睦会みたいな支部もあるのでしょう。これが本来の姿だと思いますけどね。

 さて取り組み開始です。暗いので動きでブレてしまいました。勝負の勝手が全然わからなかったらしく、とりあえず立ってみたら押し出されました。

 2戦目は何とか勝ちましたが、最後に負けたので1勝2敗。今の子供は校庭で相撲なんか取りませんから、型が全くできていません。この30年か40年の間に相撲が子供たちに忘れ去られてしまったわけで、関係者は危機感を抱くべきです。怪我をしない、あるいは相手に怪我をさせない体の使い方の練習に、相撲は又とない優れた教材なのですが。

 それでも初勝利を記念してばあちゃんが特別にステーキを焼いてくれました。たくさん食べて、来年はもう少し勝てるといいね。

 わんぱく相撲関係者の皆様にはお世話になりありがとうございました。子供が体を動かさなくなり、男の子が体を使った取っ組み合いや喧嘩もしなくなった現在、自分や周りの人の体の上手な使い方や限界を実感するという機会がますます少なくなっています。このような時代にこそ大人が音頭を取って相撲などのスポーツを指導する必然があり、これからも末永く子供たちの心身の健全な成長のため尽力されますようお願い申し上げます。
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夢の旅客機

2007年05月18日 | 極楽日記

 絵本に触発されたのか、極楽息子(大)がじいちゃんと共同製作した飛行機です。日の丸が付いてますね。スピードが出そうな形ですが、ANAと書いてあるので旅客機でしょう。夢の飛行機ですね。

 すっかり手軽になった空の旅ですが、フライトが増えるほどに利用者や航空会社を圧迫するのが、高騰した燃料費。これからも石油資源は枯渇に近付いて行きますから、飛行機の恩恵を受け続けるためには、燃費のいい飛行機や代替燃料の開発が不可欠です。そんな次世代の技術開発を、この子たちが担ってくれるのでしょうか。問題の尽きない社会ですが、希望もまた無限です。
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長久手図書館から

2007年05月17日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

 長久手中央図書館で借りた本です。書評に頼って本を選ぶのも悪くはないですが、実物を手に取って見るのは何よりわかりやすいので、こうして子供の本を自分で選べるのは便利です。

 航空史はテレビで見ても、本で読んでも本当に面白い。なぜかと言われれば、やはり失敗した人たちが大真面目で、途方もないエネルギーを飛ぶことに向けていたからだと思います。

 世界の子供の永遠の友、リチャード・スカリーさんの絵本。日常の生活が何て素晴らしいのか、猫のハックルと仲間たちが教えてくれます。

 ベルギー生まれの世界的ヒーロー、タンタンの記念すべき第1作、と思ったら本国と日本では出版順序が違いました。こういう意味のない変更は止めて欲しいです。フランス人は「探検はイギリス人向きだ。どんなまずい食べ物でも平気だから。」などとイギリス人の探検、冒険好きを揶揄しますが、タンタンの人気はベルギー人やフランス人も冒険が好きなことでは劣らない、と教えてくれます。

 これは息子じゃなくて私のために借りた本。要するに包丁の選び方、研ぎ方、使い方の本です。目が利かず、手が動かない素人は、せめてまず理屈でもわかった気になろうと思いまして。
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ママとばあちゃんの母の日

2007年05月16日 | 極楽日記

 ケーキは前の日に食べちゃいましたが、母の日もきちんとお祝いしました。

 ママとばあちゃんに乾杯。

 前の日から仕込んであったチキンティカです。鶏肉に市販のタンドリーチキンスパイスと少々の塩を刷り込み、ヨーグルトとレモン果汁に漬け込んでおきました。

 極楽息子(大)も喜んでお手伝い。この日は南山小学校の説明会に行っていたので、時間が足りなくて慌てました。

 母の日の特別料理の出来上がり!レモン果汁を掛けて食べるとそれらしい味で、十分に楽しめます。もう少し焼き込んだ方がおいしかったと思いますが、炭を起こすのは時間が掛かりますから。レストランのはもっときれいなオレンジ色なんですが、あれは食紅などで着色する場合もあるそうです。

 せっかくできたのに、何でこんな顔なんでしょうね。子供にはちょっと辛かったので、次回は辛くないバーベキューも作ってみましょう。
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パパの誕生日と母の日

2007年05月15日 | 極楽日記

 母の日のケーキをベースに誕生日ケーキを作ってもらいましたので、かなり変わっています。誕生日のプレートを載せただけなんですけどね。製作は日進市のパティスリー、CUBEさんです。

 この季節のお祝いと言えば鯛ですね。桜の時期だから桜鯛、と言われていますので少し遅くなってしまいました。

 辛口のムルソーで乾杯です。たっぷり陽光を浴びた夏蜜柑のように、凝縮された苦味と甘味、酸味が同居しています。このクラスになるとグラスの10cm上でもつんとした強い香りを感じます。
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具体論のない南山小学校説明会

2007年05月14日 | たまには意見表明
 来年から開校予定で、名古屋の保護者に大きな注目を受けている南山大学附属小学校(通称は南山小学校)の説明会に行って来ました。入場者が3,000人を越える大規模な説明会で、これでは具体的な話は出ないだろうなと予期した通り、インターネットのサイトを見ればわかるような理念の説明ばかり。退屈しました。

 名古屋市内に男女共学の私立小学校は今のところありません。だから需要はあるのだと考えることはできるでしょうが、公立の小学校で満足している人が多かったのも事実だと思います。名古屋市は初等教育の拡充に何十年も力を注いできましたから、私が子供の頃のようなマンモス小学校の問題は解消され、分散されたことによりほとんどの地域で歩いて通学できるようになっています。設備も見違えるほど充実し、体育館やプール、特殊教室が整備されています。

 私の小学生時代は1クラス42人から44人という編制が当たり前だったのが、極楽小学校の入学式に出てみれば1クラスがわずかに24人。これなら格段に教師の目が届くようになります。ちなみに南山小学校では1クラス30人を予定しています。

 これだけ手厚くなった公立小学校での教育と比較して、敢えて私立小学校を選ぶ理由があるのか?その問いに答えて欲しかったのですが、具体的にわかったのはキリスト教教育の施行と国語の重点化、1年生から英語があること、制服、制帽、指定の通学かばんと靴が義務付けられていることだけでした。ただ、1年生からの英語は週にわずか2時間ですし、国語も読み書きを奨励するというだけで詳しい説明はなし。授業にはたいして特徴がないなと判断しても仕方がないでしょう。

 すると、「全教員が宗教教育を担当する」と言われたように、宗教的涵養こそが特色ということになります。オーソドックスな感じの制服については、「遊びたい盛りなのに暑くて窮屈そうで気の毒だな」としか感じませんでした。決して製作担当の方を批判するわけではありません。格調を感じさせるデザインで、記念写真を撮るには映える制服でしょう。しかし小学生にとって制服そのものが、毎日必要なものか疑問です。

 繰り返し強調されたのが、キリスト教の精神を教育の根底に据えること、次が小学校から大学あるいは大学院までの南山学園による一貫教育を受けることにより、社会でリーダーシップを発揮することが大きな目標であること、そのため児童ばかりでなく家庭も南山小学校の理念を理解して教育方針に沿って、小学校と共に教育を分担して欲しい、ということです。

 南山小学校では毎日朝、昼、夕に簡単な礼拝があります。また毎週1回、もっと正式な礼拝があり、宗教の時間が持たれます。ロビーや各教室には小学校のシンボルである聖家族像が飾られ、宗教教育の総責任者として南山教会の神父が当たります。つまり、キリスト教精神にどっぷり浸かるわけであり、家庭にも協力が求められるのです。例えば、南山教会推薦の副読本を家庭で読み聞かせるようなことが期待されているのでしょうが、これは自信がありませんね。自分が信じていないキリスト教の価値観を息子に押し付けることはできませんから。

 キリスト教を否定するわけではありませんが、小学生のうちからキリスト教に触れることで他者への思い遣りが生まれる、という短絡的な説明には納得できないのですよ。反証としては、ジョージ・ブッシュがキリスト教徒であることを挙げれば十分でしょう。

 これから長い人生を競争の中で生きていかざるを得ない子供の親として、南山小学校への長い通学時間やナイーブなキリスト教的価値観、公立小学校より多いと予想される行事(多くが宗教関係でしょう)、窮屈な制服などは、未来を自分の力で切り拓くためのむしろ障害になる可能性があるとすら危惧しています。例えば、高学年になって主要科目の勉強量を増やそうとした時に、遅くまで小学校に縛り付けられるよりも、最適な学習塾に通った方が効果的でしょう。

 南山小学校では2時間ほどのアフタースクールが計画されており、この中には有料の補講授業もあって、「学習塾などに通わなくても済むようにする」と説明がありました。この説明自体、学習塾や予備校の存在を見下すような古臭い立場が感じられます。全人教育の場としては学校の存在は揺るがぬものの、個々の教科に対する理解の深さと指導力では、指導の専門家である学習塾や予備校の講師に一日の長があることは経験者なら自明だからです。東海学園の先生ならそんな馬鹿なことは口にしないでしょう。

 だいたい、2時間のアフタースクール枠内で、部活動や宗教行事とも時間を取り合い、長期休暇中は開講しないなんて、勉強を舐めているとしか言えません。南山小学校の関係者各位にはぜひ再考をお願いしたいです。

 南山小学校入試対応クラスなどを準備した学習塾などの消息筋によれば、南山学園は小学校を開校することで南山大学への進学者を安定して確保したい希望があるようです。これは頷ける話で、南山中学および高校を出た生徒が、学園の希望するほどは南山大学を志望しない傾向は昔から指摘されています。

 中部地区の私立大学勢力図はかなり書き換えられつつあり、例えば敢えて都心に回帰してビジネスの即戦力を養成する立場を打ち出した名古屋商科大学とか、積極的な投資と名古屋大学の協力により大規模な研究施設を整備した中部大学(中部工業大学から改称)など、「動かない者は負ける」という厳しい競争の時代に入っています。このような状況で、良家の子女だけを相手にしていたような伝統の南山大学も、変わらなければ埋没してしまうという危機感を抱くに至ったと思われます。

 私立学校を新設(戦前にも南山小学校があったので、正確には再設です)するとして、最も特色を出しやすいのは進学実績です。つまり進学校にしてしまうことです。しかし南山学園の各校のうち、最も高い進学実績を持つのは南山中学および高校の女子部です。もちろん南山小学校は私立小学校として学力の充実を図るとは説明されていますが、南山中学と高校の男子部が必ずしも進学校としての実績を示していないことを考えれば、小学校で頑張ったところで、これには受け皿がないと言うべきです。

 進学校として特色を出せないのなら、キリスト教教育を充実させようという手段は、南山学園としては至極当然の結論でしょう。小学生のうちに十分にキリスト教に馴染んでくれれば、南山学園への忠誠度も高くなり、学園が望む大学までのエスカレーター進学を志望する生徒を安定して確保できるでしょう。もし、この学習塾の読みが当たっているとしたら、学力の充実という方針は話半分で聞いておくしかありません。南山高校で外部の大学を志望する生徒が増えるのは、南山大学の安定した学生確保とは相反するからです。

 南山学園とは反対のモデルが東海学園です。男子生徒限定ですが、東海中学、高校の進学校としての評価は高く、それが仇となって同学園の悲願であった大学開設の計画が頓挫したという話を聞いています。内部進学者を確保できないような大学なんか作っても意味がない、という関係者やOBからの批判が強かったそうです。

 次の説明会は7月に予定されています。どうか今度はもう少し具体的な話が欲しいものですね。
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今日も絵本を読む

2007年05月11日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

 書評で紹介されることも多い「ふきまんぶく」ですが、誰が見てもこの絵は不気味です。「麗子像」の首だけ外してきたような異様な迫力は、特に子供には受け入れにくいものでしょう。

 ストーリーも相当に独りよがりなもので、共感を得にくいと思います。少女がふきまんぶく(「蕗のとう」の方言)になって土の中で眠った夢の体験を忘れられず、山の上の蕗(ふき)の群落に惹かれて山を目指す、ということなのですが、そもそも大多数の文学的コンテンツでは「土の中で眠る」とは死を意味します。これがまず不祥です。そして、この異常な経験は、楽しいとも嬉しいとも書かれていません。楽しくも嬉しくもないのに、その不祥な思い出に抗いがたく惹かれていく。これは年端も行かぬ少女が、自ら死に近付いて行くという意味です。坪田譲治さんなら、間違いなくこの少女を死なせているでしょう。

 この暗さを払拭するためには、明るくて未来への希望を感じさせるような絵が必要なのですが、田島さんの絵はまさに逆で、ストーリーと相まって不吉な未来を強く暗示します。絵とストーリーが合っていると言えば合っているのですが、これではほとんど怪奇絵本です。

 最後の少女の生首がずらりと並んだような「ふきまんぶく」の絵は決定的で、もしこの話の続きを書けと言われれば、少女の悲惨な死をもって締めくくる以外に整合性はありません。これだけ読後感の悪い絵本が高い評価をされているというのは理解に苦しむ話であり、一体この絵本で読書への興味を引き出された子供がどれだけいるのか聞いてみたい気がします。

 田島さんの経歴を見ても直接の関連はないと思いますが、死への強い執着を力強い筆致で表した絵を見ていると、メキシコ・ルネサンスと言われる絵画活動を連想してしまいました。ご興味のある向きは名古屋市美術館においで下さい。同館がテーマとして収集しているメキシコ・ルネサンスの画家であるオロスコ、リベラ、シケイロスの力強い作品がお迎えすると思います。そうそう、「ふきまんぶく」をまだ子供に読ませていない方は、どうかご安心下さい。こんな本で子供は本好きになりません。これは大人のための読み物だと思います。

 こちらは多作のベテラン、かこさとしさんがさらりと描いた印象の絵本。読みやすいし、子供の反応に応じた演出もできるでしょう。いい本だと思います。
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