いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

パソコン(PC)選び

2008年01月31日 | 比べてみよう
 極楽家の現行PCはDell XPS-T450です。XPSの名称は同社のコンシューマー用デスクトップPCの最上位機種として有名です。もちろんPCの進化は速いので、「発売時は」という但し書きが必要ですが。

 1999年にIntelから発売されたPentium IIIは当時最速のCPUでした。最初の世代はクロックが450MHzから550MHzで、これが後に1GHzを越えて行くのですが、後継のPentium 4の登場によりあまり寿命の長い製品にはなりませんでした。XPS-Tは、このPentium IIIを採用したタワー型デスクトップです。私が買ったのは450MHzのモデルで、現行機と比べると1割か2割の処理速度しかないと思いますが、この程度のスペックでも今まで何とかお払い箱にならなかったのは、家ではワープロ以外の業務ソフトをほとんど使わなかったことと、ビデオボードに当時としてはましな物(32MB Diamond Viper N770D Ultra NVIDIA)を載せていたからでしょうか。

 ネット接続もISDN(YAMAHA RTA50i)からCATV(Mediacat)そしてFTTH(Commufa)になり、よく利用するネットサイトもFlashなどを多用するものが増えて、最近では普通の広告を見るのにも支障を来すようになり、年々使い勝手が悪くなっています。加えて、プリンタとして使っているブラザーの多機能機、MFC-5100Jの調子も悪くなってきたため、一緒に更新する時期が来たようです。片方だけ替えようとしても、もうWindows 98に対応したプリンタドライバや、シリアル接続で使えるプリンタを探すのが難しいですからね。MFC-5100Jのインクも、ほとんど店頭から姿を消しています。

 そこで新しいPCを選びたいのですが、折角新しくするのなら、ぜひ利用したい機能があります。まず画像編集。MFC-5100Jは写真のプリントアウトには全く向いておらず、ずっと以前に使っていたアルプスMD-2300に比べても写真印刷の品質が低く、とても子供の写真などプリントする気になれませんでしたが、今度はA4サイズの写真出力を重視しようと思います。インク代は負担になるでしょうけど、本当に気に入った写真なら、「おうちプリント」に使っているソニーDPP-FP30の小さなプリントでは物足りないですから。昔からのネガやスライドのフィルムに撮影したものも多量にあるので、プリンタに本格的なフィルムスキャナーがあれば便利です。そうなるとインクジェット複合機でも余り選択肢はなく、キヤノンならMP-970、エプソンならPM-T960, PM-T990、HPならC8180といった製品になります。

 そうそう、極楽家ではMFC-5100JのFAX機能をかなり使っていました。FTTHの時代に低速の電話回線でテキストや画像を送るのもどうかなと思いますが、今でもFAXでしか連絡が取れない相手がありますから。今回もFAX機能のあるプリンタか、あるいはPCにFAXモデムを装備することになります。しかし今のPCはモデムがオプションなんですね。Dellの場合2,100円で追加できるようですが。

 それからビデオ編集ですね。プロがやるような本格的な編集機能はいらないのですが、カムコーダーで撮ったDVテープが、HDVも含めて200本以上ありますので、これをいつでも見られるように整理し、次の世代にも継承したいと思います。もっと古いVHSやハイエイトの記録もありますので、余裕があればその取り込みもしたいですが、アナログコンテンツのキャプチャーはボードが必要になるので、コストを考えればPCよりレコーダーに任せるべきです。

 HDVコンテンツをストレスなく扱いたいとなると、ある程度のスペックは必要です。PCじゃなくてHDDレコーダーを使う手もあるでしょうが、PCの方がHDD増設などの自由度が高く、サーバーとしては優れています。家族のテレビとビデオを長々と占領するわけにはいきませんので、PCが得意なことはPCでやりましょう。スペックの劣るPCでビデオ編集を試みて失敗した経験があるので、デュアルコアCPUと十分なメモリ、大容量のHDDは必須でしょう。

 そうなると、重いとかメモリ食いだと言われているVISTAを敬遠する必要もなさそうです。「今のうちにXPか」という心情もあったのですが、ここはきっぱりVISTA、それもMedia CenterがHDVに対応したHome PremiumあるいはUltimateに決定しようと思います。あるいは標準でAV機能の充実したiMacですね。LAN対応の周辺機器が増えたお陰で、昔ほど互換性やデータ移行を難しく考える必要がありませんから、VISTAとMacの混在も不都合はありません。
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朝の活力

2008年01月30日 | 極楽日記

 いつもは食パンだけど、この日はママの手作りパンで楽しい朝食です。寒くて薄暗い冬の朝だけど、朝食がおいしいと元気が出ますね。
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1歳7ヶ月

2008年01月29日 | 極楽日記

 お兄ちゃんの7歳の誕生日に隠れてしまいましたが、こちらも1歳7ヶ月を迎えました。残念ながらこの数日、口内炎のせいで朝から晩までご機嫌斜めです。
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7歳の誕生日

2008年01月28日 | 極楽日記

 極楽息子(大)は27日で7歳です。

 今回のケーキはここ。日進市の人気パティスリー、デリスアプリコさんです。名東区から日進市、長久手町は新しい住宅地なので、パティスリーも新しい店が次々にできて競い合っています。実績のあるパティシエが作っていることが多く、おいしい店が多いと思います。ショーケースを見ているだけでも楽しいのですが、子供の誕生日ケーキは無難な生クリームケーキを選びました。

 プレゼントは希望通り、GBAのソフト「ポケットモンスター エメラルド」。2004年秋の発売ですが、DSで遊べるため今でも人気が高いらしく、中古市場でも値段が下がっていません。高社のじいちゃんとばあちゃんからは72色のお絵描きセットと「トムとジェリー」のDVD、豊川のばあちゃんからは学資を頂きました。

 周りの期待は大きいですが、誕生日が来ても中身が急に変わるわけではありませんね。最近は食べる量の割に運動が少ないのか、少し体形が丸くなってきた感じがします。
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道路がいらないとは言わないが

2008年01月25日 | たまには意見表明
 「もう道路整備費用は余っているから一般財源に」と言い出したのは政府自民党だと思うんですが、すっかり忘却されたようで、「まだ道路は必要だからガソリンの暫定税率は廃止できない」というのが今国会での公式見解のようです。

 私たちユーザーも道路がいらない、とは言いませんよ。でも道路整備の費用がどう見ても高過ぎませんか?日本の道路建設費用はイギリス、ドイツ、フランス、イタリアの四大先進国の建設費用の合計に匹敵するんだそうです。

 それだけ巨額の費用を投入して、どれだけ整備できたのでしょうか?国土の各地域を結ぶ主要な動脈である高速道路で見てみましょうか。国土交通省の資料によれば、日本の高速自動車国道の総延長は約9,000km。最初の高速道路である名神高速道路が一部開通したのは1963年です。ここまで40年以上も掛かっているのですね。

 一方、この20年で高速道路整備を急速に進めた中国の高速道路の総延長は、驚くなかれ5万km!!年数と距離を計算すると、日本の10倍以上のペースで高速道路ができているわけです。「地方経済活性化のために高速道路を」と枕詞のように言われますけど、膨大な金額を使って、中国の1割以下の効率でちんたら道路を作っていたのが実情なんですよ。これで国際間の経済競争に勝てるわけがないでしょうが!

 もちろん、日本は土地の値段も高いですし、道路予定地に民家があれば強制撤去するような国とは事情が違います。しかし現在建設されている高速道路網のほとんどは地方にあります。田舎でも土地の収用には東京23区並みの補償をしているのでしょうか?それとも中国の10倍も高価なアスファルトを使っているのでしょうか?

 中国の高速道路は路線毎に独立した株式会社が建設、運営しており、ハイペースで建設を続けていながら大きな黒字を計上しています。例えば10年前に「浙江高速道路」の株を買っていれば5倍ほどに上がっています。一方の日本では分割民営化されたとは言え、道路会社は国土交通省の命令で不採算路線を作らないといけませんし、道路公団時代のファミリー企業を隙間なく、どころか何重にも抱えています。それで公団時代の43兆円もの借金を返済しないといけないわけですから、まともな運営ができるはずがありません。

 はっきり言いましょう。日本の高速道路の整備が進まないのは、予算が足りないからじゃありません。効率があまりに悪いからです。政治的に不採算路線の建設を決めて、関係者が押さえている土地を高値で買い取り、またファミリー企業が随意契約できるように区間を細切れにして発注するようなことを繰り返しているから整備が進まないのです。この大浪費の仕組みを温存しておいて、「ガソリンの暫定税率が廃止されれば道路が整備できない」と言うのは納税者に対するペテンに他なりません。

 この仕組みが変わらない現状では、暫定税率は廃止して国民が自由に使えるようにするのが最も効率のいい経済政策です。問題になっている職員の野球用具だけじゃなくて、本業の道路建設や運営でも無駄に無駄を重ねて税金を浪費してきたのが今までの道路行政なのですから、日本経済が一流でなくなった今、きちんとリセットして出直すべきです。やっぱりガソリンは値下げしましょう。
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医療PFIはうまくいかないのか(後)

2008年01月24日 | 医療、健康
 日本の医療PFIであまり成功した例がない、と言ってもまだこの制度は始まったばかりです。ノウハウが蓄積されるにつれてより効率的な運営も可能になるでしょう。ただ、今の時点でも指摘できる問題点がいくつかあります。

 まず、誰がやっても公共病院の経営は難しいということです。損益分岐点が高過ぎて、どう頑張っても赤字、という施設が多いのではないでしょうか。私の勤める病院は何とか黒字ですが、平成18年度の病床利用率は93.2%でした。年によっては95%を越えています。一般にホテルの場合、客室稼働率が60%から70%で収支が均衡するらしいです。もちろん、大規模なシティホテルでは宿泊よりもバンケットが収益の中心だったり、観光旅館では季節変動が激しくて平均稼働率だけでは経営状態がわからない、という問題はあります。

 それにしても地域の基幹病院で、病床の稼働率が90%を越えてもコストダウンに汲々としなければいけないとなると、これは病院の努力を越えたところに原因があると言えましょう。病床利用率が90%を越えて赤字の病院は珍しくありません。これは保険診療による医療費を無理に抑制したためです。病床利用率が90%以上ということは、診療科によっては100%近くの場合もあるでしょう。こうなるともう新規の入院患者は受けられません。救急患者のために各科数床は空けておかないと危ないからです。

 それでも救急患者が次々入院するなどで、病院の能力を使い切ってしまうことがあります。これが大阪府などで立て続けに起きている「救急患者たらい回し」の原因です。もう少し病床利用率を下げても、つまりもう少し病床を増設しても倒産しないで済むだけの医業収入が確保できない限り、この状況の抜本的解決はないと思います。

 もう1つは、基幹病院運営のノウハウが民間に乏しく、適切なコストカッターがいないことです。そりゃ、社会保険庁という医療を滅多切りにするコストカッターはいますよ。でも、医療水準を下げてコストが下がっても誰も嬉しくありません。そうじゃなくて、お上に頼らず生きてきた民間企業の「節約の知恵」を生かして頂きたいんです。

 例えば前編で考察したように、役人や医療スタッフは建築コストを理解していない人が多く、病院建築の費用をいたずらに増大させがちでした。これに切り込んでこそ民間主導のPFIが利益を出せるのですが、民間企業も本気で医業を運営した経験がなく、PFI事業の初期費用を抑える力がなかったのではないでしょうか。もちろん、病院や診療所を運営している企業はたくさんありますよ。しかし従業員の福利厚生事業として運営するのと、営利事業として運営するのは違います。本気で利潤を上げようと思えば、赤字で結構の福利厚生事業のノウハウは通用しないのではないでしょうか。

 また、PFIと言っても「ウェブもりおか」にあるように契約形態は様々であり、民間企業が十分なリスクを負わない内容ではコスト低減ができません。例えば病院を建築してすぐに自治体が買い取る契約になっている場合、旧来の公共工事と同じく、過剰に大きく高価な「箱物」を作って儲けてやろうというインセンティブが働きます。自治体幹部への利益供与もあるでしょうね。これでは民間企業を活用したとは言えません。この点では自治体の側にも運営ノウハウが必要ですし、情報公開を通じた住民による監視も欠かせません。「民間の建築だから内容には干渉できない」などと逃げられては、無駄に立派な建物だけが作られ、関係者だけが潤う旧来の土建行政と変わりません。PFIの本来のスポンサーは自治体ではなく住民だと認知されるべきです。

 高知医療センターのケースでは、PFIの中で中核となる医療事業と、給食や清掃などのメンテナンス事業が分離されており、医療事業の赤字を自治体が補填するような仕組みになっているらしいです。ところがこの医療事業が赤字で、別会社にしたメンテナンス事業が黒字であり、この黒字は医療事業には還元されない契約になっているため、オリックス系のメンテナンス会社だけが利益を上げて、肝心の医療事業は大赤字という惨状だそうです。オリックスの方が一枚上だったということですが、自治体が経験を積んで賢くなるにつれてこのような失態はなくなることでしょう。

 医療PFIがうまく機能するにはまだ経験の蓄積が必要であり、いくつかの事例が失敗したことをもって、「駄目だったから次は株式会社病院の容認を」とするのは拙速です。PFIは30年の長期契約を基本としているようですが、日本での医療PFIを運営するにあたって、当面は契約内容を短期で見直せるように考慮しておくべきでしょう。官も民も経験の蓄積が進めば、いずれは日本中に鉄骨造りの安っぽい総合病院が増殖して、自治体の負担も少しは軽くなるのではないでしょうか。ただし、国家レベルでの医療費抑制政策は明らかに失敗であり、これが廃されない限りはPFIだろうが株式会社病院だろうが国民の期待に応えることは困難です。
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医療PFIはうまくいかないのか(前)

2008年01月23日 | 医療、健康
PFI (Private Finance Initiative)という公共サービスの新しい運営手法が導入され始めたようですが、「PFIによる運営」を謳った高知医療センターの医療部門が予想外の赤字を出すなど、かなり問題があるようです。私もほとんど知らない用語だったのですが、PFI関連のニュースが多くなってきたのを機会に少し勉強してみることにしました。

 内閣府の説明は専門家用なのか、一般国民には問題点が見えないようにわざとわかりにくく書いてあるのか、要点が掴めません。盛岡市のサイト「ウェブもりおか」に図入りの解説がありましたので、ここから入門することにします。

 まず、PIFは1992年にイギリスで公共サービス部門に民間資金を導入するために整備された仕組みだということです。従って事例はイギリスに多くあり、自治体国際化協会(CLAIR)のごく簡単なレポートを見ることができます。

 この自治体国際化協会は自治省の外郭団体だそうですが、こんなの誰も知らないでしょう。レポートの貧弱さを見ても、税金でイギリスまで行って何をやってるんだ、と疑問に思うのは私だけでしょうか?この程度なら、マーケティングの会社や大学の研究室に小額の予算を配分してくれれば、喜んでエコノミークラスで飛んで行って調べてきますよ。どうせ「外郭団体は政府機関にあらず」ですから収支も職員待遇も非公開なんですよね?

 だいたいPIFに対する評価なら、当のイギリス人が発表してくれています。民間資金を導入する仕組みにもいろいろあると思いますが、PFIでは民間企業が施設を建設することで、より安い費用で建設することができ、後から公金で借りるか買い取るかしても全体としては効率的になりうるわけですね。このため、PFIの導入により公共設備の整備が促進されたと評価されているようです。その後の施設運営も民間企業が請け負う場合があり、これもコスト低減に寄与する可能性があります。「施設が安っぽいことは問題」との批判もあるようですが、これは当然。公共工事より安く作らなければ儲けが出ませんから。

 民間企業は建設コストを低減するために、無駄を徹底して省きます。私の住む名古屋とその近郊で見れば、最近の店舗建築は高層建築を除いてほとんどが簡便な鉄骨造り。栄のラシック、星ヶ丘の星ヶ丘テラスアクアウォーク大垣など、かなり大規模な店舗まで鉄骨造りだと思われます。私は建築の専門家じゃありませんが、この3つは建築中の様子を見ていますから、間違いないでしょう。

 今まで大規模建築で主流だった鉄筋コンクリート(RC工法)とどこが違うかと言えば、コストが圧倒的に安いこと。1階毎に型枠を組んで、コンクリートを流し込み、固めて、型枠を外し、コンクリートの状態を検査して、はつって、また次の階の型枠を組んで…という手間の掛かるのがRCです。鉄骨造りなら鉄骨を組んでしまったら、後は工場で作っておいたパネルを組み付けるだけ。現場の作業より工場で済ませられる作業の割合が高いので、工期が圧倒的に短くなります。用地を確保したら1日でも早く出店したい企業にとって、これは有り難いことです。

 また、コンクリートの塊であるRCよりも、鉄骨だけの方がずっと軽いので、建築で一番手間と予算の掛かる基礎工事を大幅に簡略化できます。ラシックや星ヶ丘テラスも、工事が始まったと思ったらいつの間にか立派なビルになっていました。それぞれ古いRC建築である名古屋三越栄店、星ヶ丘店と隣接していますが、「ラシックの建物は鉄骨だから嫌だ」という人もいないでしょう。商用ビルでは鉄骨のデメリットはまずありません。軽いので振動しやすく、マンションやホテルには向かない、というのが私の知る唯一の欠点です。でも、戸建の鉄骨住宅や鉄骨のアパートがあるのですから技術的には解決可能だと思いますよ。

 まだあります。RCと違って骨組みと内装、外装が分かれているため、改装がとても楽なのです。RCの壁を移動させるには既存の壁を重機で壊さないといけませんが、鉄骨ならその部分のパネルを外して他に移すだけ。もちろん、構造部材である鉄骨の移動には制約がありますが、それでも総じて「鉄骨ビルの改装は容易」と言っていいと思います。不要になった際の解体もRCよりずっと楽ですし、鉄骨はコンクリートの破片と違ってリサイクル率100%の優等生です。店舗建築が鉄骨ばかりになっているのは当然ではないですか。

 ところが、公共建築はまだまだRCが多いのですね。その例がこれ。母校に恨みがあるわけじゃありませんが、工事の過程はずっと見ていましたから、よく知っているんです。この辺は近くに吹上(水が吹き上げるという意味の地名)のビール工場があったことからもわかるように、地盤が軟弱で地下水位が高いのです。少し掘れば地下水がざーざー出るような所で、巨大なRCビルを建てたものですからもう大変。地下鉄を作るのかと思ったほど深く広く掘り下げて、何年も掛けて重量に耐える基礎工事がなされました。工事の難度と工期の長さから考えて、同規模の商用ビルの数倍は予算が掛かっているでしょうね。それに先立って古い病棟を壊した際にも、鉄筋コンクリートを破砕する音と振動がまともに伝わって、顕微鏡が使えないほどでした。鉄骨から鉄骨への建て替えなら、ずっとスマートだったはずです。

 もう1つ、白鳥の名古屋国際会議場。どうも役所の偉い人は、自分の在任中の「記念碑」としてこの手の箱物を作りたがるようで、汎用性のない凝りに凝った設計はコストを不当に押し上げていることは間違いありません。こんなの、アピタの店舗みたいな簡単な構造でいいんですよ。そうすれば移転も建て替えも簡単ですから。医学関係の大きな学会でここを利用することがしばしばあったのですが、年々展示規模が拡大するため、もう手狭だと言われているのです。でも、ロンドン橋みたいなタワーと言い、中庭の騎兵のモニュメントと言い、「需要に応じたスクラップ&ビルド」の思想はお役人にはないみたいです。こんな悪例を見ると、PFIによる民間企業活用は素晴らしいものに思われるんですが…。

 PFIの概念はだいたいわかりました。まず民間企業が主体となって資金を出す、つまり支出をコントロールすることで、事業の財務内容を改善できるわけです。では、高知医療センターや近江八幡市立総合医療センターではなぜこの仕組みが機能しないのでしょう?民間企業の運営する充実した情報サイトである「PFIインフォメーション」によれば、全国でPFI事業が次々に進行していることがわかります。これはPFIのメリットが浸透した結果ではないのでしょうか?
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通勤は古本を持って

2008年01月22日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

 今になって読み始めたハリー・ポッター。ブックオフで"the Chamber of Secrets"を500円で手に入れて電車で読んでいたのですが、たまたま近所の「ダンシングベア」を覗いてみたら200円の"the Philosopher's Stone"がありましたので有り難く頂戴しました。

 ダンシングベア極楽店はフランテのすぐ北です。極楽息子(大)のゲームソフトを見に行ったのですが、こんな掘り出し物があるとは思いませんでした。全く読んだ形跡のない新本なので、卸の段階で売れ残ったのでしょうね。世の中には飽きっぽい人が多いので、話題のベストセラーも少し待てば安く買えることが多いです。実用書と違って、小説は古くなっても値打ちが落ちませんから、こんな獲物を見付けた時は嬉しいです。

 こちらは私が学生の頃、愛読していた「アウトライダー」に野宿ツーリングの記事を連載して人気のあった太田潤さんによるアウトドア料理の本。これはたった105円。当時は東京で学業に追われていましたので、自分で野宿旅行をする余裕もなかったのですが、寺崎さんと太田さんの自由奔放な旅行記を毎回食い入るように読んで、冒険とか放浪への羨望を抱いたように覚えています。「ナチュラルツーリング」の表紙を見ると、お二人ともかなりお年を召したようですが、ご健在で何よりです。

 400ccまでの免許は持っていますし、今でもバイクのツーリングを羨ましいと気まぐれに思うこともありますが、阿部典史選手(ノリック)みたいな世界最高レベルのライダーでも街中で事故死するんですからね。「上手ければ事故は防げる」という前提が完全に崩れたわけで、女房子供のある身としては偶然の事故で迷惑を掛けるわけにもいかず、今の状況ではバイクに乗る気になりません。

 こちらは通勤用じゃなくて息子用に買った本。学者の冒険とはこういうもの、という輝かしい古典です。ゲームじゃなくて悪いけど、ゲームより息子の血肉になってくれると思います。

 これも上下で210円。本当に安いです。極楽息子(大)もそろそろ絵本から字の多い本を読んで欲しいので。
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ホーキンスの2足セール

2008年01月21日 | 比べてみよう
 「靴は何がいい」で書いたように情報を収集していたのですが、結局は星ヶ丘テラスのABCマートで2足セール(2足目が半額になる)があったので、乏しい選択肢の中からあれこれ履いてみて決めました。ホーキンスの8296と3382です。乏しい選択肢、と言うのは2足セールの対象製品が少なく、あまり選べなかったからです。

 なぜかどちらもホーキンスのサイトには載っていませんが、ABCマートの通販サイトでは8296を扱っているようです。8296は革底、3382はゴム底なので天気によって使い分けようと考えました。

 10年以上の酷使でさすがにくたびれたFinn Comfortとホーキンス3382です。同じサイズなのに輪郭が随分違うことがわかります。一応、ホーキンスの中では窮屈でないモデルを選んだのですが、それでもFinn Comfortのサンショウウオみたいなシルエットとは大きく違います。見た目は不細工かも知れませんが、これが足の健康にとって最善の形であることは経験が実証します。

 ホーキンスの2足はどちらも側と底を接着するいわゆるセメント製法であり、また革に樹脂をコーティングした同社の言う「グラス革」になっています。隙間が全くないため、水には強い反面、かなり蒸れることが心配になります。通勤に使ってみた感触でも、特にゴム底の3382の方は相当に蒸れるようです。雨の日は仕方がないですが、できるだけ8296の方をメインに履いた方がいいでしょう。足の蒸れが我慢できない人には、どちらもあまり奨められません。3382の方はあまり蒸れるので、セリア(100円ショップ)の中敷を敷いてあります。

 私も足の蒸れは気になる方ですが、職場ではずっとサンダル(GTホーキンス)なので、通勤用の靴は行き帰りにしか履きません。暖かくなるとちょっと厳しいかも知れませんが、何とか使い分けで乗り切ろうと思います。

 ホーキンスの場合、サンダルで証明済みの耐久性には期待できると思います。革が硬いので馴染むまでに時間が掛かりそうですが、混んだ店内で長々と試し履きをしてみた成果で、全然合わない靴を買ってしまった懸念はありません。不満がないことはないですが、セールで安く買えたので今のところは良しとしましょう。最終的な評価は何年か後になりそうです。
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「ガソリン国会」の行方は

2008年01月18日 | たまには意見表明
 臨時国会が終わったと思ったら今度は休む間もなく通常国会です。何となく成立してしまった給油新法は既に大多数の国民の関心事ではなくなったようで、今度はより生活に直結した租税特別措置法、すなわちガソリンの暫定税率の扱いについて与野党の攻防が始まります。論点が非常にわかりやすいので、多くの国民が興味を持って見守ることでしょう。

 私は元々暫定税率の維持には反対で、ばら撒きで道路を作るぐらいなら自動車ユーザーに税金を戻すべきだと思っていますし、一般財源への繰り入れにしても負担が偏り過ぎて望ましくないと考えます。

 自動車産業とその顧客が戦後の日本を豊かにした最大の原動力なんですから、「自動車の社会的費用」などという取って付けたような理屈で高負担を強いられるのは筋違いもいいところです。せめて石油が高騰して景気の先行きが危ぶまれる今ぐらい、景気対策として税率を下げるのが正当じゃありませんか。

 道路整備のための「暫定」税率が決められたのは1974年(昭和49年)です。これが地方自治体とそれにしがみ付く土建業界の「既得権」と化して「暫定」と言われながら30年以上の長きに渡り続いているのは、一向に構造改革が進まない日本の象徴であり、日本の政治と経済が改革の能力を有してまともに機能する(従って投資に値する)ことを示すためには何が何でも断ち切らねばなりません。

 サブプライムショックが本国であるアメリカよりも日本に堪えているのは、元々日本の将来に期待が持てない資金が、日本を離れるきっかけを探っていたからでしょう。この10年、アメリカほどの好況もないくせに、アメリカが停滞すれば同じように停滞する経済なんて、外資から見れば魅力がないのは当然です。位相が同じで振幅が小さく、中長期的に低落傾向とあれば、資金運用者から見ればリスクヘッジにもなりませんよね。

 従って、民主党がこの点を最重点に国会に臨むのは国民の意に適っており、大賛成です。実際に報道機関の調査では2/3の有権者が暫定税率廃止を支持しているようです。自民党はこれをポピュリズムと批判していますが、支持率の低迷する福田内閣がこの圧倒的な世論を無視することはできないでしょう。まともに戦うことはせず、どこかで「落としどころ」を探ってくると思います。

 まずは福田首相を矢面に出さない形で、町村官房長官が有権者の「ご機嫌伺い」に出てきたようですね。「お金が天から降ってくるわけではない」という意見はごもっとも。増税の折には我々サラリーマンもぜひ同じ事を言って反対したいと思います。ついでに言わせて頂ければ、UFOも天から降ってくるわけではないと思いますよ。

 町村さんが暫定税率廃止に反対する根拠としている、「地方自治体の財政に影響がある」という言い方は筋が通らないものです。「道路特定財源による道路整備はもう十分だから、一般財源に繰り入れて自由に使えるようにしよう」と言い出したのは政府だからです。一般財源に繰り入れるほどの余裕があるのなら、今までと同じ額の道路整備は必要がないということです。

 しかも、自動車ユーザーは揮発油税に限らず、いろいろな形で暫定的な税の高負担を続けています。町村さんが「ヨーロッパに比べれば日本の揮発油税率は低く、日本のガソリンは安い」と強弁しても、各種の税金や道路代を考慮すれば、先進国にあるまじき不当な負担をユーザーに押し付けていることは明白です。「ガソリンの暫定税率を据え置く代わりに、自動車重量税の暫定税率を廃止する」とでも言われるなら考慮に値しますがね。

 町村さんも、今回の会見で有権者の反応は確認できたでしょう。地上デジタルや著作権の問題に触れたくないマスコミも、もちろんインサイダー取引問題に蓋をしたいNHKも喜んで政府叩きに加わるでしょうから、さすがに今回の自民党には勝ち目がないと見ます。自動車ユーザーの皆さん、みんなでもう一押ししませんか?
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それでも飲むのが好き

2008年01月17日 | 極楽日記

 1歳6ヶ月健診で「そろそろ卒乳を」と言われたので哺乳瓶で与えるのを減らしています。でもこんな仕草を見ると、あらぬ方向に走りそうな予感もあります。大人になったらかなり呑みそうだな、こりゃ。
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受賞鍋

2008年01月16日 | 極楽日記

 去年から流行のカレー鍋の素を使ってみました。これは極楽息子(大)の「海とさかな自由研究・作品コンクール」表彰式でスポンサーのニッスイさんから頂いたもので、同じく副賞に頂いたニッスイのフィッシュソーセージを入れて「受賞鍋」にしてみました。

 昔からカレーうどんがあるのを見てもわかるように、和食とカレーはよく合います。カレー鍋も、寄せ鍋の残りにカレーを入れて食べてみたら旨かった、という発見が広がってきたものでしょうね。相撲部屋でちゃんこ鍋の最後にカレーで味付けして食べることも珍しくないそうです。

 私ぐらいの世代だと、「魚肉のソーセージ」は学校給食で嫌々食べていた「代用品」のイメージが強く、豚肉のソーセージに比べるとまずいという先入観があって日頃は買い物の対象になりにくいのですが、改めて食べてみると悪くありません。考えてみれば元は竹輪や蒲鉾と同じ練り物なんですから、悪い道理はありませんよね。最近のフィッシュソーセージは価格を上げてでも品質を重視しているらしく、店頭で見ても「代用品」の安っぽさはありません。栄養面でも優れており、これなら使えるじゃないか、と大いに見直した次第です。
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今年も自転車の練習

2008年01月15日 | 極楽日記

 最近の小学生はあまり自転車で遊びに行かないのか、自転車に乗る機会も少ないようなのでまた猪高緑地公園へ練習に行きました。お天気はいいですが寒いのでしっかり着込んで出掛けます。

 同じコースをぐるぐる回るのは前より上達したようですが、まだ一般道路で自信を持って走れないのは、進行方向の切り替えが必要な時にできないからです。そこで特設の8の字コースで簡単な切り替え操作を練習してみたのですが、すぐに根を上げてしまって失敗。この程度の線がたどれないようでは、街中は難しいです。

 こんな形なら喜んで走ろうとするんですが、さすがにこの輪郭をたどるのは無理ですね。もっと大きい絵が描ければいいんだけど。

 結局、お絵描きタイムになっちゃった。

 それでも去年よりは乗れるようになったんで、まあ良しとしますか。
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「ゆきとトナカイのうた」

2008年01月11日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)
 古本で入手した絵本です。絵本としてはかなりの長編で、テキストも多いので少し大きい子用でしょう。もちろん、読み聞かせなら1年生の極楽息子(大)でも大丈夫。

 明るい色調の絵に惹かれて読んでみると、極北に住む遊牧民族、サーメ人の本当に厳しい生活がありのままに描かれています。都会に住む人が安直に抱くような「自然との調和」なんて相手にもされない、ぎりぎりの環境での人と人、そして人とトナカイが身を寄せ合って生きる伝統的な暮らしぶりは、ひ弱になってしまった我々から見ると輝いて見えます。それにこの女の子、とても楽しそう。人間としての能力を精一杯に発揮して生きるのは気持ちがいいものなのでしょう。

 もちろん誰だって生活が豊かな方がいいので、時代に合わせてスノーモービルを取り入れるなど、遊牧の生活も近代化してはいます。この本はオランダで1988年に受賞、とあるので20年ほど前のことです。今ならきっとノキアの携帯を持って遊牧しているでしょう。

 昔は日本にも動物を狩ってそれだけで暮らすマタギや、北海道あるいは北方諸島の狩猟生活者がいましたね。サーメ人も人種的にはヨーロッパの白人と言うよりは、アジアの狩猟民族に近い部分があるようです。どこか心情的に共通するようなものも感じます。

 雪と氷の土地は本当に貧しくて、トナカイの餌と言っても夏に生える苔類しか頼れるものがありません。苔が不作の年はトナカイが飢え、人間も窮乏しなければいけないのです。こんな状況ですから、トナカイを殺しても決して無駄にすることはありませんし、神への心からの感謝を忘れません。我々だって、食事の前には手を合わせて「いただきます」と言いますね。食物は生き物。命を「いただいて」我々は生きられるのです。

 こんな説明をしながら読み聞かせると子供が静かに、熱心に聴いてくれます。お薦めですよ。
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手軽に断熱ドア

2008年01月10日 | 極楽日記

 住宅の開口部は断熱の弱点であり、ここを工夫すれば住宅全体の断熱性能を上げやすい、とはよく言われること。極楽家の窓はプチプチシートとハニカム・サーモスクリーンでかなり改善しましたので、次はドアの番です。

 極楽家の玄関は幅の広い親子ドアで、新日軽のアルミ製。建築された16年前には断熱ドアが普及していなかったので、中には断熱材が入っていません。寒い夜には凍りつくほど冷たくなります。これでは暖房しても熱が逃げてしまいます。しかし新しい断熱ドアに交換するとなると50万円コースになってしまいます。いくら暖房の電気代がもったいないからって、50万円は掛かりません。将来はともかく、今はそんな余裕がないので見送りです。

 構想そのものは以前からあったのですが、楽に施工できて効果のある素材、しかも見た目があまり見苦しくないもの、ということでなかなか決まりませんでした。今回はいつもの100円ショップで床用の樹脂製マットを買って来て、これを加工して両面テープで貼り付けることにしました。

 このマットの断面を見てみると微小な気泡がたくさんあり、いかにも熱を遮断してくれそうです。昔はこのような用途にはウレタンがよく使われていたと思うのですが、EVAは適度な柔らかさと弾性があって、確かにマットには向いているようですね。ただし耐熱温度が70度と低いため、建材としては使えません。

 写真は施工途中のものです。かなり安直な施工ですが、遠くから見れば木製ドアに見えないこともありません。熱が逃げなくなったことは明らかなので、価格を考えれば良しとすべきでしょう。
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