さあ最終日です。
朝食も中華ですよ。
京城百工房なる工房。伝統工芸品の職人を国家予算で集めて製作に専念させ、優れた技術が途絶えないように保護する施設のようです。中国でも一流の職人は高齢化していて、旧来の「売れるまで生活できない」環境では後継者が育たないため、きちんと給料を出しているそうです。場所は崇文区光明路。この裏に百工博物館というかなり大きな博物館があるそうですが立ち寄りませんでした。
入ったのはこっち。高反発のラテックスマット専門店。Dahsheng ChemicalだからDSCです。会社のサイトを見ると、本社は何と台湾。北京と台湾の関係も大きく変わったものです。天然ゴムといえばマレーシアなどを連想しますが、中国の南方も産地なんだそうです。テンピュールに代表される低反発マットのブームが過ぎて、これからは高反発の時代だそうですが、うちには高反発息子がいるので今のところ不要だと思います。
さて、北京観光の締めくくりは天壇公園です。
ハイライトは皇帝が正月に五穀豊穣を祈念した祈年殿。
この大きさにして精密な細工と彩色がすごいです。垂木は上下二段の二軒(ふたのき)、下の地垂木に丸材を使った「地円飛角」で、天平以降の日本ではほとんど見られないタイプです。
正月用の建物ですから、金の龍と鳳凰がモチーフになっています。日本の寺院の枯れた味わいとは対照的な中華テイスト。豪壮かつ繊細。日光東照宮の陽明門を「日暮門」と言いますけど、この祈年殿も日暮れまで眺めて飽きない感じがします。北京の抜けるような秋天と祈年殿とか、夕日と祈年殿、満月と祈年殿など、いろいろな状況でそれぞれ美しいことでしょう。
台座の彫刻も立派なものです。
パック旅行の立ち寄りでよく使われる朝陽区の随縁芝木博物館。美術品の展示だけじゃなくて販売をやっており、「国家が認定した販売所なので品質は間違いない」「日本で鑑定して偽物なら返金する」と自信たっぷり。ただし、「美術品の紹介が目的なので利益は考えてない」とまで言われると怪しい感じがしてきます。確かに見事な工芸品だと思いますし、好きな人には本当に価値があるのでしょうが、こういう美術品って、値段じゃなくて好みの問題ですからね。
これが目当てで北京に行ったのならともかく、いきなり翡翠の香炉を見せられて「素晴らしいでしょう!日本で買うより一桁安いですよ!」と言われても即決できません。だいたい極楽家じゃ息子たちのおもちゃになってぶっ壊されるのが関の山です。極楽息子(大)が関羽像を欲しがってましたけど、日本円で8万円以上。自分で稼ぐようになってから買ってくれよ。
まるで倒産セールみたいな看板。国家が認定した美術品を利益度外視で普及活動している、というトークを信用できる方いますか?
北京有数の高級マンション。北京中医薬大学とか北京化工大学のある文教地区で、有名中学(北京化工大学附属中学のこと?)の学区であることから非常に人気があるそうです。1平方メートルで日本円にして350万円の高価格物件なので、もちろん庶民には手が出ません。北京市環状4号線内(北京直轄市全体は四国と同等の広さ)が東京23区内と同じ感覚で、相当な収入がないと暮らしにくい地域です。
最後も中華料理でした。刀削麺はおいしかった?