ウィンダムが車検に出ている代車でパッソがやって来ました。ガソリンスタンドの代車は尾羽打ち枯らした古強者みたいなのが多いですが、今回はディーラー車検なので現役のトヨタレンタカーです。
特徴は全長が3,650mmと、ヴィッツより20cmも短いこと。ダイハツブーンのトヨタ版で、設計製造はダイハツなので同社の軽自動車がベースになっているはずです。
決して広くないエンジンルームのはずですが、エンジンが小さいのですかすか。ヴィッツでお馴染みの1KR-FE型 3気筒1.0Lです。この上に4気筒1.3Lの設定もあるため、エンジンルームに余裕があるみたいです。
最近はこのクラスでもイリジウムプラグ採用。高圧コイルやディストリビューターの記載もないので、ダイレクト点火です。事実上のメンテナンスフリーであり、エンジンの信頼性は極めて高いレベルにあります。この3気筒は喧しいしがさつな回り方で、面白みはありません。CVTもチェックしたかったのですが、これだけエンジンが粗いと変速機なんかどうでもいいやと感じます。
室内は明るくてカジュアルな感じ。構えて運転することを必要としない雰囲気ですね。ただ、自動車というのはどんな手軽なものでも大きな鉄の箱を高速で動かすわけですから、常に人を傷つける恐れを持って運転するべきです。個人的にはもう少し緊張感を持たせるようなインテリアが好ましいと思います。これはこのクルマのハンドリングでも同じことで、あまりに安楽で無感覚な感触には好感が持てません。トヨタ系の多くの乗用車で、初心者や運転にあまり興味のない人に気楽に運転してもらう、という方向性が取られているように見受けますが、私はこれには賛成できません。基本的な方向性が合わない以上、積極的にトヨタやダイハツの乗用車を買うことはないでしょうね。
タコメーターがないので巨大なスピードメーター。ODOは27,634ですから経年変化はほとんどないはずです。警告灯がごちゃごちゃ詰め込まれていて見にくいです。パッソがターゲットにしている層はこんなもの細かく見ないということかもしれませんが、視認性よりデザインを優先した感じです。仕事のできない人が使っているPCのデスクトップみたいで好きになれません。
レンタカーでもナビが常識になって、方向音痴には有難いです。もっとも、このパッソはディーラーとの往復にしか乗りませんでしたのでナビの出番はなし。
短い全長ながらすかすかと広い室内。これはシートが小さいからです。短距離なら4人で乗るのに不自由はないはずですが、シートの大きさや形状、柔らかさからすると長時間の乗車は疲れると思います。室内を広げた分、荷室は狭いので大きな買い物や旅行には向いていません。ハンドリングもぐにゃぐにゃと無感覚で軽いだけなので、高速や山道は気を遣うでしょうね。乗り心地がいいわけでもないし、運転する楽しみがほとんど感じられないので、これで旅行には出たくありません。単なる安いクルマとしか言えないのが残念です。