いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

プリンタが欲しい

2005年08月31日 | 比べてみよう
 病理学からいきなりプリンタに飛びますが、何せ私的なブログですのでご容赦。プリンタなど、カカクコムでも見て速攻で買えば済むことですが、どうせならモノ選びのプロセスを楽しみたいです。

 それに、せっかくならカカクコムに書き込むより、自分のブログを充実させたい。途中経過を公開することで、極楽親父と同じような買い物をする人には、少しばかり参考になるかも知れないし。言わば私的カカクコムの試みです。書いてみて充実感があれば、他の商品も続々登場するかも。何せ物欲に関しては人後に落ちない一家ですから。

 とは言え、今回のプリンタは名古屋市の同じ区に住む実家の爺ちゃんが使うものなので、正確には極楽家の買い物じゃありません。でも細かいことは抜きで、とにかくデジタル系の買い物は大好き。早速始めてみましょう。

 まず要求されるのは扱いやすさと低価格。他に何があったらいいかな、と自分の今まで使ってきたプリンタを思い起こしてみます。

 最初がスターの熱転写プリンタ。20年以上前の製品で、今や論評しようがありません。
 2台目はMac用のHP Desk Writerでした。当時のインクジェットはぼたぼたとインクが流れるような印刷で、どの文字も盛大に滲んでいました。発売時の定価は25万!という高額品。時代の違いを痛感します。
 3台目がアルプスのMD-2300だったかな。当時としては高画質なカラープリンタでした。4個の熱転写リボンを次々に交換しながらカラー印刷する動作はそれなりに見物でしたが、写真を印刷するとリボンの跡がくっきり。
 4台目は複合機、キヤノンB-10です。画質はアルプスに比べて後退。それなりに便利でしたが、インクの詰め替えに失敗してヘッドが壊れたのでお払い箱。
 5台目はやっぱり複合機、ブラザーMFC-5100Jで、今も使っています。予算の関係で画質は諦めたので、もっぱらwebの印刷などに利用。ダイレクトプリントができないので、ケータイからの印刷は面倒です。

 このように列記してみると、「実家に高画質プリンタがあって使わせてもらえれば便利」という要望が生まれますね。それにダイレクトプリントができれば。そうそう、DVDのタイトルも印刷したいな、と(買う人が不在のまま)順調に仕様が決まります。(w

 当の爺ちゃんに取材してみたら、「スキャナーがあればいい。」ということでした。でもスキャナーで何をする気なんだろう?昔は印刷だけできればいいようなことを言ってたけど。印刷頻度としてはテキストが一番多いはずですから。でもコピーが1台あるのは便利なので、その一言に乗ることにしよう。今の複合機は安いし。

 複合機で、そこそこの画質、低価格、ランニングコストもまあまあ、ディスク印刷可能、という線で探すと、ありました。キヤノンPIXUS MP770です。ビックカメラのオンラインで見ると、26,100円にポイント15%。店舗でも似たような値段だろうな。

 比較対照は、同社のMP900、エプソンPM-A700, 870, 900, HP PSC2355, Photosmart 2610, Lexmark P4350, ブラザーDCP-110Cなど。
 爺ちゃんはどっかで「インクが一体のやつは駄目」という知恵を付けてきたみたいなので、そうなると日本勢に絞られます。初心者に使わせることを考えると、一体型のほうが簡単だし、インク交換でヘッドが常に新しくなるのも安心なんですがね。もっともDCP-110Cあたりの実売価格を見ると、もはやヘッド交換なんかほとんど意味のない安さです。

 DCP-110Cはとても安いですが、機能的にはMFC-5100Jと大幅に変わるわけじゃありません。同じプリンタが実家にあっても極楽親父としてはあまり嬉しくないので、ここは当初の考え通り、MP770を第1候補とします。カラーは5色と少し見劣りしますが、それだけにインクのコストが安いのは年金生活者には有難いでしょう。主な用途であるテキスト印刷に、黒の顔料インクを採用しているのも好都合。爺ちゃんは使わないでしょうが、たまにダイレクト印刷やディスク印刷、フィルムのスキャンができるのもいい。あとは幾らで買うかです。

 
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病理医は何をやっているの?

2005年08月30日 | 病理学もしくは病理医
 病理医という存在すらあまり知られない日本では、何をやっているのか聞かれることも少ないのですが、それじゃ寂しいので自己紹介です。

 病理、という言葉は、元来病気のメカニズムを調べる学問という意味なのでしょう。しかし、病気についての研究は今やどの科でも懸命にやっています。内科と名が付いても、病院での診療より研究室での実験が忙しい大学医局はいくつもありますから。

 病理学教室のスタッフも多くは研究に時間を割いています。ただ、極楽親父こと私のように、病院での診療業務にほとんど専従している、いわゆる「病院病理医」の仕事も年々存在感を増しており、業務の増加、多様化に比べて新規入局者が少ないゆえに、深刻な専門医不足が懸念されています。医学生や研修医に対する宣伝も必要ですが、まず一般の皆様に我々の存在をアピールすることが大事だと痛感している次第です。

 個人開設の診療所と違って、大きな病院では検査部門が発達しています。血液検査、細菌検査、呼吸機能、心電図、脳波、レントゲン、内視鏡などですね。大きな検査部門の中で、患者さんから採取した組織を観察して病気を診断する部門があります。これが病理検査。

 例えばあなたが内視鏡を飲んで胃の検査をします。胃は柔らかい粘膜で被われた臓器なのですが、この粘膜から癌が発生しますので、その場合は早期発見して治療しなければいけません。内視鏡で「ここが気になるな」という個所があれば、消化器内科の医師は内視鏡に仕込まれた小型の鉗子を抜くが早いか、瞬時に粘膜の小さな切れっ端を検体として採取します。

 この粘膜の小片が検査技師によって顕微鏡標本、つまりプレパラートに加工されて病理医の手に委ねられます。これを顕微鏡で観察して、「悪性像なし」とか「中分化型腺癌」とか診断するのが病理医の主要な業務です。病理医が出した検査レポートに基づいて、手術するとかしないとかが決定されるので、そりゃ責任は重いですよ。

 こんな標本が山のようにあるため、病理医は朝から晩まで顕微鏡を覗いてレポートを書き続けています。ちょっとした規模の病院なら年間10,000件を軽く越えますが、常勤の病理医は1人かせいぜい2人。しかも1件でプレパラート30枚なんて手術標本もあるので、多い日は200枚ほどのプレパラートを真剣に見ないといけません。夕方になって眼精疲労がひどくなると、どんよりと頭が重くなって、もう何もする気力もなくなります。

 こんな夜は何よりアルコール。一杯のテーブルワインで、鉛の重石が乗ったような目の重さが「すうっ」という感じで引いて行くと、まだ明日も何とかなるかなと思います。だから極楽親父はアルコールのことを目薬と信じて疑いません。
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中皮腫とは何でしょうか

2005年08月29日 | 病理学もしくは病理医
 アスベストを吸入することで何十年後に発症し、生命を脅かすと話題の悪性中皮腫。馴染みのない言葉だと思いますので簡単に解説を。

 人間にはたくさんの「皮」があります。誰でも知っているのが体の外側にある皮膚。ところが、体の中にも「皮」があります。大まかに分けてみましょう。
 まず、皮膚と連続している口の中の粘膜とか消化管、あるいは気管支の粘膜。これらは「上皮」に分類されます。
 それから、血管やリンパ管の内側を被う薄い「皮」。これは「内皮」と呼ばれます。
 「胸膜」とか「腹膜」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。そう言えば「腹膜炎」という言い方がありますね。手術で胸やお腹を開けると、臓器を収めるスペースがあります。簡単に言うと、横隔膜より上にあるのが「胸腔」、横隔膜より下にあるのが「腹腔」です。これらのスペースや臓器の表面は、「中皮」と呼ばれる薄くて滑りのいい「皮」で被われていて、お互いにくっつかないようになっています。
 この「中皮」がアスベストの刺激などで勝手に増殖する腫瘍、つまり「できもの」になったものが「中皮腫」というわけです。

 中皮腫はわかりましたね。なぜ癌じゃないかって?いい質問です。
 腫瘍は元の組織の特徴をある程度持っていることが多いので、どこから発症した腫瘍かで性質が大きく違います。医学用語では、一般に「上皮組織」から出た悪性腫瘍のことを癌と呼んでいます。胃癌、肺癌、子宮頸癌など、悪性腫瘍の中では癌が最も多いため、一般のマスコミなどでは癌以外の悪性腫瘍も「癌」と表記することがあります。
 ですから、日常会話では「悪性中皮腫」のことを「中皮の癌」と呼んでも差し支えありませんが、例えば肺癌と比べると経過や治療方針が違うため、専門家は厳密に区別しています。
コメント (28)
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いーなごや

2005年08月29日 | 極楽日記
 開設致しました。皆さんはじめまして。ブログタイトルの「いーなごや」、もしくはgoo IDのenagoyaですが、我が家のある極楽が名古屋の都心を離れた東方にあること、そしてもちろん名古屋が住み良い街であることを願ってのタイトルです。
 このローカルなタイトル通り、ブログの方針としてはオフで既に交流のある方々との情報交換が主なものとなりますが、展開次第でどうなるかはわかりません。
 最初に選んだ背景は「ゲッコー」、日本語でヤモリですね。これ、体が平たいせいか、ウチにもいつの間にか侵入して来るんですよ。アルミサッシ閉めてあるはずなのに。ハワイじゃ幸せの象徴だってことで、極楽親父としては気にならんのですが、極楽妻は嫌がってます。そんなに邪険にしてるとツキが落ちて懸賞当たらないよ!
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