いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

コンバットデジQ

2009年01月30日 | 極楽日記

 画期的な赤外線方式のラジコンとしてコナミと旧タカラから発売された「デジQ」シリーズは、私の予想と違って市場の主流とならずに程々の販売が続いているようです。一般的な電波式と異なり長いアンテナがいらない仕組みは、アクティブに(乱暴に、とも言う)おもちゃで遊ぶ子供から歓迎されるかと思ったのですが、宣伝不足だったのでしょうか。

 特に鉄道模型に展開した「デジQトレイン」はトンネルや鉄橋、立体交差を苦にしないアンテナレス構造がぴったりなので、いずれは大きく売れてトミーの「プラレール」に一泡吹かせるに違いないと期待したのに、販売を担当したタカラが当のトミーと一緒になったのではどうしようもないですね。今ではコナミとタカラトミーがそれぞれ互換性のない製品を売っているようで、どうにも惜しい感じがします。

 コナミとタカラが共同でデジQを売っていた頃の製品、「コンバットデジQ」は要するに赤外線リモコンの戦車です。人気低迷のためリサイクルショップに只みたいな値段で出ていたのを、息子が大きくなるまで取って置いたものです。8歳の誕生日にあげたら一応は喜んでましたので、先行投資が役に立ったのでしょう。

 パッケージの写真は上下ともほぼ同じですが、コンパクトデジカメはレンズとフラッシュの光軸が極めて近いので、真正面から撮影するとどうしても反射が強くなってしまいます。かと言って上の写真のように傾けるのもきれいに見えないので、やっぱり機材の限界を感じます。
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きけんなヘビ

2009年01月29日 | 極楽日記

 極楽息子はなぜか蛇が大好きなのでよく絵に描いています。今度は大きくて危険な蛇にメダルをあげているようですね。でも同じ危険な蛇でも毒蛇は嫌いなようで、春休みに「こども環境大賞」で招待された西表島に行くことになっているのですが、有名なハブがとても心配なようです。沖縄県ではハブに咬まれる被害が後を絶たず、年間100人以上が被害に遭うらしいです。

 そこで調べてみますと、どうも西表島を含む八重山諸島には普通のハブがいないみたいです。代わりに小型のサキシマハブがいるので無視することはできませんが、かなり小さいので恐怖感はやや弱いと思います。またハブによく咬まれるのは5,6月と10,11月ということなので、3月末ならまだあまり活発じゃないのでしょう。

 詳しいサイトによれば、サキシマハブは八重山諸島の人家近くにも出てくるようで、西表島では少しばかりスリルを味わえるかもしれません。ただし普通のハブと違ってあまり攻撃的ではないので、人間が注意していればあまり咬まれないみたいです。また、夜に人家近くをうろうろしているため、車に轢かれて死んでいるのは珍しくないそうです。西表島に行ったら、まずは死体か抜け殻から観察することにしましょう。
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Oliver Twist

2009年01月28日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)


 現在の通勤の友は、"Jane Eyre"に続いてビクトリア王朝期の古典、"Oliver Twist"です。映画化やテレビドラマ化もされておりストーリーはよく知られていますが、原文はDickens特有の皮肉や饒舌に富み、挿入句のやたら多い文体は揺れる電車でかなり読みにくいです。ゆっくりですが繰り返し読んで何とか固有の雰囲気を味わっています。地下鉄で読んでいたら、外国人から声を掛けられ、「びっくりした」と日本語で言われました。英語ネイティブも普段はあまり読まない古典なんでしょう。

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8歳の誕生日

2009年01月27日 | 極楽日記

 日曜日に極楽息子(大)8歳の誕生日をお祝いしました。ママの特製8の字ケーキが登場しました。

 極楽息子(小)は誕生日なら誰のでも嬉しいようです。

 じいちゃんからのプレゼントは鶏の丸焼きと任天堂DSiです。単にゲーム機としてはDSと変わらないように見えるんですが、本人はとても嬉しそうで、早速カメラでいろいろ撮って遊んでいました。
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α200デビュー戦

2009年01月26日 | 比べてみよう

 何とか手に入れたα200を豊川で使ってみました。レンズは標準の18-70mm。そう言えば近所にミノルタの工場があったっけ。私の世代はやっぱりα(アルファ)と言われるとソニーよりミノルタを連想します。

 内蔵フラッシュで簡単に撮った写真をブログに合わせて切っただけなので、コントラストも色調も論評できるものではありませんが、やはり一眼レフだけあって「構えて撮る写真」については圧倒的にシャッターチャンスに強いです。ポップアップフラッシュの光軸が高いので赤目になりにくいのもいいですね。

 同じような状況でも、S520ではどうしても動きのある瞬間を避けてしまいます。スナップと言うよりはメモみたいな写真が多くなります。

 ここまでブログ写真の多くをニコンS520で撮ってきましたが、しっかりしたファインダーのないS520のようなコンパクトデジカメは、こうした動きのある被写体が苦手です。原理上フォーカスも遅いし、フラッシュもプレ発光のため反応が悪く、大抵はチャンスを逃すことになっていました。反面、携帯性ではもちろんS520の圧勝なので、予想外のチャンスを捉える可能性はずっと高いです。うまく使い分けることで我が家の写真記録がより充実することを期待しています。
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迅速ベーコン(野宿ツーリングと病理学の接点)

2009年01月23日 | 極楽日記

 白川郷で頂いたベーコンが淡白で物足りない思いが残りましたので、久々に自分で作ってみました。本来は豚肉を塩漬けにする下ごしらえに時間が掛かるのですが、食欲が先行して週末まで待てなかったため、野外料理で有名な太田潤さんのレシピを参考にして、ウーロン茶(実際はプーアール茶でした)で煮たものを醤油と味醂に漬け、次の夜にスモーカーに入れました。太田さんはバイクツーリングの月刊誌「アウトライダー」で長らく連載をしていたカメラマンで、野宿ツーリングの料理を実践するうちにアウトドアクッキングの紹介者として評価を得た人です。当時の読者には「イタチョー太田さん」で通じると思います。

 だからアウトドアクッキングとは言っても、アメリカのバーベキュー王として有名なSteve Raichlenみたいなフル装備のアウトドアではなく、もっと手軽な料理が主体です。今回は太田さんの本に、ウーロン茶で煮た豚肉を醤油と味醂で味付けして網焼きするレシピがあったので、網焼きの代わりにリンゴのチップで燻製にしたものです。

 ある種の肉類の料理では塩漬けの過程がとても重要です。ベーコンやハムでは塩漬けあるいはピクリング液に漬ける工程でスモークとの相性がずっと良くなりますし、日本料理でも酢と塩で「しめる」技法は欠かせません。

 これらと共通するのが、生体の組織を採取して顕微鏡標本を作る際の「固定」です。普通はホルマリン液に組織を漬け込み、組織を構成するタンパク質や脂肪に一種の変性を起こさせて、その先の染色との馴染みを良くする作業をさします。固定がまともにできていない標本では、組織に過度の収縮や構造破壊が生じ、染色状態も悪くなるので診断精度が著しく低くなってしまうのです。この辺の「適度にタンパク質を変性させて料理しやすくする」原理は料理も標本作りも共通するものがあり面白いです。

 ホルマリン液は少しずつ組織に浸透しますので、普通に標本作りをすると数日は掛かってしまいます。どうしても急ぎの標本が欲しい時は、組織を特殊な樹脂に詰めて、ドライアイスや液体窒素で急速固定してしまうのですね。ホルマリンのゆっくり固定に比べると品質が落ちることは多いですが、手術中の迅速検査などでは欠かせない技法です。今回のベーコンもどきは、この迅速検査のようなものでしょうか。

 味は元の肉質でかなり決まってしまうので、今回は近くのディスカウントスーパーで買ったため評価保留とします。ただ塩をほとんど使っていないので塩分を気にする人にはいいでしょうね。塩が旨味を引き出すという点からは、味に物足りなさがあるのは仕方ないと思いますが。また、最初に煮てしまうためスモークできれいに発色しません。それでも本物のスモークですから(肉の味はともかく)風味は感じられ、手軽に焼いたりシチューに放り込んだりして食べるのにはこれでもかなり使えます。
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α200導入

2009年01月22日 | 極楽日記

 ソニーとキタムラカメラの在庫処分に乗って、α200のセットを入手することができました。ほんの数年前まで高嶺の花だったデジタル一眼も安くなったものです。ボディだけの値段なんてコンパクトデジカメと変わらないんですから。

 折角ですから覚え書きを兼ねてカメラ遍歴など。私のアマチュアカメラマン(と言えるほど撮ったわけじゃありませんが)としてのキャリアは幼稚園の時に親父のハーフ判カメラを借りて撮ったのが最初だと思います。ハーフ判なんて若い人には通じないですね。昔は写真フィルムが高かったので、35mm判の1画面(36mmX24mm)を半分ずつ使い、撮影枚数を2倍に増やす庶民的なコンパクトカメラが普及していました。普通の35mm判が横長の画面なのに対し、縦長なので家族のスナップ写真には好都合だったでしょうね。

 有名なオリンパスペンもよく使わせてもらいました。確か、レンズ周りに太陽電池をびっしり配したオリンパスペンEEだったと思います。写真を撮っても現像とプリントは親父を経由してカメラ屋に出していたので、つまらない写真を撮ると「もったいない」と怒られましたね。カメラの中身が気になって、何回か途中で蓋を開けてフィルムを感光させたりもしました。

 元々は親父がカメラ好きで、バイトで食いつないでいる生物学者という不安定な身分にもかかわらず、クルマとかカメラとか持っていました。質流れ品を手に入れたミノルタA-2なんて当時としてはすごい贅沢品で、新入社員がいきなりベンツの新車を買うようなものだったと思います。

 多分、我が家ではここからミノルタのカメラを使うようになったのだと思います。当時の生物学教室では、下っ端が顕微鏡写真を撮るのに自前のカメラを使っていたようで、そのために無理してミノルタの一眼レフ、SR-T101を買ったようです。教授クラスの人はニコンFなどを持っていたそうですが、一眼レフのボディーをを顕微鏡に接続して撮影する場合に必須のミラーアップが非常にやりにくいため、現場ではSR-T101の方が評価が高かったと聞きました。(それにしてもコニカミノルタの記録によるSR-T101の定価って、α200ボディの実売価格とたいして変わらないですね。ミノルタがカメラ作るの止めるはずだ。)

 中学生になって、世間ではキヤノンAE-1などの高機能AE機に人気が集まっていましたが、我が家は相変わらず豊かではなかったため私も同じSR-T101を買ってもらい、たまたま庭のヒマワリの写真で「子供の科学」の佳作になった以外は家族旅行の記録ばかり撮っていました。いいな、と思って撮影しても、プリントして良かった写真というのは本当に少ないもので、押せば(とりあえず)写るはずの写真も実に難しいものです。

 SR-T101の標準レンズは55mmF1.7でした。なぜ焦点距離が半端だったのかわかりません。これに親父の持っている50mmマクロF3.5と300mmF4.5がありましたが、押入れの奥にしまってあり、ほとんど使うことはありませんでした。何で300mmF4.5などという高価なレンズがあったのか?どうも親父がポートレートを撮るつもりで、一般的な100mmや135mmより長いからもっと良かろうと思って奮発したようです。昔からこういう身の丈に合わないことが好きな人で、大学院生の時にはほとんど学長しか持っていない自家用車を買って大学に通っていたこともあります。

 SR-T101は10年ほど私のメインカメラとして活躍しました。気軽に使えるレンズが55mm短焦点ではさすがに不便なので、今は亡きサン光機のズームレンズを安く買ったり、サンパックの小型ストロボを付けたりと、それなりに一眼レフのシステムを楽しんではいましたが、やっぱり周りの新しいカメラが気になっていました。不人気のX-1の中古を東京のカメラ屋で見つけて、かなり食指が動いたのですが。

 こんな旧式のカメラからα7700iになった時は、写真が本当に楽になった気がしましたね。同じミノルタでもマウントが完全に違うのでロッコール時代のレンズ資産を継承できないため、新規購入として弟の買ったのと同じキヤノンEOS650(AFは速く快適ですが、ファインダーをコストダウンしたのかマニュアルではフォーカスの山が掴みにくかった記憶があります。)でも良かったのですが、何だかミノルタの方が手に馴染む感じがしたものですから。でも楽に撮れすぎるので考えて撮らなくなった、写真が下手になったというのは弟と意見が一致しました。

 αマウントのレンズは標準の35mm-105mmと24mm-50mm、そして100mmマクロと100mmソフトの4本です。これにストロボの3200iとマクロフラッシュ1200AFを揃えたので、特にマクロ系はかなり使えるシステムになりました。家族の記録の主力がデジタルビデオになってしまったので、欲しかった機材を手に入れた割には出番が減ったのが残念です。

 小さな子供を連れた外出では荷物が多くなるため、荷物になる一眼レフはどうしても留守番になってしまいます。動き回る子供が主役ですから、ビデオか写真かと言えばやっぱりビデオが向いていますよね。そうこうしている間に7700iの電池蓋が壊れて使い勝手が悪くなり、また時代はフィルムカメラからデジタルカメラに急速に動きました。最初はフィルムカメラの画質に当分追いつかないと思った私は、ミノルタのフィルムスキャナー、QuickScan35で写真のデータ化を目論みましたが、パソコンの能力不足などの理由で断念しました。

 ご存知のように、今ではデジタルカメラの画質がフィルムカメラに追い付き、一部では凌駕しており、また手ブレ防止や画像処理の進化により作画に集中できる環境もずっと整備されました。何より、ブログが私と家族、そして訪問して下さる皆様の楽しみとして続いていますので、手軽にきれいなデジタル画像が欲しいという要求が今までになく強くなっています。

 2008年9月に導入したニコンS520で手ブレはほぼ解消し、失敗写真が少なくなりましたが、携帯性優先のコンパクトカメラなので動く被写体に弱い(ファインダーがない!)とか外付けストロボが使えない、レスポンスが悪い、接写に弱いという弱点があり、どうせならデジタル一眼レフと思っていました。

 これで昔の一眼レフより安くなったα200を買わない理由は何もなく、数ヶ月値段の推移を観察した後で購入に踏み切ったものです。α350などに比べると画素数が少ないですが、ブログに載せることを考えると多すぎるのも使いにくいため、1000万でちょうどいいと思います。実に12年ぶりのαなので、また今度も擦り切れるまで働いてもらうことになりそうです。
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ボクの寿司ケーキ

2009年01月21日 | 極楽日記

 実家に行った時に手巻き寿司で歓待してもらったのですが、極楽息子(小)が「トゥーユーは?」とケーキを催促するので、寿司ねたにろうそくを立ててお祝いしました。色がきれいだし、息子も嬉しそうですね。
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こども環境大賞表彰式

2009年01月20日 | 極楽日記(Hall of Fame)

 今日は極楽息子(大)とママで東京にお出かけです。朝日新聞社主催、東京海上日動共催による「第1回こども環境大賞」の表彰式に参加します。

 新幹線から富士山が見えたと喜んでいたそうですが、ちょっと前景が悪すぎますねえ。こんな写真見せたら富士山が怒って噴火しそう。

 会場に到着しました。

 いよいよ表彰です。いっぱいお絵描きしてきたけど、今までで一番の賞を頂きました。おめでとう!

 本番で「あがる」性質なので、緊張しています。インタビューも上の空。

 受賞者全員で記念撮影です。このうち大賞、優秀賞の皆さんとは3月に西表島で再会します。

 審査員のお一人である紺野美沙子さんと記念写真。

 表彰式が終わっていつもの極楽息子(大)に戻りました。やっぱり女優さんより恐竜の方が落ち着くみたいです。
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白川村自然学級(その5)

2009年01月19日 | 極楽日記(国内旅行)

 トヨタ白川郷自然学校の名物である「雪の露天風呂」です。貸切ではありませんが、他に誰も入っていなかったので写真撮影は問題ないでしょう。無色透明なアルカリ性の湯で、角質が落ちて肌がすべすべになりますけど、角質は肌の保護効果もあるので温泉の入りすぎには注意しましょう。寒い時期は皮脂が切れて肌を傷めやすくなるので、風呂上りにはクリームなどのご利用を。

 野趣溢れる露天風呂は「よくぞ日本に生まれけり」と思わせてくれます。息子たちも楽しそうですけど、普通の風呂場からの通路がごつごつとした玉石むき出しの舗装で、足が痛くて嫌だと言っていました。足も冷たいので、ここだけサンダルを置いて頂けないでしょうか?

 今回のツアーの新兵器として持参しました韓国製の汎用防水パック、Dicapacであります。カメラメーカー純正のハウジングと比べて値段が手頃なので、他に持参している人もいましたが、雪の中のような低温ではプラスチックが硬化して操作性が極度に悪くなることが判明。またパックの中でカメラがごろごろ動くため、ズームレンズがガラス部分にぶつかって壊れそうでした。スキーや雪遊びのお供としてはお奨めできません。夏の水辺を想定して作られたもののようです。

 フラッシュを使うと内部で反射してこの通り。パックを装着した状態でフラッシュと使うことは考慮されていないようです。露天風呂では仕方なくパックから取り出して撮影したのですが、降りしきる雪の中でカメラが濡れてかなり心配でした。雨や雪の中で確実に撮影したいのなら、メーカー純正のハウジングか、最初から防水加工されたカメラをお奨めします。
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白川村自然学級(その4)

2009年01月16日 | 極楽日記(国内旅行)

 トヨタ白川郷自然学校で頂いた夕食をまとめて紹介します。1日目のオードブルは地鶏の低温調理(と聞こえました)、温泉卵とジュレおよび付け合わせの野菜。低温調理ってよく知らないんですが、低温で時間をかけて加熱すれば組織が縮みにくいため、旨味が抜けないメリットがあるらしいです。でも普通に焼いても中はそんなに高温になりませんし、表面を焼くことで肉汁が逃げなくなりますので、大きな違いはないかと思うんですが。それに香ばしい皮のない鶏肉って物足りないですよ。

 サツマイモのスープ。本物はもっとどろんとしています。焼き芋みたいな独特の甘味と酸味があり、なるほどサツマイモだと思いました。食感はやや重くて、極楽妻はこれだけでお腹一杯になったそうです。

 メインは一品だけ。氷見漁港直送のスズキと地元野菜のポワレです。定番の料理ですが、やっぱりスズキはおいしい魚です。大切りにした野菜も存在感があって私にはちょうどいいです。ベシャメルソースはけっこう濃厚で、甲殻類ともよく合うかなと思いました。

 デザートはタピオカ入りココナツソースをあえたブランマンジュ。

 レストランの障子にも合掌造りが。

 さて2日目です。オードブルはローストビーフにベーコン風味のソース、野菜。健康を考えてくれたのか、ローストビーフに脂分がほとんどなくてぱさぱさしていたため、最初は何の肉かと思いました。

 ありきたりのパンプキンスープですが、1日目のサツマイモよりは色がきれいだし、食感も軽くてずっといいと思います。

 岩魚(イワナ)のポワレ、地元の野菜添え。多分、これがレストランのコンセプトを最も表現した料理なのでしょう。地元の食材を活用し、馴染みのいい和食ではなくあえてフランス料理とする努力は買いますが、元々の風味が強い岩魚にベシャメルソースが合うかなあ。付け合わせが赤カブ、白カブと、カブの葉あるいは野沢菜みたいなそれぞれ主張のある野菜なので、フランス料理と日本の漬物を同時に食べているような違和感がどうしても残ります。

 飲み物に赤ワインを取ったのはちょっと失敗。これなら日本酒の方が調和したはずですね。最初に飲み物を注文する時に、メニューを聞いておけばよかった。一般の人はナイフとフォークで、ソースの掛かった身の部分だけ食べるから気にならないかもしれませんが、私は鮎や岩魚を出されたら、可能な限り頭から尻尾まで丸かじりして頂く習慣になっておりますので、余計にミスマッチが強調されたものと思います。岩魚の骨酒なんてのがあるぐらいですから、やっぱり日本酒が合う魚でしょう。

 定番の飛騨牛ステーキです。ベーコンを刻んだソースがオードブルとややかぶっているように思いましたが、食べてみるとあまり気になりませんでした。これも肉が少しぱさついた印象です。寒いとどうしてもボリュームのあるものを摂取したくなるので、刻んだベーコンよりは、ベーコンで肉を巻いてくれた方が良かったと思います。それにしてもこのベーコンは風味がないですね。朝食用にはこれでもいいですが、夕食には役不足です。同じようなソースを2回使われても鼻につかない、とも言えますけど。

 魚料理にインパクトがあったので、この料理はちょっと無個性な感じがします。別のレストランで、山芋を使ったソースでステーキを頂いたことがありますが、そんなソースならコンセプトにも沿うように思います。あと、牛肉は値段の問題があるのでともかく、ベーコンはもう少しましなのが入らないですか?

 デザートのアイスクリーム。全般に料理があっさりしているので、この季節に冷たいものを出す必然はあまりないように思います。

 最後がティラミスと説明されました。チョコレートの合掌造りみたいなのが乗っています。フランス料理なのに何でティラミスかなとは思いますが、食べてみるとチーズ(もちろんフロマッジョ・マスカルポーネ)の風味が全然なく、安いホイップクリームの塊を食べているような感じ。これは誰が食べても不味いと思います。

 総評すると、まあ白川郷でどうしてもフランス料理を食べたい人はどうぞ、という水準ですね。フランス料理を食べたことのない人なら旅の思い出になる程度だと思いますが、この料理を目的に白川郷に行くのはお奨めできません。岩魚のポワレも工夫は評価しますけど、本物の合掌造りの炉辺で串に刺して並べてある岩魚の塩焼きと朴葉味噌、濁り酒、そして民宿のお爺さんの精一杯の笑顔を思い浮かべますと、味でも演出でも負けていると評価せざるを得ません。炭火の温もりまで頂くような慎ましい喜びこそ、この地方の一番のおもてなしじゃないでしょうか?

 このレストランが一般個人客向けの昼食の営業を止めてしまったのを見てもわかるように、都会のフランス料理店に比べてコスト的に不利なのはわかりますが、それだからこそ、せめて演出を考えてみましょうよ、トヨタさん。
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白川村自然学級(その3)

2009年01月15日 | 極楽日記(国内旅行)


 3日目は最終日です。やや疲れが見えるような気もしますが。

 まだ目が覚めていないようですね。

 この日は雪遊びのプログラムはなく、温泉に軽く入ってからロビーでバスを待ちます。ロビーのシンボルになっている大型の暖炉では、敷地内の間伐材を燃料にしていると説明がありました。他の集会室などでも木質燃料を使ったペレットストーブが稼働していました。

 でも基本的には大規模な全館暖房(大きな燃料貯蔵庫があったので、恐らく重油が燃料だと思います)を主力にしているようで、このロビーも高さ10mを越える大空間を汗ばむほど暖房してあるため、暖炉の前に立っても特に有難味を感じませんでした。この暖炉は飾りに近い使われ方のようです。トヨタ白川郷自然学校のサイトには、自然エネルギーの活用とか循環型モデルとか御託が書き連ねてあるのですが、まずはエネルギーを無駄にしないことが第一じゃないでしょうか?暖房の温度設定をもっと下げるべきですし、長期的には高さ5mとか10mとかいう巨大な吹き抜けからなる建物の構造を見直すべきです。現状では暖かい空気が小屋裏に上がってしまうため、全体を暖房するには大量の燃料が必要になっており、どこを環境に配慮したのかわかりません。

 この施設には、巨大なレクサスLS600hLを1人で乗っている人が、「これからはエコの時代だ。地球に優しくしているかい?」などとほざいているような滑稽さを感じます。いくらハイブリッドだって重量が2tを越え、高性能スポーツカー並の動力性能を誇るLS600hLの燃費は一般的な小型車に比べればずっと悪いし、都市の環境を考えるならできるだけ公共交通機関や自転車の利用を考慮するべきでしょう。

 まあ、この施設もレクサスLS600hLもトヨタですから、考え方がいずれも中途半端で、悪い意味で日本企業らしいとは言えます。この程度のことしかできないなら、トヨタは下手な説明で「環境」を商売に使うのをやめて、レクサスLS600hLは単なる贅沢な大型車、この施設は単なるトヨタ白川郷リゾートとした方がずっとすっきりすると思います。リゾートホテルとしては十分に快適で、インタープリターの方たちのお世話もあって安心して子供と楽しめましたから。

 帰りには白川郷の合掌集落に立ち寄りました。ずっと吹雪なのでもう寒くて寒くて。

 やっぱりこの風景は絵になりますね。この向かいで一眼レフと三脚を抱えて、腹ばいで雪に埋もれているおじさんがいました。写真への情熱と根性は認めますけど、程々にしないと体を壊しますよ。

 この辺に何軒か合掌造りの民宿がありました。本当に雪国の自然を味わってみたいのなら、「ドアの中は常夏の国」のようなトヨタ白川郷自然学校ではなく、このような民宿に泊まってみればいいのです。限られた資源で厳しい冬を乗り切るために、親戚一同が集まって大きな家を造り、一緒に暮らした。好きなだけ暖房が使えるわけではないので、中は小さく仕切って寒さをしのげるようにした。雪の重みに耐えるために傾斜の大きな屋根とし、大屋根の重量を減らすために瓦を廃して茅葺きにした。

 合掌造りの構造はすべて理由があってのことで、トヨタが合掌造りのモチーフだけ取り入れた豪華施設がいかに上辺しか真似ていないかがすぐにわかるでしょう。暖房の不十分な合掌造りだからこそ、一家が囲炉裏端に集まって「おお暖かい」と手をあぶり、みんなで汁をつつき合うのが何よりのご馳走になるのです。エネルギー効率の悪い大空間を「これでもか」と過剰暖房する無駄や、温もりの感じられない暖炉、家族のまとまりを演出しない個別のフランス料理など、天下のトヨタにしてはコンセプトが甘かったように思うのですが、単なるリゾートホテルと考えれば今のままで特に問題はありません。

 トヨタ白川郷自然学校のコンセプトが合理的でないのには、やはりプロジェクトの立ち上げに関わった人たちの影響を否定できません。それでも現状を見ると、初めに稲本さんと組んだ時の混乱をやっと脱しつつあるようにも思われます。これからトヨタお得意の現場主義と「カイゼン」で地に足の着いた啓蒙活動を続けていけば、きっと当初の目的どおり自然学校としての実績をあげるものと期待します。

 自然学校の看板を降ろして普通のリゾートホテルにする手もありますが、せっかくですから前向きにいくつか提案させて頂きましょう。(1)ロビーの暖房温度を下げる。やや物足りないな、という程度まで温度を下げてこそ人が暖炉に集まるようになります。(2)エネルギー効率の悪い吹き抜け構造を見直し、ロフトにベッドルームを増設する。北欧のログハウスでは、最小限の暖房でも一番暖かいロフトで寝ることで、燃料を無駄にしないようにしています。(3)家族の団欒が楽しめる鍋料理の導入を。なぜ現状でフランス料理にこだわるのかよくわかりません。鍋なら大勢でつつけるし、体が温まるので部屋の暖房温度を下げられます。地元の食材も消費しやすくなるでしょう。どうしても洋式にしたいなら、チーズフォンデュなんかどうでしょう?

 お世話になったバスです。ありがとうございました。

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白川村自然学級(その2)

2009年01月14日 | 極楽日記(国内旅行)

 2日目のプログラムは楽しい朝食から始まります。

 朝一番なのでまだ空いていますね。トヨタ白川郷自然学校では部屋で地元のおいしい水が自由に飲めるようになっていて(廊下に給水所がある)、レストランでも同じ水が供されます。メニューにはあまり特徴がないですね。コーンフレークの代わりに玄米フレークがあるぐらいかな。

 部屋に帰ってそり遊びの練習をしています。子供は午前中餅つきの予定なんですが。

 なかなか本格的な餅つきの会場。私たちは午前中、子供と別れて歩くスキーに行ったので参加できませんでした。

 インストラクター(ここではインタープリターと称しています)のお世話になってスキーの練習。ふかふかの新雪にスキーを取られて、皆さんかなりの悪戦苦闘でした。この辺は雪がない時期には白山スーパー林道になります。

 止まっているところは一人前のスキーヤーと変わりませんね。でもゲレンデスキーしかやったことがないので、エッジのないスキーなんてどう扱ったらいいのやらわかりません。

 初心者コースのハイライトは合掌造りの建物です。

 午後は子供と合流して雪遊びです。

 そり遊びはママの担当。私が乗ると壊れますので。

 極楽息子(小)の顔からは楽しんでるのかどうかわかりませんが、引き上げる時には大ぐずりして大変でした。

 初日に失敗したかまくらも何とか完成。ただし子供用です。イグルーは難しいので、今度は技術のいらないトンネル方式にしました。

 雪が降り始めて2日目になるとやや固まりやすくなるので、雪遊びにはちょうどいいそうです。
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白川村自然学級(その1)

2009年01月13日 | 極楽日記(国内旅行)


 極楽息子(小)の通う幼児教室「こども能力開発教室トムソーヤ」の自然学級に一家で参加してきました。行き先は世界遺産の合掌造りで有名な岐阜県白川村にある「トヨタ白川郷自然学校」です。本人は行き先など理解しているはずもありませんが、朝から意欲十分ですね。

 トヨタ白川郷自然学校の建物は、合掌造りをモチーフにした木造の大屋根からできています。合掌造りが4階、5階の高層なのに対してこちらは背の高い大空間が中心で、頑丈な木組みが強調されています。これだけの大屋根を通常の木材で支えるのは難しいため、大径の集成材をメタルで結合したトラス構造をとっており、近代的です。

 この施設は当初稲本正さんが校長だったのを見てもわかるようにオークヴィレッジとの関連が深く、建物の設計にも密接に関わっていたはずです。確か、稲本さんは国産材の利用を強固に主張していたはずですが、強度の高い構造用の木材をこれだけ集めるのはかなりコストが高いため、これは輸入材ではないかと思います。大空間木造建築のノウハウが豊富にあるダグラスファーなどでしょうか。もし地元の木材(木曽ヒノキの産地ですね)を利用しているのなら大っぴらに宣伝しているはずですし、日本の市場は木材の節を極端に嫌うので、大径の構造材でこれだけ節まみれのは却って手に入りにくいはずです。

 その後のトヨタが稲本さんと意見を異にしたのは、記載が全くないながら何となくわかります。現在のトヨタ白川郷自然学校はオークヴィレッジと関係がなさそうで、フロントにオークヴィレッジの本が少し並べてある以外には痕跡もありません。私は品質のばらばらな国産材を無理に使うことは消費者にメリットがなく、「環境にいい」とも思いませんので、このトヨタの現実転向は妥当なものと考えます。そもそも、「国産材以外はみんな駄目」という教条主義からすれば、鉄骨造りのトヨタホームをどう説明するのですか。目的が合理的でない教条エコ運動は迷惑なだけです。

 長ったらしいレクチャーを受けてから、まずは着替えて雪遊びです。少し寒いかな?この宿泊施設はチェックインが午後4時なので、それまでは温泉の脱衣場で着替えるようになっており部屋が使えず不便です。ここはもう少し何とかならないでしょうか。子供の着替えにはパパとママが一緒に作業できないと不便ですし、だからと言ってこの時期に午後4時まで待っていると暗くなってしまいますよ。

 最初のプログラムはかまくら作りです。雪山を作って穴を掘る方法が正統ですが、ブロック作りの道具が手に入ったため、イグルー方式を採用。雪を固めてブロックを作り、壁を積み上げていきます。

 一家総出の作業ですが、これが大変。次々に降り積もる粉雪はなかなか固まってくれなくて、基本になるブロックがうまく作成できません。建材が弱いし、地盤も同じく新雪でふわふわのため、積んでも積んでも割れたり崩れたりする惨状です。

 寒い中の重労働が続きます。向こうのグループは古典的なかまくら方式ですね。

 建築技術がないため壁だけで我慢します。少しずつ壁が内側に向いているのですが、これはイグルーの曲面を作っていると言うよりは、真直ぐ積めずに傾いてきたと言うべきでしょう。

 広さはこんなものですね。風除けにはなるでしょう。どうしても開口部が弱くて崩れやすいので、イグルー方式でも全周に積んでしまって、後から入り口を開けた方が失敗しにくいらしいです。

 こんなかまくらでも満足してくれたのかな?

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地上デジタルあの手この手

2009年01月09日 | たまには意見表明
 2011年7月24日をもってアナログテレビ放送が終了することが決定されて以来、政府関係者や放送業界から期日の見直しに言及されたことはありませんでしたが、ケーブルテレビに限って旧来のアナログテレビでも受信できるように緩和するらしいです。

 元々、VHFに比べて電波の直進性が強く、送信局のカバーエリアが障害物に影響されて狭くなりがちなUHF帯を使う地上デジタルでは、山間部などに受信困難な地域が残る傾向があり、だからと言って地上送信局を際限なく増やすことはコストを考えれば不可能です。このため総務省もケーブルテレビ業者に安価な地上デジタル放送の再送信サービスを要請していました。ケーブルテレビの多くは地上デジタルの再送信を既に行っているのですが、他のチャンネルとの抱き合わせなどで料金が高止まりしており、年金生活者などに配慮して、地上デジタルだけは安く契約できるようにしたものと思われます。

 地上デジタルだけを契約された場合、単価が低いため短期の契約ではあまりケーブルテレビ業者の収入になりません。これを埋め合わせるため、アナログテレビのまま数年間はケーブルテレビで地上デジタル放送を視聴できるようにはからったものでしょう。アナログでの再送信ですから、画質は旧来のテレビ放送と同等。電波でのアナログ放送がまだ終わっていない現時点では、同じ放送内容に追い金をしてケーブルで見たい人もいないでしょうが、いよいよアナログ放送終了が近づけば、機械に弱い高齢者などが検討してくれるかもしれません。

 しかし、これだけで地上デジタルの視聴可能エリアを大幅に拡大することは不可能ですし、これに乗った人も、暫定措置なので結局はデジタルテレビの購入とアンテナ工事が必要になります。ケーブルテレビは受像機1台ごとの契約なので、現在は当たり前の複数テレビ利用者では料金がかなり高くなるという問題もあります。所詮はその場凌ぎの政策で、これで地上デジタルが大幅に普及するわけもありません。

 地上送信局を補完する効果を考えるなら、ケーブルテレビ以上に普及したインターネットの方がコスト面で遙かに有利なのは自明ではありませんか。総務省も放送局もかなり焦っているようなので、今年は大きな動きがありそうです。ようやく視聴者の多くが納得できるような地上デジタルが見えてくるのでしょうか?
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